鈴木愛の“最年少20勝”到達に現実味!
「いまどきツアーをデータ斬り!」国内外のゴルフツアーをあらゆるデータで一刀両断 Vol.31
前回と同様に“開幕”が近づく日本女子ツアーで達成が期待できる記録を紹介する。今回取り上げるのは最年少20勝。挑戦者は鈴木愛だ。
鈴木愛の“最年少20勝”到達に現実味!
日本女子ツアーで通算20勝を達成している選手は16人いる。現役選手で20勝に最も近いのは大山志保で18勝である。続くのがテレサ・ルーと鈴木愛の16勝。その中でスポットを当てたいのは鈴木だ。
現在、20勝の最年少記録を持っているのは不動裕理で26歳314日である。鈴木は今年5月9日に26歳になったばかり。机上の計算では来年3月18日までに4勝を積み上げれば不動の記録を更新することになる。2018年に4勝、2019年には7勝を挙げている鈴木なら、非現実的な数字ではない。
一番の問題は、新型コロナウイルスの影響による大会中止がどの程度で収まるかだろう。今週のアース・モンダミンカップで、ようやく“開幕”するものの、以降も中止になっている大会があり、6月21日時点で今年の開催予定は15試合。来年も例年通り3月第1週にスタートすると仮定すれば第2戦がリミットになるから計17試合。この試合数に鈴木の過去2年間の勝率(23%)をかけ算すれば3.91となる。厳しい状況ではあるがこれ以上中止となる試合が増えなければ、可能性はある。
タラレバになるが、もし当初の予定通りツアーが開催されていれば今ごろは最年少記録を更新していたかもしれない。プロ野球では今年、巨人・坂本勇人選手が2000本安打の最年少記録を52年ぶりに塗り替えるかに注目が集まっていたが、開幕が大幅に遅れたため現実的に不可能な状況になった。新型コロナウイルスは、さまざまな分野で最年少記録に挑むアスリートたちにも多大な影響を及ぼしているわけだ。
一方で、目標に挑むアスリートの姿はコロナ禍で閉塞した世の中に希望や活力を与えてくれるはず。前例のない状況の中で始まる今シーズン、快挙に向けて突き進む姿でゴルフファンを沸かせてほしいものだ。
日本女子ツアー通算20勝年少記録ベスト3
順位 | 選手名 | 年齢 |
---|---|---|
1位 | 不動裕理 | 26歳314日 |
2位 | 横峯さくら | 27歳283日 |
3位 | 樋口久子 | 27歳346日 |
文・宮井善一
1965年生まれ。和歌山県出身。スポーツニッポン新聞社でゴルフ記者を8年間務め、2004年にフリーのゴルフライターとして独立。ゴルフ誌などに執筆のほか日本プロゴルフ殿堂オフィシャルライターとして活動している。元世界ゴルフ殿堂選考委員。
撮影トーナメント/
2019ダイキンオーキッドレディス
2019 TOTOジャパンクラシック
2019大王製紙エリエールレディス
2019LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ
撮影/相田克己 本誌編集部