「横に出すだけ」は林の中からの最善策じゃない? 真のリカバリーは3オンしやすい場所に運ぶこと!
スコア80台でラウンドするためのゴルフ学|メンタル&マネジメント Season2 VOL.06 マネジメント編
「ゴルフは欲との闘い」とはよく言ったもので、諦めが悪いと大叩きに直結しやすい。一度、欲と無縁のゴルフをしてみると、スコアアップのキッカケがつかめる。
ゴルフトゥデイ本誌638号/114〜115ページより
取材・構成・文/三代 崇 イラスト/庄司 猛
私のプロキャデイの経験として忘れられないシーンは沢山あります。1998年に大洗GCで開催された日本オープンもその一つです。この試合、私は優勝した田中秀道プロのキャディをつとめました。最終日の18番ホールを迎えて6アンダーで単独首位の田中プロ、ティショットが右に飛んで林の中へ。2打目を木に当ててしまい、3打目も林の中でしたが、幸いにもスイングできる場所で、上を見たらボールを通せる空間がありました。田中プロは熟考した結果、グリーンを攻める作戦をチョイス。ボールはスライス回転を描き、グリーンの端に落ちるスーパーショットを打ってのけたのです。
ボギーで上がり、1打差で逃げ切り優勝を果たしたこのシーン、私から見ればイチかバチかのショットに思えましたし、これが18番ではなくて前半でしたら田中プロも無理しなかったはず。勝負を賭けたい場面だからこそトライを選択したのです。