ユーティリティがめちゃくちゃ当たるようになるコツとは? ミスの原因は「上下」の2パターンあることを知ろう
吉本巧のゴルフギア教室 第78回
ユーティリティのトップやチョロはヘッドアップだけ気をつけても直らない。根絶する方法教えます!
いまやすっかり市民権を得たユーティリティ(以下UT)。楽に球が上がって飛距離も出る、おまけにグリーンにも止まりやすいということで、アマチュアのみならずプロにも重宝されているUT。しかし、使う人が増えれば、ミスに悩むゴルファーも増えるということ。そこで今回は、UTのミスの原因について、プロコーチ・吉本巧に話を聞いた。
最近は、“ここぞ”というところでトップやチョロが出る、というアマチュアの方の相談が多くなっています。飛距離を稼ぎたいクラブでは起きがちなミスですが、意識を変えるだけでは治まらない人もまた多い。そんな人は原因を突き止めて対策を打たなければいけません。
トップやチョロの原因は大きく2つに分かれます。1つは上半身に原因があるケース、もう1つは下半身に起因するケースです。まずは上半身由来のミスから説明しましょう。現象としては、アドレスからインパクトまでの間に上半身が起きて前傾角度が浅くなります。頭とボールの間隔が離れ、インパクトでヘッドが浮いてトップやチョロになるわけですが、これが結構タチが悪い。上体が起きないように意識していてもそうならないため、なかなか気づけない。自覚症状が皆無なのです。さらに、バックスイングで上体が起きる人と、ダウンスイングで起きる人がいて、それぞれ対処法が異なります。
バックスイングで上体が起きる人の多くは、左肩で顔を押し上げています。本来バックスイングでは、左肩が下がりながら右足の方向に移動し、最終的にアゴの下に入ってきますが、これができていません。体が硬くて肩が回らないという人もいますが、ほとんどの場合は体が硬いのではなく、左肩を動かす方向が違っていて、無意識に水平に近い方向に動くため顔を押し上げ上体を起こしてしまうのです。
一方ダウンスイングで起きる人は、胸の面を下に向けた状態をインパクトまでキープすることが大事。みぞおちを下に向けてもいいでしょう。ダウンスイングでは、右肩を下げながら体の前に入れるのがポイントで、右肩が水平に近い状態で回ると上体が起きてしまいます。こうなる人は、“ダウンスイングでは右肩を下げない”という訓えを守っているかもしれませんが、これは間違い。スイングは前傾したまま回転する運動ですから右肩は下がるのが自然です。
問題があるとすれば下げる方向で、右足方向に下げるからミスになる(この場合はダフります)。体の正面方向に下げていくのが正解で、野球のアンダースローのイメージで動くとうまくいきます。また、右肩が正しく下がると右目が下、左目が上になって両目に高低差がつきます。前傾が浅くなる人は両目の高さがレベルに近くなります。目線が斜めのまま動くのが不自然に感じるのかもしれませんが馴れるしかありません。