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ちょうどいい前傾角は何度? 深すぎるから体が起き上がる!

逆上がりできないティーチングプロのゴルフが上手くなる話|第68話

2024/04/26 ゴルフサプリ編集部 名取 確

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こんにちは。逆上がりの出来ないティーチングプロ名取です。「あ~、体起き上がった!」って、叫んだことありますか? 私は何度もありますよ。何とかしたいこのクセ。何でプロはあんなに前傾キープしたままキレイなインパクトが出来るんだろう?!と不思議になります。
写真/ゴルフサプリ編集部

まずは前傾角度を見直してみよう

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起き上がった~!という前に、まず自分の前傾角度が正しいのかどうかを見直してみる必要があります。

そもそも前傾が深すぎると、スイングが窮屈になりすぎて起き上がらないと打てないという事になります。逆に前傾が浅すぎると、足や股関節で踏ん張れないからさらに体が伸び上がるという事になります。

そう、適正な前傾角度を作っておくことで身体の力を最大限使えるようにするんです!例えば、誰かと押し合い・引っ張り合いをする時には、自然と体を落としてというか腰を入れてというかちょっと重心の位置を自分が安定する位置に自然と持って行きますよね。

前傾を作る時に意識するポイントは【股関節】です。肩幅でスッと立ち、指先を伸ばして股関節の付け根に当てます。そこを押し込んで前傾を作っていきますが、その際に頭を前に落とさず、基本的には背中を折り曲げずまっすぐ「くの字」に折っていくのがポイントです。

腰のあたりを横から押されても体が揺れないポジション。

これがめちゃくちゃ大事。このポジショニングを取ると、自然と地面をつかんでいるような感覚が得られます。ちょこっと膝を曲げて重心を下に落としていきます。大体、重心ポジションは拇指球(足裏の一番でっぱっているところ)の辺りです。ちょっと前につんのめるような体勢で正解。

人によってポジションは違いますし、絶対の正解角度っていうのは無いですが、標準は前傾角度は30度前後になります。私はショートアイアンだと35度くらいになるので深い方かもしれないです。

前傾が深すぎる人は、手元のポジションが低すぎてしまうのが原因で、立つ位置がボールと離れすぎてしまうのです。めちゃくちゃヨコ振りしないといけなくなります。ヨコ振りしようにも、クラブのライ角はそのように出来ていないのでほぼダフリます。構えた時と同じポジションに戻ってくるのは大変です。ダフらないようにしようとすると……あぁ~「起き上がっちまったぁ~!!」ってなるわけです。

前傾が浅すぎる人は、テイクバックでまず右に乗れません。なので、どうしても右腕でクラブを引っ張り上げる動きが強くなります。体の左側面が引っ張られて・・・頭も右に動きすぎちゃって……ヘッドが高い位置に来てしまうから重さに耐えられず、振り上げたものを振り下ろす動きにならざるを得ないですね。そうすると、必然的に強めのアウトサイドインのスイングが完成してしまいます。体に近い方にクラブを振り下ろしてくると、どうしても体は起き上がらざるを得ません。

ちょうど良い前傾角度は角度を測るとだいたい30度前後。身長によって多少の違いはありますが、30度後半まで行くと深すぎ。27度以下は浅すぎです。これは是非、自分がナチュラルに構えている姿を真後ろから写真や動画で撮影して角度はかってみて欲しいですね。数字は素直で一目瞭然ですから!

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左ヒジで引っ張り上げるというのは、最高にカッコ悪い形、いわゆるチキンウイングのスイングになるんです。

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頭も体も左側にスライドしながら、スイング方向と同じ方向に体を動かしちゃうから、遠心力が効きません。遠心力はハンマー投げをイメージするとわかりますが、中心に回転軸があって遠いところに重いものが動いているから発生します。体で軸の中心となるのは一番体の中で重いパーツである頭です。頭が動いたら軸がぶれるからうまく回れませんね。

頭を残すことで、肩から先の腕がきれいに遠心力で伸びて最大のエネルギーを生んでくれる。まさにハンマー投げやデンデン太鼓のように体を使うのがコツです。

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この話をすると、体重移動はどうしたらいいんだ等、結構みんな頭の中パニックになっちゃうことがあるのですが極端に考えすぎなんですよ。全く動かしちゃダメとか言っているわけじゃないんで、ちゃんと意識をもってやればいいというだけの話です。

意識しないと出来るようにはなりません。まずは意識からスタートです!

