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松山英樹がスイングとドライバーを一新。「SIM MAX」ドライバーを実戦投入

松山はやさしめ、高弾道が打ちやすい「SIM MAX」をチョイス

2020/01/10 ゴルフトゥデイ 編集部

日本でも1月9日に記者発表会が行われたテーラーメイドの新ブランド「SIM」「SIM MAX」。ツアープロたちのもとにも続々と供給され、1月9日(木)〜12日(日)に開催される「ソニー・オープン・イン・ハワイ」では松山英樹がテストを行うとともに、さっそく実戦に投入している。

空気抵抗を減少させるヘッドはマイナーチェンジしたスイングとベストマッチ?

「セントリートーナメント・オブ・チャンピオンズ」でお目見えしたテーラーメイドの新ブランド「SIM」「SIM MAX」。この試合では、すでにダスティン・ジョンソンやジョン・ラーム、マシュー・ウルフ、コリン・モリカワらが使用している姿が確認されている。1月9日に解禁された情報によれば、「SIM」「SIM MAX」には新たなヘッドデザインが採用され、ハーフウェイダウン〜インパクトの過程における空気抵抗を減少させることでヘッドスピードをアップさせるという。また「M5/M6シリーズ」に搭載されていた「スピードインジェクション」や「ツイストフェース」といったテクノロジーも継承されている。

そして、今週開催される「ソニー・オープン・イン・ハワイ」でも多数の選手が、この新しいテーラーメイドのドライバーを使用またはテストしていた。その中には、「M5ドライバー」を使用していた松山英樹の姿も。練習日に「SIM」「SIM MAX」の両方をテストした松山だが、練習ラウンドでの様子を見るに「SIM MAX」をチョイスした模様。まだテストを始めたばかりなので、本決まりというわけではないかもしれない。グラファイト・デザインの担当者いわく、シャフトは変わらず「TOUR AD XC8-TX」(フレックスはXXX)を挿しているとのこと。

松山がチョイスした「SIM MAX」はヘッド体積460㎤で、発表された情報によれば「SIM」よりもやさしめ(つかまりがいい)で高弾道が打ちやすいヘッドだという。また、「SIM」には搭載されている「スライディングウェイト」(可変ウェイトシステム)は「SIM MAX」には搭載されていない。

テーラーメイドのツアーレップと相談しながらテストを行う松山英樹。
左の「スライダーウェイト」(可変ウェイトシステム)が搭載されているのが「SIM」、右が「SIM MAX」。
「ソニー・オープン・イン・ハワイ」初日、現在松山英樹は9ホールを終えてスコアはイーブン。強風が吹き荒れる中、新しいドライバーで勝利を目指す。

【関連】松山英樹のドライバースイングを分析【連続写真つき】

「骨盤の前傾が深くなって」スイングの流れが良くなった松山英樹

松山英樹はドライバーだけでなく、スイングも新しくなったようだ。「SIM」をテストする松山英樹のスイングを見ていて気付いたことがふたつ。ひとつはトップでの「間」が、ほとんどなくなっているという点。これは昨年後半にも見られた変化だが、その時よりもさらに短くなっており、よりリズムよくスムーズに振れているように見える。もうひとつは、アドレス時の前傾の深さ。以前よりも、かなり深くなっている。

この変化について、プロコーチの三觜喜一にスイング動画を見てもらい、分析をしてもらった。

「たしかに、アドレス時の骨盤の前傾が深くなっています。以前は、棒立ちに近いアドレスでしたが、かなり深くなっていますね。それによって、バックスイング時の捻転が深くなり、早めに切り返してもクラブがインサイドから入りやすくなるため、スイングの流れが良くなっています」(三觜喜一)

以前の棒立ちに近い構えでは、バックスイング時の捻転が浅くなり、現在のように早めに切り返すとクラブがアウトサイドから入ってきやすくなり、それによって手元が浮いて右へのプッシュアウトが出やすくなるという。

「そのため、以前はトップで間を作ってから、一気に振ることで振り遅れを防いでいました。また、以前のスイングと今週のスイングを見比べると、フィニッシュ時の左足のめくれに違いがあります。以前は左足がめくれていましたが、現在は左足がめくれずにしっかりと止まっています。このことから推測されるのは、トレーニングによって柔軟線が高くなっているということ。それによって、骨盤の前傾と捻転が深くなり、ねじり戻しがスムーズに行われるため、リズム感が良くなったと考えられます」(三觜喜一)

さらに、テークバック時に「お尻が落ちなくなった」ことも、スムーズにクラブを振れるようになった要因と考えられるという。

松山英樹本人は、現在のスイングの状態は「まだまだ」と捉えているようだが、客観的には「良い傾向」というふうに見える。新しいスイングとドライバーで、渇望する米ツアー6勝目をつかんでもらいたい。

  • 以前のスイングとの違いは骨盤の前傾の深さ。捻転がしやすくなっている。

  • 切り返しがスムーズになり、インサイドからクラブが入りやすくなっている。

  • インパクトからフィニッシュにかけてめくれていた左足が、ビタッと地面に吸い付いている。よりスイングに安定感が増したように見える。

取材・文:角田柊二
写真:田辺安啓、岩崎愛里