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ケプカが全米プロ3連覇に挑戦! その難易度とは!?

「いまどきツアーをデータ斬り!」国内外のゴルフツアーをあらゆるデータで一刀両断 Vol.37

2020/08/02 ゴルフサプリ編集部

目前に迫った今季メジャー第1戦、全米プロで大会3連覇に挑むのがブルックス・ケプカだ。では、メジャー3連覇の難易度はいかほどか。過去のデータから確率をはじき出してみた。

ケプカが全米プロ3連覇に挑戦! その難易度とは!?

新型コロナウイルス感染拡大の影響でスケジュールが大きく狂い、ようやく今季のメジャー第1戦、全米プロが6日に開幕する。最大の関心事はやはり2018、19年のチャンピオンであるケプカが大会3連覇を達成するかどうかだろう。

マスターズ、全米オープン、全英オープンそして全米プロのメジャー4試合通算でこれまで大会連覇は34例ある。今回のケプカを除く33例中、連覇翌年も勝った、すなわち3連覇に成功したのは6例だ。確率は18%である。ちなみに、33例中連覇翌年にプレーしていないケースが4例あるが、それも分母に含めて計算している。

3連覇以上を成し遂げた6例を列挙すると4連覇が全英オープンのトム・モリス・ジュニア(1868〜72年=71年は開催せず)と全米プロのウォルター・ヘーゲン(1924〜27年)、3連覇が全英オープンのジェイミー・アンダーソン(1877〜79年)、ロバート・ファーガソン(1880〜82年)、ピーター・トムソン(1954〜56年)、全米オープンのウィリー・アンダーソン(1903〜05年)である。見てのとおり、みな古い年代だ。第二次世界大戦以降はトムソンの1例しかない。

3連覇成功確率を第二次世界大戦以降に絞って計算すると、わずか7%(15例中1例)となる。第二次世界大戦前は28%(18例中5例)だから差は歴然だ。しかも、トムソン以降は12連敗中(うち欠場1)。ジャック・ニクラウスやタイガー・ウッズといった超ビッグネームも壁に跳ね返されている。ケプカ自身も昨年の全米オープンで3連覇に挑んだがゲーリー・ウッドランドに及ばず2位に甘んじた。選手層が厚くなった近年はより難易度が高くなっているといえるだろう。

ケプカは左ヒザの故障もあって、昨年7月以来優勝から遠ざかっている。それでも、メジャーにはめっぽう強いのがケプカであるから、最近の成績は参考にならないかもしれない。高い壁を打ち破ってトムソン以来64年ぶりの快挙なるか、注目だ。

第二次世界大戦以降のメジャー連覇

選手名 大会(年度) 連覇翌年成績
B・ロック 全英オープン(1949、50年) 6位
B・ホーガン 全米オープン(1950、51年) 3位
P・トムソン 全英オープン(1954、55年) 優勝
A・パーマー 全英オープン(1961、62年) 26位
J・ニクラウス マスターズ(1965、66年) 予選落ち
L・トレビノ 全英オープン(1971、72年) 10位
T・ワトソン 全英オープン(1982、83年) 2位
C・ストレンジ 全米オープン(1988、89年) 21位
N・ファルド マスターズ(1989、90年) 12位
T・ウッズ 全米プロ(1999、2000年) 29位
T・ウッズ マスターズ(2001、02年) 15位
T・ウッズ 全英オープン(2005、06年) 12位
T・ウッズ 全米プロ(2006、07年) 欠場
P・ハリントン 全英オープン(2007、08年) 65位
B・ケプカ 全米オープン(2017、18年) 2位
B・ケプカ 全米プロ(2018、19年)


文・宮井善一
1965年生まれ。和歌山県出身。スポーツニッポン新聞社でゴルフ記者を8年間務め、2004年にフリーのゴルフライターとして独立。ゴルフ誌などに執筆のほか日本プロゴルフ殿堂オフィシャルライターとして活動している。元世界ゴルフ殿堂選考委員。

撮影/相田克己 本誌編集部
撮影トーナメント/
ZOZOチャンピオンシップ
ソニーオープンインハワイほか



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