テーラーメイド「TP5/TP5x」の5層構造に隠された進化。~『Qi4D』の知られざる挑戦~(4)
話題の新作 開発ストーリー秘話 ギアモノ語り VOL.53|TaylorMade Qi4D
テーラーメイドがはじめて5層構造のボールを発売したのが2010年。2017年に『TP5』が誕生してからはボールシェアが10倍以上に伸びた。5層構造のボールはどのように進化したのか?
GOLF TODAY本誌 No.645/特別付録より
取材・構成・文/野中真一 撮影/相田克己、PMT
日本でも米国でも大幅にボールシェアを伸ばしてきた要因について、同社のボール担当・田中桂は次のように語った。
「大前提として、テーラーメイドには5層構造の優位性があります。ゴルフの場合、クラブは14本あるのに、ボールは1つ。ドライバーもユーティリティもアイアンもウェッジもパターも1つのボールで何とかしないといけない。テーラーメイドのボールは5層構造に5つの役割を持たせていることが1番の強みです」
3層構造のツアーボールとは具体的に何が違うのか?
「3層構造だと3つの役割しか持たせることができません。例えば最近のツアーボールは硬めのタイプの方がドライバーの飛距離性能が高くなりますが、スピン量も増えてしまう。しかし、テーラーメイドの『TP5x』は5つの層があることで、ドライバーに限りなく特化したコア層はボールスピードの最大化と低スピン性能の両立を追求し、2層目はフェアウェイウッドやハイブリッドに必要な初速と適切なスピン量を実現。3層目でミドル、ショートアイアンの打ち出し角やスピン量をコントロールし、4層目と5層目でウェッジのスピン量やパターの打感を最適化。パターの打感はカバーだけではなくてその下の4層目の硬さの影響が大きい。テーラーメイドはそこも意識しています」
5層構造の『TP5』シリーズによって、大きな成功を手に入れたのが昨年のPGAツアー年間王者となったトミー・フリートウッドだ。
「以前のフリートウッド選手はミドルアイアン以降はマッスルバックなのに、ロングアイアンはキャビティバックにしていました。その理由はロングアイアンをマッスルバックにするとボールが吹け上がってしまっていたからです。でも、『TP5x(PIX)』にしてからはロングアイアンからPWまでマッスルバックになりました。それはロングアイアンを打ったときはボールが適切なスピン量と打ち出し角に調整してくれるからです。車に例えるなら『TP5』は5速の自動運転機能を搭載した最新車種です」