再開の米女子ツアー。カーが米国人初の大記録に挑む!
「いまどきツアーをデータ斬り!」国内外のゴルフツアーをあらゆるデータで一刀両断 Vol.36
米女子ツアーが31日からのLPGAドライブ・オン選手権で再開する。当コラムで注目したいのは42歳の大ベテラン、クリスティ・カー。アメリカ人選手初となる大記録まで、あとわずかに迫っているのだ。
再開の米女子ツアー。カーが米国人初の大記録に挑む!
クリスティ・カーが目前にしている大記録とは、生涯獲得賞金2000万ドル突破である。現在、1983万4893ドル。これまで、アニカ・ソレンスタムとカリー・ウェブの2人しか達成していない偉業まで、あと16万5107ドルだ。ソレンスタムはスウェーデン、ウェブはオーストラリアの選手だから、アメリカ人選手としては初めてのことになる。
カーはこれほど多くの賞金を稼ぎながら、今まで一度も賞金女王の座に就いたことがない。最高位は2009年と2011年の2位。それぞれ申ジエとヤニ・ツェンに及ばなかった。
それに、米女子ツアー通算20勝、メジャー2勝の戦績は素晴らしいが、通算72勝、メジャー10勝、賞金女王8回のソレンスタムや通算41勝、メジャー7勝、賞金女王3回のウェブと比較するとどうしても見劣りしてしまう。それでいて、ソレンスタムやウェブに迫るほどの賞金額をマークしている理由は、息の長さだ。
カーが年間100万ドルを超えたシーズンは10回ある。これは、ソレンスタムと並ぶ最多記録である。初めての100万ドル突破は2004年で27歳の時、10回目が2017年で40歳である。20代、30代、40代すべてで100万ドルを記録しているのはカーだけだ。
42歳で迎えた今季、新型コロナウイルス感染拡大による中断前は3試合に出場して予選落ちが1度あるが、残りの2試合は6位、11位と、きっちり上位に入っている。大ベテラン、まだまだ健在である。今季で米女子ツアー参戦24年目。ソレンスタムが13年目、ウェブが21年目で到達した2000万ドルの大台に、ゆっくりと達しようとしている。
米女子ツアー生涯獲得賞金トップ5
順位 | 名前 | 生涯獲得賞金 |
---|---|---|
1位 | アニカ・ソレンスタム | 2257万3192ドル |
2位 | カリー・ウェブ | 2027万0249ドル |
3位 | クリスティ・カー | 1983万4893ドル |
4位 | 朴仁妃 | 1568万3289ドル |
5位 | ロレーナ・オチョア | 1486万3331ドル |
文・宮井善一
1965年生まれ。和歌山県出身。スポーツニッポン新聞社でゴルフ記者を8年間務め、2004年にフリーのゴルフライターとして独立。ゴルフ誌などに執筆のほか日本プロゴルフ殿堂オフィシャルライターとして活動している。元世界ゴルフ殿堂選考委員。
撮影トーナメント/
2008カパルアLPGAクラシック
2009ナビスターLPGAクラシック
撮影/相田克己 本誌編集部