河本結「米デビュー戦トップ10入り」は初Vの吉兆!?
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河本結が米女子ツアーメンバーとしてのデビュー戦、ゲインブリッジLPGAで8位タイに入った。初戦でいきなりのベスト10入りは日本人選手5人目の快挙。今後の飛躍が期待される結果となった。
河本結「米デビュー戦トップ10入り」は初Vの吉兆!?
河本が初戦から躍動した。初日に68をマークして2位タイと絶好のスタート。2日目は73で後退したが、3日目に69で16位タイに浮上。そして最終日も69にまとめて8位タイでフィニッシュだ。
河本のようにクォリファイングスクールなどを経て米女子ツアーメンバーとなった日本人選手は40人近い。そのうち、ツアーメンバーデビュー戦でいきなりベスト10に入ったのは吉川なよ子(1978年、2位タイ)、平瀬真由美(1996年、6位タイ)、福嶋晃子(1999年、9位タイ)、上田桃子(2008年、5位タイ)とこれまで4人いた。河本は5人目の快挙を達成したわけだ。ちなみに、アメリカで大活躍した選手はどうだったかというと、全米女子プロ優勝で優勝した樋口久子は14位タイ(1970年)、賞金女王になった岡本綾子は28位タイ(1981年)、世界ランキング1位経験者の宮里藍は48位タイ(2006年)、そして河本と同い年の畑岡奈紗は予選落ち(2017年)という結果だった。日本人選手最高の2位タイに入った吉川は1打差の首位で最終日に臨み、74と崩れたが優勝者とはわずか1打差。デビュー戦優勝まであと一歩という状況だった。
注目したいのは初戦でベスト10に入った選手のその後だ。吉川は当時、日本でもまだ優勝はなかったが、この後29勝を挙げてツアーを代表する選手となった。さらに、1984年には日本開催の米女子ツアー、マツダジャパンクラシックを制している。平瀬と福嶋は1年目から米女子ツアー優勝を果たした。上田は1年目では勝てなかったが4年目に勝利をつかんだ。つまり、初戦でベスト10という結果を残した選手は全員、その後、米女子ツアーで勝利を挙げているということ。河本にとっては間違いなく吉兆のデータである。
米女子ツアーメンバー初戦でベスト10に入った日本人選手
名前 | 大会名 | 順位 |
---|---|---|
吉川なよ子 | 1978年 アメリカン・キャンサー・ソサエティクラシック | 2位タイ |
平瀬真由美 | 1996年 ヘルスサウスイノーギュラル | 6位タイ |
福嶋晃子 | 1999年 ヘルスサウスイノーギュラル | 9位タイ |
上田桃子 | 2008年 SBSオープン | 5位タイ |
河本結 | 2020年 ゲインブリッジLPGA | 8位タイ |
文・宮井善一
1965年生まれ。和歌山県出身。スポーツニッポン新聞社でゴルフ記者を8年間務め、2004年にフリーのゴルフライターとして独立。ゴルフ誌などに執筆のほか日本プロゴルフ殿堂オフィシャルライターとして活動している。元世界ゴルフ殿堂選考委員。
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