渋野日向子の強さ徹底解説|ドライバー&スイング編
祝|42年振りの日本人メジャー優勝! AIG 全英女子オープン優勝おめでとう 特集
渋野日向子(しぶのひなこ)は常にリズム良く打てていました。こうした選手はどの舞台で戦っても自分の力を発揮できると思います。今回は渋野日向子のドライバースイングについて解説します。
●型破りシブコ|渋野日向子テクニック&キャラクター
Part1:“世界のスマイル・シンデレラ”を徹底解剖!
Part2:シブコの強さ''徹底調査''ドライバー編
Part3:シブコの強さ''徹底解説''アイアン編
Part4:シブコの強さ''徹底解説''パッティング編
Part5:今明かされる、シブコのすべて
渋野日向子のドライバースイングを徹底調査
解説
三觜喜一
みつはし・よしかず
1974年生まれ。神奈川県出身。PGAティーチングプロ。「ゴルフは運動」をモットーに、意図したままに体を動かせることに重きを置き長年ジュニアの育成に尽力。現在は並行して辻梨恵らツアープロのコーチを行いながら日々スイングを研究している。
渋野日向子の“曲げずに飛ばせる”ドライバースイングの秘密
切り返しで手元が体に寄らないから(どんなに振っても)絶対に振り遅れない!
❶ グリップエンドと体の間隔が変わらない
体の柔軟性はもちろんのこと、ダウンスイングでの右ヒジの体への引きつけがないのもグリップエンドと体の間隔を変えずに下ろせる要因だろう。
❷ ビハインドザボールのインパクトで球へのパワーを逃さない
体重移動も使うが、上半身が左に流れないから、上 体が突っ込んでしまうことがなく、ビハインドザボールでインパクトできる。
渋野日向子は手元が低くてインパクトゾーンが長いグローバルスイング
今回注目すべきは、渋野日向子選手のダウンスイングでの手元と体の位置関係です。インサイドから振り切るために右ヒジと体をくっつけてダウンスイングする選手が多い中で、渋野日向子選手の場合はそうしません。手元(グリップ)と体の距離間隔をずっと変えずにダウンスイングしてます。だから渋野日向子選手はあんなに振り切って打っていても、振り遅れることがないのです。
ダウンスイングで右ヒジを体に引きつけなければ、手元と体との間隔が近付くことはありません。逆を言えば、それは手元と体の間隔が離れた状態が保たれているということ。すると、ダウンスイングで右腕が詰まることもなく、ボールへのアタックアングルはスイープになり、インパクトゾーンが長くなるのです。
しかも、渋野日向子選手の場合、切り返しでフェースをシャットにし、体も腕もしっかりと使ってダウンスイングを行います。
当然、飛んで曲がりません。
これが渋野日向子選手のスイングがグローバルスイングだと言える理由です。
❸ 切り返しでフェースをシャットにして振り切る
切り返しで左手首を掌屈させてフェースをシャットに“つかまる状態”を自分で作っているから、曲がらない。ダウンスイングでフェースがオープンになってしまうと、体が止まってインパクトに“合わせにいく動き”が出てきてしまう。
❹ 飛んで曲がらない球は、インパクトの長さからきている!
ダウンスイングでは、ヘッドがスイープにボールへ向かっていくため、インパクトゾーンが長くなる。
渋野日向子がドライバーをハンドダウンでも振り切れる理由
一般的に極端なハンドダウンだと、インパクトで上半身が起き上がりやすい。だが渋野日向子の場合、“腕が詰まらない”ダウンスイングで、ハンドダウンでも前傾が乱れることなく、振り切ることができている。
渋野日向子はPING G410 PLUSドライバーで4日間の平均飛距離254ヤードを記録!
最終日12番ホールで見事なワンオンを成功させ、渋野日向子を優勝へと導いた。
使用スペック/G410 PLUS(10.5度)(ロフト:-1度/フラットウェイト:STD)
渋野日向子のドライバーシャフトはフジクラ「エボ6」
「弾き感はありますが、弾きすぎずに左へのチーピンが無くなりました。打った方向にそのまま、真っすぐ飛んでくれます。球も強くなって、さらに真っすぐ突き進むイメージです」
撮影トーナメント/ ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ、資生堂 アネッサ レディスオープン、北海道meijiカップ、NEC軽井沢72ゴルフトーナメント
GOLF TODAY本誌 No.568 24〜25ページより