米ツアー史上12回目の「50台」は、ダントツの新記録!!
「いまどきツアーをデータ斬り!」国内外のゴルフツアーをあらゆるデータで一刀両断 Vol.42
米ツアーのプレーオフ第1戦、ザ・ノーザントラスト2日目にスコッティ・シェフラーが59をマークした。「50台」はツアー史上12回目。シェフラーの快挙はその中でもダントツの“新記録”だった。
米ツアー史上12回目の「50台」は、ダントツの新記録!!
24歳のツアールーキー、シェフラーが「夢の数字」を叩き出した。ザ・ノーザントラスト2日目は17番ホールを終えて11バーディー、ボギーなし。そして18番パー5できっちり2オンさせて2パットでバーディー締め。パー71のコースを12バーディー、ボギーなしの59で回ったのだ。
シェフラーはテキサス大学を経て2018年にプロ転向した。アマチュア時代は世界アマやウォーカーカップの米国代表に選ばれるなど輝かしい実績を誇った。昨シーズンは米ツアー下部のコンフェリーツアーで2勝を挙げて賞金ランキング1位に。そして今季から米ツアーに参戦しているわけだ。
ザ・ノーザントラストはアマチュア時代も含めて米ツアー32試合目。年齢では2017年のソニーオープンインハワイ初日に23歳で59をマークしたジャスティン・トーマスに及ばず最年少記録は逃したが、試合数ではトーマスの74試合目よりはるかに少ない。実は試合数ではトーマスよりさらに少ない選手がいる。アダム・ハドウィンの73試合目(2017年キャリアビルダーチャレンジ)だ。シェフラーはこの記録を大幅に塗り替え、50台達成の“最速記録”を打ち立てたのだ。
さて、2日目に59を叩き出して初日の72位から一気に2位に浮上したシェフラー。初優勝への期待が膨らんだが通算30アンダーにまでスコアを伸ばしたダスティン・ジョンソンには抗えず4位に終わった。50台を出した選手の最終成績はというと優勝は12例中5例だけ。ジム・フューリクは米ツアー唯一の58を含め2度も50台を出しているが、ともに優勝には届いていない。
1日だけ「夢の数字」を出しても、4日間の戦いではそう簡単に勝利はできないということか。ちなみに日本では50台を出した2人(2003年アコムインターナショナルの倉本昌弘、2010年中日クラウンズの石川遼)はともにその大会を制している。
米ツアーの50台
スコア | 選手名 | 大会 | 最終順位 |
---|---|---|---|
59 | A・ガイバーガー | 1977年メンフィスクラシック | 優勝 |
59 | C・ベック | 1991年ラスベガス招待 | 3位 |
59 | D・デュバル | 1999年ボブホープクライスラークラシック | 優勝 |
59 | P・ゴイドス | 2010年ジョンディアクラシック | 2位 |
59 | S・アップルビー | 2010年グリーンブライヤークラシック | 優勝 |
59 | J・フューリク | 2013年BMW選手権 | 3位 |
58 | J・フューリク | 2016年トラベラーズ選手権 | 5位 |
59 | J・トーマス | 2017年ソニーオープンインハワイ | 優勝 |
59 | A・ハドウィン | 2017年キャリアビルダーチャレンジ | 2位 |
59 | B・スネデカー | 2018年ウィンダム選手権 | 優勝 |
59 | K・チャペル | 2019年ア・ミリタリートリビュート | 47位 |
59 | S・シェフラー | 2020年ザ・ノーザントラスト | 4位 |
文・宮井善一
1965年生まれ。和歌山県出身。スポーツニッポン新聞社でゴルフ記者を8年間務め、2004年にフリーのゴルフライターとして独立。ゴルフ誌などに執筆のほか日本プロゴルフ殿堂オフィシャルライターとして活動している。元世界ゴルフ殿堂選考委員。
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