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クラブの取り説|上級者も必見!ミスを減らせる今どきゴルフクラブの使い方

2018/10/15 ゴルフトゥデイ 編集部

なぜかゴルフクラブには取扱説明書がないが、クラブの機能を生かす使い方があるのではないのか?そこで、クラブ設計家の宮城氏にクラブの性能を生かす使い方を説明してもらった。

【解説:宮城裕治】
フォーティーン勤務時代に数々のクラブ開発に携わり、独立後は石川遼モデルのクラブ設計も担当したカリスマクラブデザイナー。クールデザイン代表。ゴルフパートナーの開発顧問も務める。

今どきクラブはフェースを開かずにテークバックする

今どきクラブは曲がりが小さく真っすぐ飛ぶ設計

今どきクラブ460㎤

今どきクラブはヘッドの慣性モーメントが大きく直進性も高くなっています。だから打点のばらつきにはめっぽう強い。ただし、直進性が高い=ヘッドがターンしにくいので、トップでフェースが開いていると開いたままインパクトしやすくなります。

<今どきクラブ460㎤のスイング>

フェースを開かずにテークバックすればトップでフェースは上を向きます。開かずに引けたかどうかはテークバックの途中でチェック。

10年ほど前まではヘッドのターンを使って飛ばしていた

360㎤くらいまでのドライバーヘッドは、今どきクラブと比べると、ヘッドの直進性が低い代わりに、ヘッドをターンさせやすくフェース向きのコントロールも容易でした。ですから、ドローやフェードの打ち分けも容易で、技術がある人はヘッドターンを積極的に使って飛距離を稼いでいました。

<2006年モデル300㎤のスイング>

フェースを開きながらテークバックすると、テークバックの途中もトップもフェースが正面を向く。

今どきクラブはフェースを開きながら引くとスライスが出やすくなる

ヘッドの直進性が高いということは、スイング中にヘッドのフェースの向きが変わりにくいというメリットがある反面、テークバックでフェースを開いてしまうと、インパクトでスクエアに戻りにくく、スライスが出やすくなるという点があります。今どきの直進性が高いクラブは、フェースを開かずにテークバックすることが性能を引き出すコツで、アベレージ向けモデルはアイアンやFW(フェアウェイウッド)、UT(ユーティリティ)も同様です。

芝の上から打つクラブはクラブが座ったところに構える

ソール全体が芝に接しているのが適正な状態
ソールが地面に対して水平にコンタクトするのでヘッドの抜けが良くなる。さらに、設計通りのロフト角でインパクトできるので、番手どおりの飛距離が出る。

<球の位置は同じでもシャフトの傾きは変わる>

球の位置が左足カカト線上で変わらなくても、長いクラブほどスタンス幅が広くなるのでアドレスでの左手の位置はボールの真上に近く、短いクラブほどスタンス幅が狭くなるので、左手の位置はボールの真上より左に離れるため、短いクラブほどシャフトの傾きが大きくなるように設計されている。

<シャフトを地面と垂直に構えると飛ばなくなる>
クラブのロフトは、ソールが地面と水平となった状態を基準に設定しています。短いクラブほどソールが地面と水平になった時にはシャフトが左に傾くように設計してありますから、シャフトが地面に垂直となるように構えると、ロフトが寝て、番手どおりの飛距離が出なくなってしまいます。

アドレスのポイント

1.ボールの後ろにヘッドを置き、フェースをスクエアに合わせる

2.クラブはキープしたまま左手が左足付け根の前に来るように左足の位置を決める

3.左足付け根の前で左手を握り、左足は動かさずに右足の開き加減でスタンス幅を調整する

<アドレスでの左手の位置は左足付け根の前>

手の位置を左足付け根より左にズラして構えると、フェースが右を向く。

ハンドファーストに構えようとして左手の位置が左足付け根の前より外(左)にズレてしまうと、ロフトが立ち過ぎた状態となるか、フェースが右を向くことになり、ミスショットを招きます。

<シャフトが垂直で手の位置もズレているのはNG>

剣道の“お面”でアドレスを作ると、ボールからツマ先までの前後の距離は合わせられるが、シャフトが地面と垂直となってしまう。

バンカーショットはハンドファーストに構えない

“打つ”のではなく“運ぶ”が正しい使い方

サンドウェッジの機能を使えれば、バンカーから簡単に出せます。

プロはバンカーでもボールだけをクリーンに“打つ”こともありますが、アマチュアはサンドウェッジのバウンスを利用して、ボールを砂ごとすくい上げるように振るとバンカーショットが見違えるように簡単になります。バンカー練習場があるコースに行った際は、バンスが生きる構えからピン方向にヘッドを振り抜いて、ボールを砂ごとフェースに乗せて運ぶ振り方を試してください。

「砂を爆発させる」は間違った表現
ボールをクリーンに打たず砂と一緒に飛ばすショットを、英語では「エクスプロージョンショット」と言います。“エクスプロージョン”の意味は“爆発”なので、砂を爆発させるというイメージになっていますが、実際はボールを砂ごとすくって投げるように飛ばすショットなのです。

<GOOD>
砂ごとボールをフェースに乗せてフォローで空中に運び上げる。

<NG>
砂を爆発させようとして上から打ち込んでも“ダルマ落とし”になってボールは飛ばない。

バンスを使えるかどうかは構えで決まる

ヘッドがバンカーの砂に潜らずに抜けるように、サンドウェッジのソールには“バンス”がつけられていますが、アドレスでクラブの構え方を間違っていると“バンス”の機能をうまく使えません。

<バンスがイキる構え>

シャフトが垂直
芝の上からのショットと違い、バンカーショットではバンスが多くなるように構えるのが基本。シャフトを垂直に構えれば、バンスが十分に機能する。

ハンドレート
砂がタップリ入ったフカフカバンカーでは、さらにバンスの効きを強める必要があるので、シャフトを垂直ではなく、通常とは逆に傾けるハンドレートに構える。

<バンスがイキない構え>

ハンドファースト
ハンドファーストの構えでは、ロフトが立つぶん、バンスが使えないので、ヘッドが砂に潜りやすくなる。その結果、ボールが飛ばなくなる。

GOLF TODAY本誌 No.549 105〜111ページより