李知姫が女子オープンで「20年連続予選通過」の快挙!
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ベテラン・李知姫が日本女子オープンで11位に入り、20年連続予選通過をマークした。これは大会史上、歴代3位に並ぶ連続年予選通過記録という快挙だった。
李知姫が女子オープンで「20年連続予選通過」の快挙!
若き黄金世代同士の優勝争いで盛り上がった日本女子オープンだが、ベテランも静かに存在感を示していた。41歳の李知姫である。
大会2日目、李は難易度の高い18番でバーディーを奪って33位で予選を通過。初出場した2001年から何と20年連続で予選通過を果たしたのだ。李は決勝ラウンドでは69、71とスコアをまとめ、11位にまで順位を上げて大会を終えた。
日本女子オープンにおける20年連続予選通過は歴代3位、通算4人目の快挙である。歴代1位は呉明月の22年(1975〜96年)、2位が横山美智子の21年(1969〜89年)、そして3位が李と樋口久子(1968〜87年)だ。
李以外の3人は前世紀の話。経験というファクターが日本女子オープンのような大舞台ではより重要で、40代のベテラン選手が当たり前のように活躍していた時代である。20歳前後の若さと勢いがトーナメントを席巻している今の時代に築いた李の記録は先人たちとはまた違った価値があるのではないだろうか。
この20年間、李は優勝、2位、3位を1回ずつマークしている。3度目の出場となった2003年は宮里藍がアマチュア優勝を飾った直後の“藍ちゃんフィーバー”の中、服部道子とのプレーオフに進出。しかし、まさかの4パットで敗れ去っている。
その悔しさを晴らしたのが2008年である。宮里藍、不動裕理らとの激しい優勝争いを18番のバーディで制してメジャー初優勝を飾った。
2012年にはフォンシャンシャン、朴仁妃という海外メジャー優勝経験者2人の優勝争いに9位から69を出して迫った。惜しくも優勝したフォンに2打、2位の朴に1打及ばなかったが、海外の強豪と堂々と渡り合った。
20年間でトップ10が6回、20位以内は半数以上の12回を数える。見事な安定感である。来年以降も歴代1位を目指して記録を伸ばしていってほしいものだ。
ちなみに、欠場をまたいだ連続予選通過記録は樋口が1988年の産休を挟んで28回連続予選通過という記録を保持している。
日本女子オープン連続年予選通過記録
連続年数 | 名前 | 期間 |
---|---|---|
22年連続 | 呉明月 | 1975〜96年 |
21年連続 | 横山美智子 | 1969〜89年 |
20年連続 | 樋口久子 | 1968〜87年 |
〃 | 李知姫 | 2001〜20年 |
文・宮井善一
1965年生まれ。和歌山県出身。スポーツニッポン新聞社でゴルフ記者を8年間務め、2004年にフリーのゴルフライターとして独立。ゴルフ誌などに執筆のほか日本プロゴルフ殿堂オフィシャルライターとして活動している。元世界ゴルフ殿堂選考委員。
撮影トーナメント/2020ニトリレディスゴルフトーナメント
撮影/JGMA
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