円熟味を増したマキロイが、ノーマン、ウッズに続く快挙達成!
「いまどきツアーをデータ斬り!」国内外のゴルフツアーをあらゆるデータで一刀両断 Vol.19
3月8日付の世界ランキングで1位を守ったロリー・マキロイが世界No1の通算期間を100週に伸ばした。通算100週はグレッグ・ノーマン、タイガー・ウッズに続く史上3人目の快挙である。
円熟味を増したマキロイが、ノーマン、ウッズに続く快挙達成!
30歳を過ぎ、円熟期に入ってきたマキロイが好調だ。米ツアー昨シーズン最終戦のツアー選手権や昨年11月のWGC-HSBCチャンピオンズを制し、2020年に入っても米ツアーで常に上位争い。世界ランキングは徐々に上昇し、2月9日付でついに1位に返り咲いた。2015年9月以来、実に約4年5カ月ぶりの王座奪回だった。以降もその座を守り、3月8日付で1位通算100週を達成したのだ。1986年にスタートした世界ランキングで1位経験者は23人いる。その中で100週の大台到達はノーマン、ウッズに続く3人目となった。
若いころのマキロイは圧倒的な強さで勝つ反面、メジャーなどの大きなトーナメントであっさり予選落ちしたり下位に沈むことが少なからずあるような波が大きいタイプだった。そんなマキロイのデータにこのところ変化が見てとれる。昨年、マキロイは世界ランキング対象トーナメントに25試合出場し、トップ10が19試合だった。トップ10率は76%。これは、12、14年にマークしていた67%を大きく上回る年間トップ10率の自己最高記録である。今年はアーノルド・パーマー招待まで出場4試合で優勝こそないがすべて5位以内。安定感が格段に増したことが世界ランキング1位奪回、そして通算100週につながったといえる。
マキロイといえば、やはり気になるのが生涯グランドスラムだ。2014年の全英オープンで3冠目を制して残るはマスターズだけとなった時点ではすぐにでも達成しそうな勢いだったが、そこから足踏みが続いている。生涯グランドスラムに王手をかけてから今年で6回目となるマスターズは新型コロナウイスル感染拡大の影響で延期となった。各地のトーナメントが軒並み中止になるなどして世界ランキングも更新が凍結された。先行き不透明だが、もし今年中に生涯グランドスラムに挑戦できるのなら、いい状態でプレーしてほしいものだ。
世界ランキング1位通算週トップ5(3月8日時点)
順位 | 名前 | 通算週 |
---|---|---|
1位 | タイガー・ウッズ | 683週 |
2位 | グレッグ・ノーマン | 331週 |
3位 | ロリー・マキロイ | 100週 |
4位 | ニック・ファルド | 97週 |
5位 | ダスティン・ジョンソン | 91週 |
文・宮井善一
1965年生まれ。和歌山県出身。スポーツニッポン新聞社でゴルフ記者を8年間務め、2004年にフリーのゴルフライターとして独立。ゴルフ誌などに執筆のほか日本プロゴルフ殿堂オフィシャルライターとして活動している。元世界ゴルフ殿堂選考委員。
いまどきツアーをデータ斬り!
←62歳のランガーが挑む、ふたつの大記録とは!?
大注目の美人実力派ルーキー安田佑香の、実は「かなり高い」目標!→
シリーズ一覧へ