1. TOP メニュー
  2. HOTニュース
  3. 国内ニュース
  4. 渋野日向子。久しぶりの試合に「仕上がり具合は5%(笑)」

渋野日向子。久しぶりの試合に「仕上がり具合は5%(笑)」

渋野日向子と青木翔コーチがリモート会見で現在の心境を報告

2020/06/15 ゴルフサプリ編集部

写真は2019年のNEC軽井沢72ゴルフ・練習日。

ここまですべての試合が中止となっていたJLPGAツアーだが、ようやく今年の初試合「アース・モンダミンカップ」が6月25日に開幕する。

そして、この初戦の開幕にあたって、渋野日向子(サントリー)の所属事務所であるゾーンがゴルフメディアのために渋野日向子と青木翔コーチの二人によるリモート会見の場を設けてくれた。本日(6月15日)の夕刻に行われた会見の模様をお伝えする。

ほぼ毎日、球を打っていました。おかげさまで体重も増えました。

久しぶりすぎる試合を迎える渋野日向子(サントリー)。「もう試合の仕方を忘れてしまった」というしぶこ節とともに、「緊張してはいるが、とても楽しみでもある」と心境を語った。

2020年、渋野日向子の当初の予定は2月から海外の試合に出場し、海外メジャーを迎えるというものだった。だが、新型コロナウイルスのパンデミックによって、その予定はすべて中止。ここまでの3ヶ月間、どのように過ごしていたのだろう。

「ずっと地元で練習していましたね。ほぼ毎日、球は打っていました。おかげさまで体重も増えました」(渋野日向子)

会見に同席した青木コーチによれば、「自粛期間中は純粋にトレーニングで出てきた“キレ”に耐えうる体作りをしていました。週に2、3回くらい、まぁまぁなレベルの筋肉痛が来るくらいのトレーニングをしてきました。スイング的にはスタンスを狭くして、より捻転を使えるスイングにしています。雑巾しぼりのようにネジリのあるスイングを」(青木コーチ)

増えたという体重はリコーカップのときに比べて3、4kgアップしているという。そして、ある理由から体重だけでなく、お尻も大きくしようとしたという。さて、その理由とは?

「お尻を大きくするメリットは、エネルギーを受け止める役割があるので、お腹の捻転ができるようになったら、お尻を大きくしないと、捻転できても暴走してしまうので、そこを強化した感じです。制御装置みたいな感じです。彼女の一番良いところである何も考えずに打てるというところを最大限に生かすためにもトレーニングの斎藤君とも色んな話をしながら、血反吐を吐くくらいやっても良いよっていう」(青木コーチ)

「あの人(斎藤コーチ)、鬼ですよ(笑)」(渋野日向子)

鬼コーチと形容されるほど厳しいトレーニングを課したのは、昨シーズン後半から渋野日向子の身体面のトレーナーを担っている斎藤大介氏。ずいぶんと激しいトレーニングを行なったようだが、渋野の体は見るからにサイズアップしている。相当、パワーアップしているのではないだろうか。

そして、そのパワーアップした体とスイングに合わせて、ドライバーのシャフトをVENTUS(藤倉シャフト)に変えている。

「体が変わって、スイングが変わったことで、今までのスペックだとちょっとしたエラーも出やすくなったので、それに合わせた感じです。それはもうテストして1発で決まりました」(青木コーチ)

これによって、飛距離もかなり伸び、一度だけ青木コーチにも勝ったという。

技術的な進歩は「転がしのアプローチとロブ系が少々……」

そのほか技術的な変化としては「転がしのアプローチが……去年よりはちょっと使えるようになったかな(笑)」とは本人の弁。

だが、練習を見てきた青木コーチは、ロブ系のアプローチが上手くなったという。「試合でも基本的には普通のランニングアプローチでやると思うけど、ロブ系を使うことで、年間5個でもいいのでダボを減らすことにつながるといいかな。もっと攻めるゴルフをしたときでも、ダボを叩かないために」(青木コーチ)

アプローチについて、さらに聞くと。昨年、52度(のウェッジ)を使ったのは、20試合中で2、3回だという。だが、今年は状況によって、52度を打つ回数は増えそうだと青木コーチ。

「アプローチでも52度とかPWとかが使える技術も出てきたと思います。PWでも10ヤードからずっと10ヤードずつ、距離を伸ばしていって打つ練習とかをよくやっていました。各番手でいろんな距離を打つというのはPW以外でもやっていましたね」(青木コーチ)

練習時間の99%をかけたというアプローチ技術の向上、引き出しを増やすという課題への取り組みは、昨年の「スインギング・スカーツLPGA台湾選手権」出場後にも語られていたことだ。来週の「アース・モンダミンカップ」では渋野日向子のキレが増したスイングとともに、ロブ系のアプローチにも注目か。

しかし、ずいぶんと長い間、練習だけの生活が続いてしまった。調子を整えるのは、さぞ難しかったことだろう。今の仕上がり具合を聞くと、「5%(笑)やっぱり試合をしないと仕上がっていかないです。練習は今までよりもすごいやってきたのですけどね」(渋野日向子)

試合でファンに見てほしいところを問われると、「去年よりはちょっとアプローチに自信を持てるようになったので、去年以上に攻めのゴルフはできるかなと思っています。ドライバーの飛距離も変わったところを見せたい」(渋野日向子)

開幕戦の目標は、謙虚に「予選通過」という渋野日向子。パワーアップしたスイングで、今年もファンを魅了してくれそうだ。

写真は2019年。練習ラウンド中の渋野日向子。

取材/ゴルフトゥデイ編集部
写真提供/ゾーン

【関連】
渋野日向子の強さ徹底解説|ドライバー&スイング編
渋野日向子の悩まず打てる絶好調スイング|ドライバー編(1/2)