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入れごろ外しごろのパットの決め方!!

曲げても外しても寄せワンでパー! アプローチ&パット上手になって90を切る PART4

2021/06/15 ゴルフサプリ編集部

グリーン周りからのアプローチショットがワンピン圏内に寄ればパーセーブのチャンス。とはいえ1~2メートルの入れごろ外しごろの微妙な距離。シビれてしまいそうなパットを確実に入れるためのコツをパットの名手で知られた村口史子プロにレクチャー願った。

GOLF TODAY本誌 No.588 46〜57ページより

「これで大丈夫!」とポジティブな自己暗示をかけよう

入れごろ外しごろの1~2メートルのパットは入ったり入らなかったりで悩まされてしまいますよね。カップインの確率をどう高めたらいいかというと、まずはイメージづくりを大事にしてください。ボールがカップに向かってどうコロがっていくかの「リアルイメージ」です。

「何とか入れたい!」と結果を先に考えるより、やるべきことをしっかり実行すること。打つ前の素振りで、「こんなストロークをしよう」というイメージを働かせるのです。カップまで1~2メートルなのに、ロングパットを打つときみたいに大きく早く素振りする人が結構多くいますが、それではイメージが浮かんでこないはず。素振りを軽視しないで、本番のリハーサルと考えましょう。

パットは気持ちで結果が大きく変わります。メンタルが大事といわれる所以ですが、要は気持ちの整理ができているかどうかに尽きると思います。構えてからモジモジしてしまうのはプレッシャーもありますが、結局は迷っているままなのです。散々迷った挙句、やるべきことができずにカップを外してしまうと悔いが残りますし、後のホールにも尾を引くことになります。

ラインをしっかり読んだ。ここを狙ってボールを打とう。こんなストロークをしよう。そんな具合に決めたら、「もう大丈夫だ!」と自分に暗示をかけましょう。

「あそこに打つ!」と気持ちを整理してストロークする鈴木愛

打つ前にカップに正対する場所に立って素振りを繰り返す鈴木愛。ラインのイメージを高め、ボールをどこに打ち出すかを確認するために欠かせないルーティンだ。

鈴木 愛
すずき・あい(セールスフォース)
1994年5月9日生まれ、徳島県出身。155㎝。2017年と19年の賞金女王。14年と16年の日本女子プロ選手権を含むツアー通算16勝。女子ツアーNo.1のパットの名手で知られる。

ラインを太い線でイメージすると[カップインしやすい]

ボールの直径の幅で真っすぐなラインをイメージしよう。

カップへと続くラインの幅を広くとるのがコツ

カップまで2メートルなら傾斜も少し計算に入れますが、1.5メートルまででしたら基本的にはカップに向かって真っすぐ打ちます。ラインは細い線と考えないで、太い線でイメージするといいでしょう。私の場合、ボールの幅のラインがカップまで真っすぐ続いていると考えてストロークします。「カップのここ」と狙いを一点に絞るとプレッシャーを感じてしまいますが、「太いラインの幅で狙えばいい」と思えば気持ちがラクです。

カップまで1~2メートルでも、ボールの近くのライン上に仮想の目標をイメージしましょう。これはフェースをカップに対して真っすぐセットし、フォロースルーでヘッドを真っすぐ出しやすくするため。タッチはカップを30~50センチオーバーさせるくらいが目安です。カップまで1.5メートルなら1.8~2メートルコロがすという感覚です。少し曲がりそうでも、悩んだときは真っすぐ強めに打つのが確率は高いといえます。

アドレスの前にラインを見ながら素振りを数回繰り返そう。本番のリハーサルのつもりで素振りすることが大切だ。
ボールの10センチ先のライン上に仮の目標を想定しておこう。ロングパットはもちろん、ショートパットもスパットの意識は欠かせない。
フェース面をスパットに真っすぐ合わせて構え、素振りと同じ感覚でしっかりストローク。カップの30~50センチ先の仮想のカップに届かせるつもりで打とう。
テークバックが小さすぎると本能的にインパクトで強く打ちすぎてしまいやすい。
テークバックが大きすぎるとダウンスイングで減速して、インパクトが緩んでしまう。

[腕や手を使って打つのはNG]体幹のネジレでストロークしよう

テークバックよりフォロースルーがカップインの決め手

パットの大原則は腕や手を使わないで、背筋と腹筋のネジレでストロークすること。手首を固定し、体幹を小さく左右にネジれば肩が一緒に動いて、腕やパターが勝手に振られるという感覚です。ショートパットもロングパットもこの基本は一緒です。体幹のネジレの量を大きくすればストロークが大きくなりますし、ショートパットはとくに腕しか動いていないように見えても体幹のネジレを使ってストロークすることが大切です。

