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旬な女子プロに学ぶ!好スコアを出すためのドライバースイング

2018/12/01 ゴルフトゥデイ 編集部

例年に増して毎週好スコアの優勝争いが展開されていた日本女子ツアー。予選カットラインが上がりプレーオフの決着も多いが、これは明らかに実力の底上げがなされているあかし。それを裏付ける実力者たちのドライバースイングの技術を探った。

【解説:横田英治(ETGS)】
1971年生まれ。96年プロ転向。10数年にわたるツアー参戦ののちコーチに。明快な理論と実践で多数のプロ、アマを指導。江連忠ゴルフスタジオ千葉校エグゼクティブインストラクター。

鈴木愛のドライバースイング|ウェイトシフトの大きさとインパクトの再現性がスゴい!

鈴木愛(セールスフォース)

鈴木愛のドライバースイングのスゴいところ

《スゴいところ1. 右股関節と右足》

バックスイングの力をがっつりと受け止めている。
右股関節が切れ上がるのはバックスイングの勢いを右サイドで受け止めているあかし。右足も動かないので右腰が引けたり、スライドしない。

《スゴいところ2. インパクトのフェース向き》

頭が残るからフェースが返る。
インパクトは見事なヘッド・ビハインド・ザ・ボール。頭を残すことでフェースが返りスクエアにインパクトできている。再現性も高い。

《スゴいところ3. 振り切り感がハンパない》

振り切ることでミスが減る。
しっかり振り切れると、ちょっとした打点のミスの影響が軽減する。手を離したりゆるむと小さな打点のミスが広がりやすい。

ためたパワーを安全に放出するクラブの動きを邪魔しないスイング方法

まず目を引くのはバックスイング時のウェイトシフト。トップでの右股関節の切り上がり方がすごい。これは深い捻転で生まれるバックスイングの勢いをしっかり受け止められている証拠。右足もまったく動かないので、がっつりパワーがたまります。

この右足はスイングの再現性の高さにも一役買っています。ダウンスイングでは右足に体重が少し残っているように見えますが、ヘッド・ビハインド・ザ・ボール の度合いがすごい。やや右残りでも頭が残っていればフェースは返ってきます。ある意味自然なフェースターンができ、しかも入射角がゆるやかになる。適正スピン量になりやすいので大きなミスが出にくいと思います。

トータル的に見てマネしてほしいのは思い切りの良さ。それを感じられるのがフォローからフィニッシュでクラブが振り切れていることです。

振り切らずに手を離したりゆるめたりすると、小さな打点のミスが広がってしまう。振り切ることでクラブの動きを邪魔しない打ち方になりやすいんです。

比嘉真美子のドライバースイング|ダウンスイングの捻転差が生む加速がスゴい!

比嘉真美子(TOYO TIRES)

比嘉真美子のドライバースイングのスゴいところ

《スゴいところ1. 上半身はトップ、下半身はインパクト》

上半身が下りるまで下半身が待てている。
上半身はトップなのに下半身はインパクトの準備ができている。上半身が下りるまで下半身はしっかりと待てている最強の下半身リード。

《スゴいところ2. 長いインパクトゾーンでボールを押す》

打ったあとのゾーンが長い。
インパクトゾーンが長くてボールを押していけている。特にインパクト後のゾーンが長いのでパワーが乗り方向性も安定する。

《スゴいところ3. ハンマー投げのようなフォロー》

ヘッドスピードが最大限にアップ。
フォローの形がハンマー投げのよう。これはヘッドと体が引っぱり合えている証拠。ヘッドスピードがマックスまで上がる。

捻転差が生み出す理想的かつ最強の下半身リード

バックスイングで上体を深く捻転させ、下半身と肩の回転差を作り出していますが、最大の特徴は切り返し。

上半身はまだトップの形のままなのに、下半身は一足早くインパクトの準備をしています。そして上半身が下りるまで下半身がしっかり待てている。この捻転差が生み出す理想的かつ最強の下半身リードが、スピード感のあるダウンスイングからの力強いインパクトを演出しています。

アマチュアはこの加速感を腕力で作り出そうとするからスピードが出ない。体幹と足だけでしなやかに振り抜く意識が必要です。

フォローサイドに目を向けるとスイングアークがすごく大きく、しかもインパクトゾーンが長い。特にインパクト後のゾーンが長いのでボールをしっかり押せます。 飛距離も方向性もいいのはそのため。腕力を使わずにリリースできているため、パッと見ハンマー投げの選手のように見えますが、これは腕をしなやかに柔らかく使い、体の回転と同調しているからです。

畑岡奈紗のドライバースイング|右肩の柔軟さと軸の強さがスゴい!

畑岡奈紗(森ビル)

畑岡奈紗のドライバースイングのスゴいところ

どんなライでも変わらない両肩の高さ

《スゴいところ1. 遠投しているように振る》

肩を柔らかく使ってスイング。
スイング中に両肩の高さが変わらず一定の高さを保って回転し、かつダイナミックに振れるのは肩が柔らかいから。遠投するように腕をしならせる。

インパクトで右肩が下がらないように!

《スゴいところ2. 重心の低さ》

強い回転力で安定したスイングになる。
下半身が強いと低重心で振れる。ダウンスイングで踏み込んだ足を蹴っていくことで、回転力の強い安定したスイングになっている。

低い重心と強い体幹で回転力と安定感を両立

スイング中に両肩の高さを保ちながらタメを作って右肩を押し込むように打つ。そのままボールを投げたら下手投げでも遠投できそう。これは肩の柔軟性と強さのなせる技です。

全体的には重心が低くて体幹が強い印象です。超低重心なので、ダウンスイングでの踏み込みと蹴りが効果的に使える、その結果、 回転力の強い安定したスイングになっています。

スイングの軸は振ってきたものの強さで決まりますが、いかにもバットを振り続けてできた軸という感じです。

申ジエのドライバースイング|軸が傾かず頭も動かないのがスゴい!

申ジエ(スリーボンド)

申ジエのドライバースイングのスゴいところ

《スゴいところ1. タテ、ヨコともに軸ブレしない》

入射角が安定してどこでも打てる。
軸ブレないのは体幹が強いから。アドレスからインパクトまで、ほとんど頭の位置を変えずに打てるので入射角が安定する。

《スゴいところ2. スイング中に腕の長さが変わらない》

フェースの開閉する量が少ない。
たとえばフッカーだとインパクトまで右腕を短く使うが申は腕の長さが変わらない。フェース開閉量が少ないため正確なショットが打てる。

元世界一。非の打ちどころがないパーフェクトスイング。

パッと見て思うのは、どんなライからでもクリーンヒットできるスイングだということ。それくらい軸が傾かないし頭も動きません。

切り返しでは間が作れて、インパクトはヘッド・ビハインド・ ザ・ボール。そして、頭が上下左 右にブレることがない。フォローでは右腕が伸びきり、クラブが遠心力で気持ち良さそうに振られています。

見た目に左右の腕の長さが変わらないのもいいところで、フェースの開閉量が少ないことを意味します。さすがは世界一になったことがある人のスイングです。

GOLF TODAY本誌 No.554 50〜57ページより

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