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渋野メジャー2勝目ならず。過去「最終ラウンド首位スタート」の結果とは!?

「いまどきツアーをデータ斬り!」国内外のゴルフツアーをあらゆるデータで一刀両断 Vol.58

2020/12/27 ゴルフサプリ編集部

全米女子オープン最終日、1打差首位から日本選手初のメジャー2勝目を狙った渋野日向子だったが惜しくも快挙は成らなかった。そこで今回は首位でメジャー最終ラウンドを迎えた日本選手の歴史を振り返ってみる。

渋野メジャー2勝目ならず。過去〝最終ラウンド首位スタート〟の結果とは!?

女子のメジャーにおいて、日本選手が首位で最終ラウンドを迎えたケースは今回の渋野で12回目だった。初めては1973年全米女子プロでの樋口久子。キャシー・ウィットワース、ジェーン・ブラロックと並んでいた樋口は1番でいきなりダブルボギーを叩いて後退。この日76で6位に終わった。

2回目も樋口。1977年全米女子プロでのことだ。4年前と同じく3人の首位タイで最終ラウンドに臨んだ樋口は5バーディー、2ボギーの69で回って優勝。日本選手初のメジャー制覇を成し遂げた。

岡本綾子は5回経験しているが未勝利。1987年の全米女子オープンでは今回の渋野と同じ1打差首位で3日目を終え、4日目が雷雨で最終組のスタート前にサスペンデッドというところまで同じだった。月曜日の最終ラウンドはパープレーの72で回ったがローラ・デービースとジョアン・カーナーに追いつかれ、火曜日の18ホールプレーオフでデービースに敗れている。同じ年のデュ・モーリエクラシックでは6打差首位で最終ラウンドに入り、ついに悲願達成かと思われたが74と崩れ、まさかの逆転負けを喫してしまった。

21世紀に入って宮里藍、不動裕理、宮里美香がそれぞれ1回ずつ経験。宮里藍はプレーオフにわずかに1打届かなかった。

そして11例目が2019年全英女子オープンでの渋野である。2打差首位で迎えた最終ラウンドで一時は首位を明け渡したが後半の猛チャージで首位を捕え、最終ホールの劇的バーディーで樋口に続く日本選手2人目のメジャー覇者となったことは記憶に新しい。

今回の渋野を含め、通算成績は2勝10敗。勝負弱いと言ってしまえばそれまでかもしれないが、勝ち星を伸ばすには数多くチャンスをつくることが不可欠だ。今回は勝てなかったがチャンスをつくったことは大いに評価していいのではないだろうか。

メジャー最終ラウンドを首位で迎えた日本選手

大会 選手名 状況 最終Rスコア 順位
1973年全米女子プロ 樋口久子 3人のタイ 76 6位
1977年全米女子プロ 樋口久子 3人のタイ 69 優勝
1986年全米女子プロ 岡本綾子 3差首位 74 3位
1987年全米女子オープン 岡本綾子 1差首位 72 2位
1987年デュ・モーリエクラシック 岡本綾子 6差首位 74 2位
1989年全米女子プロ 岡本綾子 1差首位 71 2位
1991年全米女子プロ 岡本綾子 3人のタイ 68 2位
2006年全米女子プロ 宮里藍 2人のタイ 72 3位
2008年全英女子オープン 不動裕理 1差首位 71 3位
2013年エビアン選手権 宮里美香 1差首位 79 19位
2019年全英女子オープン 渋野日向子 2差首位 68 優勝
2020年全米女子オープン 渋野日向子 1差首位 74 4位


文・宮井善一
1965年生まれ。和歌山県出身。スポーツニッポン新聞社でゴルフ記者を8年間務め、2004年にフリーのゴルフライターとして独立。ゴルフ誌などに執筆のほか日本プロゴルフ殿堂オフィシャルライターとして活動している。元世界ゴルフ殿堂選考委員。

撮影トーナメント/2020TOTOジャパンクラシック
撮影/JGMA



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