カップが近いからといって手先の動きでボールに当てにいってはいけません。これがインパクトの打点やフェース向き、軌道などを狂わせる元凶です。両ワキにクラブを挟んで背筋と腹筋だけで素振りすれば、手首を固定した体幹ストロークの感覚がつかめます。

カップインの確率アップはスパットの方向にフェースを真っすぐ出すことが決め手ですから、テークバックよりフォロースルーが肝心。

テークバックを気にすると無意識のうちにインパクトで手先の動きが働きやすく、ミスパットの原因となるので注意しましょう。

フォロースルーの動きをしっかりイメージすればカップインしやすい。そのためにもボールの先にスパットを置くことが重要だ。
テークバックでヘッドの動きを見ないこと。真っすぐ引けたかどうかなどを気にするとフォロースルーの軌道を狂わせやすい。

カップの入り口を広く使うことを考えよう

2メートルくらいの少し曲がるラインならカップの縁を狙うといい。軽いスライスラインなら左縁、フックラインは右縁から入れるイメージだ。
口は閉じていても、口の中をあけておくイメージで歯を食いしばらない。そうすれば肩の力が抜けてストロークがスムーズになる。
入れたい気持ちが強すぎると無意識のうちに歯を食いしばり、肩が硬直しやすい。

[パットが巧い人たちは]下半身が絶対に動かない

下半身に力を意識して上体をリラックス

パットが巧いプレーヤーたちにはいくつかの共通点がありますが、一番のポイントはストローク中に下半身が絶対に動かないこと。まったり振っているという印象の小祝さくら選手も、強気のパッティングが持ち味の笹生優花選手もお腹を引き締め、足腰をしっかり踏ん張ってパターを振っています。腹筋と下半身に力を入れておくことでストローク軌道が安定しやすくなります。

ところが、ほとんどのアマチュアは下半身を止めているつもりでも実際は動いていることに気づいていません。結果を早く見ようとしてカラダがカップを向くと、下半身が流れてストローク軌道を狂わせてしまいます。両足をクロスさせて構えると下半身をしっかり固めたストロークを体感できます。

渋野日向子選手はスタンスが広め、原英莉花選手はスタンスが狭めという違いはありますが、「下半身はどっしり、上体はリラックス」のカラダの上下のバランスがとてもいいと思います。アドレスの姿勢やスタンス幅は人それぞれで、自分に合ったスタイルを見つけましょう。

小祝さくら

体幹でストロークするから上体に力みがない。まったりと振って見えるが、気持ちの強さを感じさせる
こいわい・さくら(ニトリ)1998年4月15日生まれ、北海道出身。158㎝。2019年のサマンサタバタレディスでツアー初優勝。20~21年シーズンは既に3勝をあげて賞金女王候補の最右翼。

笹生優花

決断が早くて、思い切りがいい。迷いをいっさい消して打つ強気のパットでバーディを量産する
さそう・ゆうか(ICTSI)2001年6月20日生まれ、東京都出身。20年に彗星のごとく登場。NEC軽井沢72ゴルフトーナメント、ニトリレディスで2大会連続優勝を果たすなどの大活躍。

渋野日向子

スタンスが広めで下半身のどっしり感が特徴。体幹を使ってストロークし、ボールを強めにヒット
しぶの・ひなこ(サントリー)1998年11月15日生まれ、岡山県出身。167㎝。2019年の全英女子オープン優勝で一躍スターダムに。20年は海外を中心にプレーし、全米女子オープン4位。

原 英莉花

長身の割には狭いスタンス。軸ブレがなくてストローク軌道が正確。アマチュアの見本となるパットだ
はら・えりか(日本通運)1999年2月15日生まれ、神奈川県出身。173㎝。2020年は日本女子オープン、JLPGAツアー選手権リコー杯の2つのメジャーを制覇した。ツアー通算3勝。

下半身を固定させる練習法

左足を前にして両足をクロスさせて構える。このアドレスで練習すると下半身を固定してストロークする感覚がつかめる。
胸が早くカップを向くと右ヒザが流れて下半身がブレてしまう。
テークバックからフォロースルーまで下半身を動かさないことが大切だ。

スタンス幅は個人差あり

スタンスは狭くても広くてもいいが、狭めのほうが軸が 安定しやすい(右)。広いスタンスは下半身がどっしりす る反面、横の動きが生じやすい点に注意(左)。
ショートパットはストロークが小さいから姿勢を低くし て構えるといい(右)。パターを大きく振るロングパッ トは上体を起こして構えるのが有利だ(左)。

