申ジエの史上最速“獲得賞金10億突破”はなるか!?
「いまどきツアーをデータ斬り!」国内外のゴルフツアーをあらゆるデータで一刀両断 Vol.30
緊急事態宣言が解除され、開幕への道が徐々に見えてきた国内女子ツアー。今回は今季達成されそうな記録を紹介する。早い時期に達成の期待が膨らむのが申ジエの史上最速生涯獲得賞金10億円突破だ。
申ジエの史上最速“獲得賞金10億突破”はなるか!?
新型コロナウイルスの影響を大きく受けた世界のスポーツ界が徐々に動き出している。プロゴルフツアーは韓国女子に続いて米男子が再開。日本では女子ツアーが今月25日からのアース・モンダミンカップでの始動を目指している。まだ楽観視できる状況ではないが、無事開幕したとすれば早々に達成が期待できる記録がある。申ジエの生涯獲得賞金10億円突破最速記録だ。
女子ツアーではこれまで不動裕理、横峯さくら、李知姫、アンソンジュ、全美貞の5人が生涯獲得賞金10億円突破を果たしている。この中で要した試合数が最も少なかったのがアンの226試合である。申の生涯獲得賞金は現在9億8279万0526円。大台まで、あと約1720万円に迫っている。賞金の高い試合なら一発で届く金額である。申がツアーメンバーになってから昨年までの出場試合数は202。アンの記録を大幅に塗り替えることが濃厚だ。
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不動裕理
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横峯さくら
ここでひとつ注釈を入れておきたい。日本女子プロゴルフ協会のウェブサイトに掲載されている生涯獲得賞金の項目で申の生涯出場試合数は2019年終了時で204となっている。この数字には米女子ツアー枠から出場した2012、13年のミズノクラシックが含まれている。しかし、この2試合の獲得賞金は日本女子ツアーには加算されていない。賞金が加算されない試合を試合数に加えるのは整合性に欠ける。よって、このコラムでは現時点での申の出場試合数を2012、13年のミズノクラシックを除いた202としている。
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李知姫
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アンソンジュ
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全美貞
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流れを本題に戻そう。申が日本女子ツアーメンバーとなったのは2008年。推薦出場のヨコハマタイヤPRGRレディスで優勝してメンバー登録した。当初、日本では年間数試合程度しかプレーしなかったが2014年からは日本を主戦場に。以降、毎年獲得賞金が1億円を超え、すべて賞金ランク5位以内と安定感抜群の成績を残してきた。そして今、大記録が目前に迫っているわけだ。“開幕戦”のアース・モンダミンカップは残念ながら日本政府による入国制限の影響で来日できず欠場となるが、本格的にツアーがリスタートした時には大記録達成で花を添えてほしいものだ。
日本女子ツアー生涯獲得賞金10億円突破スピード記録
順位、所要試合数 | 選手名 |
---|---|
(1位)226試合 | アンソンジュ |
(2位)275試合 | 不動裕理 |
(3位)305試合 | 横峯さくら |
(4位)354試合 | 全美貞 |
(5位)414試合 | 李知姫 |
文・宮井善一
1965年生まれ。和歌山県出身。スポーツニッポン新聞社でゴルフ記者を8年間務め、2004年にフリーのゴルフライターとして独立。ゴルフ誌などに執筆のほか日本プロゴルフ殿堂オフィシャルライターとして活動している。元世界ゴルフ殿堂選考委員。
撮影トーナメント/
2019ダイキンオーキッドレディス
2019LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ
撮影/相田克己 本誌編集部