石井良介 が考える、スコアが伸びる同伴者の条件! 上手い人ほど“気持ちのいいゴルフ”をしている。
石井良介のゴルフ・すべらない話:最終回
スコアや技術以上に、ラウンドの質を左右するのは「誰と回るか」。気持ちのいい人と回れば集中力も上がるし、学びも多い。逆に、相性の悪い同伴者との18ホールは、どんな上手なゴルファーでもリズムを崩す。石井良介が実体験を交えながら、どんな人とゴルフをするのがより良いゴルフに繋がるかを語る。
実感が伴うかはさておき、最終的にスコアを左右するのはやはりパット。狙ったパットが入ったり、想定外の3パットがなくなるとゴルフの流れが良くなってショットも安定してきます。
アマチュアの方のパットでよく目にするのは、入れたらパーだったのに、外したためにボギーやダボになってしまった、というパターン。ガッついて狙いにいってオーバー、みたいな感じでしょうか。理由はともあれ、せっかくパーオンしたのに3パットのボギーはいやなもの。でも入れたい気持ちは常にあるのが正直なところだと思うので、そこは自分の気持ちの出し入れの仕方がポイントになります。
とはいえ、具体的にどうしたらいいのかわからなかったのでテストをしてみました。例えば3パットしたらお昼ご飯を奢る。こんなゲームをやると圧倒的にバーディが減ります。ところがバーディを獲ったらお昼を奢られる、にするとパット数が増えます。いうまでもなく前者では丁寧に合わせるようになり、後者は狙いにいくからです。また、ファーストパットをショートしたら罰が与えられる、というのもやりました。どんな心持ちでパットしたら前向きになれて、かついい結果になるのか実験したわけです。すると“ガチャン”とインする時もありますが大オーバーが多くなりました。
どれも当たり前といえば当たり前の結果で、万人に当て嵌まる確信的な気持ちのもっていき方はわからなかったのですが、自分なりにどうすればいいのかはある程度わかりました。僕がいいパットが打てたのはワクワクしている時でした。悪い時は多かれ少なかれワクワクできない何かがある。例えばスコア的に追いつめられているとか、ラインが難しくて読みきれない時です。なので、そういう時には狙わない。僕の場合ラウンドを動画撮影していることがあって、ワクワクしている時の動画を客観的に見ると「これは入るよな」という感じがすごくある。要はパットを楽しんでいるかどうか。それ以来、自分の精神状況を確認してから臨むようになりました。結果はまずまずです。
もちろん他にもいろいろなタイプの人がいます。何かを賭けると異様な集中力を発揮する人がいれば、逆に消極的になる人もいる。ネガティブさがいい方に作用する人もいます。ずっとボヤきながらいいスコアで回るプロがいるようにネガティブ=悪ではありません。そもそもの性格もあります。僕は学生時代にデビッド・デュバルに憧れて表情に出さないゴルフをしたらおかしくなりました。ワーワーうるさかったのが黙ってやったら全然面白くないんです。