渋野日向子の悩まず打てる絶好調スイング|ドライバー編(1/2)
渋野日向子の快進撃が止まらない!全英女子オープン優勝に続き、29ラウンド連続オーバーパーなしのツアー記録、さらに9月には国内ツアー3勝目を飾った。そんな絶好調の渋野にスイングの秘密を聞くと、「あまり考えないように、振っているだけです(笑)」という答えが……。しかし、実は考えないことが思い切りの良いぶっ飛びスイングにつながっていたのだ。
渋野日向子の悩まず打てる絶好調スイング|ドライバー編
「私のスイングは、この2年で全部、変わりました」渋野
渋野日向子
しぶの・ひなこ/1998年11月15日生まれ。
今年は国内メジャー「ワールドレディスサロンパスカップ」でプロ初勝利を挙げると、7月には「AIG全英女子オープン」で優勝。ゴルフ界を超えた渋野フィーバーを起こしている。
青木翔コーチが監修
約2年前に渋野が初めてのプロテストに不合格だった直後から指導する青木コーチ。「全英女子オープン」ではキャディも務め、優勝に貢献。1 2年に「青木翔ゴルフアカデミー」を設立してツアープロからジュニアゴルファーまで幅広く指導。
フォローまで頭を上げないことでスイングがすべて変わった。
「昔はもっと伸び上がるような打ち方でした」渋野
「頭が動かないと、お腹が回るスイングになります」青木
ドライバーで気をつけていることを渋野に聞くと、
「正直、あまり考えていません(笑)。体の動きとかは意識しないように、とにかく、しっかり振ることに集中しています」という答えだった。それは指導する青木コーチの教えでもあった。
「私は選手には打つ前に悩んだり、考えたりせず打てるような指導が理想だと思っています。もちろん私なりのスイング理論はあるのですが、言葉で伝えて理解してもらっても人間はロボットじゃないので、その通りには打てません。だから、練習の中で感覚としてつかんでもらいたいと思っています」
青木コーチの指導を受けてから約2年になる渋野だが、スイングが変わった部分について聞くと、
「頭に手を置いてボールを打つ練習で、スイングは全て変わったと思います。昔はインパクトで伸び上がるようにして打っていたのでチーピンが多かったですが、それがドローになりました」
その効果について青木コーチは、「多くのアマチュアは頭が上がることが1番の問題。頭をアドレスからフィニッシュまで上げないようにするとお腹が回るようになりますし、ダウンスイングで重心も低くキープできます」
隣で聞いていた渋野は「そうだったんですか」と笑っていたが、青木は「言葉では伝えていません」と語る。これまでいろんなレッスンを参考にしてきた皆さんも、まずは「頭を上げないこと」でシンプルに思い切り良く振れるスイングに近づけるはずだ!
【渋野×青木 スイング対談】シブコに教えたこと!
渋野「頭に手を置く練習をはじめた頃、よくダフっていましたよね」
青木「そうやね。でも、みんなそうなる! 特にアマチュアはインパクトに向けて無意識に体を起こしながら腕の通り道を作ろうとしているから、伸び上がるスイングでしかボールを打てない」
渋野「私も伸び上がっていましたか?」
青木「めっちゃ、伸び上がっていたよ。ずっとその打ち方でゴルフをやっていた人が頭に手を置いて伸び上がらないようにすると、腕の通り道がなくなるから、ダフるね」
渋野「ドライバーもダフリましたよね」
青木「頭を抑えるだけで上半身の前傾角度が変わらなくなって、バックスイングでお腹を回すようになる。ダウンスイングでもお腹を戻しながら打てる。インパクトまでに起き上がるスイングだと、パワーが上に逃げていく感じで、下にあるボールに伝わらないんだよ」
頭の高さはフィニッシュまで変えないのが理想!
頭を上げないのはインパクトまでではなくフィニッシュまで。渋野のスイングを見ると、頭の高さを変えないことでインパクトからフォローにかけて腕の振りが力強いスイングになっている。
❶ 頭の高さを変えないことで、バックスイングではお腹がしっかり回って、上半身が捻転したトップになっている。
取材協力/長船カントリークラブ
GOLF TODAY本誌 No.569 17~21ページより
【渋野日向子の悩まず打てる絶好調スイング シリーズ一覧】
●パッティング編
●アプローチ編
●アイアン編
●フェアウェイウッド編(1/2)
●フェアウェイウッド編(2/2)
●ドライバー編(1/2)
●ドライバー編(2/2)
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