ところでスイングっていうのは、上から下に叩きつけるのではなくて、後ろから前にエネルギーをぶつける動きが基本です。要は、テニスや野球と一緒ですね。でもゴルフは他のスポーツと違って動いているボールではないから、ただ当てるだけではボールが飛んでくれません。エネルギーを「グワァッ」と前に送り続けなればなりません。

手に持った重いもの、例えばバケツに入った水をぶちまけるとか、米袋などを遠くに投げるような大きなエネルギーを自分が作り出す必要があるってことです。

身体が突っ立った状態から、モノを前に飛ばす(放り投げる)形はやりようがありません。前傾していないと、飛球線方向と平行に腕を振った時に体に当たってしまうから、一旦右肩を前に出して腕を振る場所を確保し、体にぶつからないようにするには左斜め前の方に振り下ろすしかないのです。

その際に、体を伸び上がらせないと腕に引っ張られて頭が前に流されて倒れてしまうから、体を伸び上がらせてバランスをとるしかないんですね。

フェードボールを打つためにコントロールされた、多少のアウトサイドイン軌道はスイングのバランスを崩すほどではないのですが、残念ながら今お話している体が伸び上がった状態からのアウトサイドインのスイングは百害あって一利無し。どうしてもこの打ち方がしたいという方は、究極のアウトサイドインスイングじゃないかと思える堀琴音選手を参考にしてスイング作りをするならOKです。

ゴルフには、絶対の正解も、絶対の不正解も無くて打ちたいボールの種類によってスイングを作っていけば良いですね。自分でスイングを作れる人は、かなり少ないのでまずはセオリーを知って、試してみてから自分に合うか合わないかが分かるまで練習して、そこから自分のスイングを作っていくのが良いと思います。

振り子の基本を思い出して

インパクトで身体が起き上がるのを止めたい!と僕らが思っても、特にドライバーショットで前傾をキープしてそのまま振るのなんてほぼ無理です。自分ではキープしているつもりの前傾も、ある程度はほどけているし、それでもインパクトはそれなりにいい形で出来ていて、ミート率だって1.45以上の数字を出すことは出来ます。

全く身体が起き上がってはいけないわけではないし、バランスの良いスイングが出来ていれば別にOKです!

ただ、スイングをする時に超基本的な事として意識して欲しいのは、物体が動くときに一番安定するのは「振り子」の動きだということですね。自分の体を軸にした振り子が作れれば、そんなに大きくは体が起き上がる事はありません。

トレーニング方法を一つ紹介します。
①ただ腕を振るだけだけど、思いっきり肩から先を動かして指先が頭の上まで来るようにブンブン腕を振ってください。肩から指先までがまっすぐ伸びているように。肘を曲げるのはNGです。その際に頭の位置は全く変わらず、正面か斜め下を見たまま目線を変えずに腕を振るように。

② ①の動きが安定して出来たら、腕を振りながら少しずつ背中を回す動きを取り入れてテイクバックに近い形を取っていきます。大きく腕を振って、①よりもリズムはゆっくりにします。背中がしっかり回る際には腹筋や背筋などを使って身体がブレないようにコントロールする感覚を覚えて行きましょう。

これ、地味なんだけどちゃんと腕を振れる人は少ないんですよ!

何故か?!腕を振ると言っても、肘から先だけ使って「ペチン」とボールを叩いちゃうんですよ。肩から先の全体を腕と認識して、鞭のように使ってください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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逆上がりできないティーチングプロ(ペンネーム)
世田谷区在住。世田谷区喜多見で<ゴルフのある人生を共に歩もう>をテーマに、インドアゴルフ練習場EndlessGolfを運営しています。ティーチングプロと不動産業のリアル二刀流。一生ゴルフで感動し続けられる仲間をたくさん作りたい想いの溢れる40代です。

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