[ヘッドの重さを利用し]等速で振ればコロがりが安定

振り子のようにヘッドの重さを利用し、一定のスピードで振ろう。ショートパットはストロークが早くなりやすいので注意。

パターを両手から吊り下げているイメージで振る

鈴木愛選手のパットは女子ツアーの中でトップレベルです。どんなときもストロークが緩んだり速くなったりすることがありません。感性や感覚がとても優れていますし、パットの練習量も豊富。ロングパットはもちろん、1~2メートルのショートパットも大時計の振り子のイメージで、パターの重さをうまく利用してストロークしているのが長所です。

両手にヘッドの重さを感じて振り子のイメージでストロークするには、両手を強く握りすぎないこと。パターのヘッドカバーをやさしく包むくらいの力加減で握り、パターを両手から吊り下げる感じで構えましょう。ただし、両手をソフトに握っていても、ストローク中に手首の角度が変わってはいけません。構えたときのグリッププレッシャーと手首の角度をキープしてストロークしましょう。

ギュッと握らない

パターのヘッドカバーを両手でやさしく包むように持ってみよう(右)。このくらいの力加減がベスト。カバーを握りつぶすのはNGだ(左)。

軽く浮かせて吊るように

アドレスでヘッドを軽く浮かせて両手で吊るすように構えると重さを感じやすい(右)。ヘッドを上から押さえつけるような構えでは手に力が入りやすい(左)。

[困ったときはクロスハンド]ロングパットならタッチ優先で打つ

ややカカト体重に構え、フトコロを広く使ってストロークするタイプ。どんな距離でもタッチを合わせるのが巧い。

古江彩佳
ふるえ・あやか(富士通)
2000年5月20日生まれ、兵庫県出身。153㎝。19年の富士通レディースでアマチュアとして優勝。プロデビューの20年はデサントクラシックなど3勝をあげて早くも実力開花。

長いパットも打つ前の素振りでイメージアップ

アプローチがピンに寄らず、カップまで10メートルくらいのロングパットが残ってしまった。そんな場面でも打つ前の素振りがとても大事です。ポイントは見た目の距離感を優先させること。カップを見て右手に持ったボールをコロがすイメージや、右手でストロークする感覚を生かすのです。

「ロングパットは2パットでいい」と最初から安易に考えてはいけません。結果を先に考えるのではなくて、そのラインに対して自分がどう打つかのイメージを高めてストロークしましょう。出だしはボールが速くコロがり、カップに近づくほど遅くなるスピード変化も想像すればタッチが合いやすくなります。

スタンスが広めで下半身のどっしり感が特徴。体幹を使ってストロークし、ボールを強めにヒット

河本 結
かわもと・ゆい(リコー)
1998年8月29日生まれ、愛媛県出身。163㎝。2019年のアクサレディスでツアー初優勝。21年も同大会で2位と活躍。

手首を固定しやすいクロスハンドは短いパットに有利

女子ツアーには河本結選手のようにクロスハンドグリップに握るプレーヤーが割合多く見られます。クロスハンドは手首を固定しやすいので、ストローク中に手首が折れやすい人にはオススメです。フォロースルーでヘッドを低く真っすぐ出しやすいのも長所。ストロークの修正法として役立ちますし、ショートパットを確実に決めたい場面でも効果的だと思います。

体幹を使わず、手先だけで打つとインパクトで手首が折れてしまう。これではカップを外しやすい。
両手を逆にしてクロスハンドグリップに握ると、フォロースルーでヘッドを低く真っすぐ出しやすい。とくに入れごろ外しごろのパットに有効だ。

距離感は右手ストロークで

右手でコロがす感覚で、右手ストロークの練習をすると距離感を出すコツがつかめる。
タッチ合わせはカップを見て右手でボールをコロがす感覚。
10メートルくらいの長いパットは距離感が決め手。ショートパット以上に打つ前の素振りが重要になってくる。

村口史子
むらぐち・ふみこ
1966年8月30日生まれ、千葉県出身。166㎝。高卒後にゴルフ場の研修生となり、90年にプロテスト合格。91年のサントリーレディスでツアー初優勝。99年にはヤクルトレディスなど年間3勝をあげて賞金女王の座を獲得。得意なパターを武器に通算7勝を積み上げた。現在はテレビ解説やラウンドレポーターなどで活躍中。

協力/千葉CC川間コース


曲げても外しても寄せワンでパー! アプローチ&パット上手になって90を切る

PART3(前回)へ

曲げても外しても寄せワンでパー! アプローチ&パット上手になって90を切る
PART1 小祝さくら流 超安定アプローチ術|体を回せば寄せワン連発!
PART2 寄せワンを成功に導くのはスイングとウェッジのいい関係
PART3 ヨコシン直伝スピンの上手なかけ方(誰でも簡単にマネできる)
PART4 入れごろ外しごろのパットの決め方!!