2020全米女子OP、渋野のV争いの影で高橋が快挙!
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優勝争いした渋野日向子に大きな注目が集まった昨年の全米女子オープンでメジャー初挑戦の高橋彩華が11位と健闘した。実はこの高橋の順位は、特筆すべき快挙なのである。
2020全米女子OP、渋野のV争いの影で高橋が快挙!
これまで、海外メジャーに出場した日本女子選手は124人にのぼる。うち、初出場でトップ10に食い込んだ選手は4人いる。2019年の全英女子オープンで優勝した渋野を筆頭に、2001年全英女子オープンの藤井かすみ(7位)、2007年全英女子オープンの佐伯三貴(7位)、2013年全英女子オープンの比嘉真美子(7位)という面々だ。
この4人には共通点がある。そう、全員が全英女子オープンで記録しているということだ。
女子メジャーは、カナダで開催されていたデュ・モーリエクラシックを含めてかつてはすべて北米大陸で開催されていた。全英女子オープンがデュ・モーリエクラシックに代わってメジャーに昇格したのは2001年のこと。そしてフランス開催のエビアン選手権が2013年にメジャーとなり、現在の5大会制となった。
米国開催は全米女子オープン、全米女子プロ、ANAインスピレーションの3大会。これらの米国開催大会でメジャー初出場を果たした日本選手の最高位は2015年全米女子オープンでの葭葉ルミの14位だった。高橋は11位でこの記録を塗り替えたわけだ。
全英女子オープンが初メジャーだった選手は35人。このうち4人がトップ10なのだから、日本選手との相性はいいといえる。対して米国開催3大会で初メジャーを迎えた日本選手は87人いるが、トップ10は誰もいない。そんな日本選手に厳しい舞台でトップ10にあと一歩に迫った高橋は大健闘といっていい。
高橋はすでに9人もの優勝者を出している黄金世代の一員。まだ優勝はないが2019年は賞金ランキング19位に入り、昨年の日本女子プロでも最終日に一時は優勝を狙える位置につけていた。全米女子オープンでの快挙を自信に、今年は初優勝を手にしてほしいものだ。
日本女子選手のメジャー初出場時成績歴代5傑
選手名 | 順位 | 大会 |
---|---|---|
渋野日向子 | 優勝 | 2019年全英女子オープン |
藤井かすみ | 7位 | 2001年全英女子オープン |
佐伯三貴 | 7位 | 2007年全英女子オープン |
比嘉真美子 | 7位 | 2013年全英女子オープン |
高橋彩華 | 11位 | 2020年全米女子オープン |
文・宮井善一
1965年生まれ。和歌山県出身。スポーツニッポン新聞社でゴルフ記者を8年間務め、2004年にフリーのゴルフライターとして独立。ゴルフ誌などに執筆のほか日本プロゴルフ殿堂オフィシャルライターとして活動している。元世界ゴルフ殿堂選考委員。
撮影トーナメント/2020TOTOジャパンクラシック
撮影/JGMA
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