松山英樹が9ホール「28」をマーク。過去の米ツアー20台をプレイバック!
「いまどきツアーをデータ斬り!」国内外のゴルフツアーをあらゆるデータで一刀両断 Vol.63
ソニーオープン・イン・ハワイの2日目、松山英樹がインで9ホールの自己最少スコアとなる28をマークした。そこで今回は米ツアーにおける日本選手の「20台」のデータを紹介したい。
松山英樹が9ホール「28」をマーク。過去の米ツアー20台をプレイバック!
9ホールのデータは拾い上げるのが少々難しい面があるので、最初に「主な記録」であることをお断りしておきたい。
確認できたものの中で最も古いのは1982年のグレーター・ハートフォードオープン3日目アウトで青木功がマークした29だ。青木はこの日66だからインは37ということになる。最終日は67で回り、最終順位は15位だった。
2003年のHPクラシックでは、この年から米ツアーに参戦した貞方章男が初日に29。2012年のソニーオープン・イン・ハワイではスポット参戦の武藤俊憲が2日目アウトで7バーディ、ボギーなしの28を叩き出している。ただ、武藤はインで40と崩れ、決勝ラウンドに進むことはできなかった。今回の松山の28は、この時の武藤に続く日本選手2例目である。
石川遼も米ツアー参戦中に29を出したことがある。2014年ウィンダム選手権2日目インでのことだ。
現在、松山とともに米ツアーを転戦している小平智は2019年のWGCメキシコ選手権最終日アウトで29を記録している。
小平に関しては、惜しい出来事もあるので紹介しておこう。2018年のフォートワース招待初日のこと、インからスタートした小平はハーフターン直後の1番パー5でアルバトロスを達成した。さらに、2、4、5、8番でバーディを奪い、9番を迎えた時点でこのハーフは7アンダーの24という驚異的なペースだった。9番パー4でもバーディなら8アンダーの27という米ツアー歴代2位の快挙となるところだった。しかし、9番は“素ダボ”。30に終わっている。
ちなみに、米ツアー記録の26を保持しているのはコーリー・ペイビンである。2006年USバンク選手権初日にマークしたものだ。ペイビンといえば飛ばない選手の代表格といえる存在だった。しかも当時46歳で盛りはとうに過ぎていた。若いパワーヒッターではなく小柄なベテランが樹立したという事実は興味深い。ペイビンはこの大会で10年ぶりの通算15勝目を挙げ、記録に花を添えている。
日本選手の米ツアーでの主な20台
選手名 | 大会 | スコア |
---|---|---|
青木功 | 1982年グレーター・ハートフォードオープン | 29 |
貞方章男 | 2003年HPクラシック | 29 |
武藤俊憲 | 2012年ソニーオープン・イン・ハワイ | 28 |
石川遼 | 2014年ウィンダム選手権 | 29 |
小平智 | 2019年WGCメキシコ選手権 | 29 |
松山英樹 | 2021年ソニーオープン・イン・ハワイ | 28 |
文・宮井善一
1965年生まれ。和歌山県出身。スポーツニッポン新聞社でゴルフ記者を8年間務め、2004年にフリーのゴルフライターとして独立。ゴルフ誌などに執筆のほか日本プロゴルフ殿堂オフィシャルライターとして活動している。元世界ゴルフ殿堂選考委員。
撮影トーナメント/2020ソニーオープン・イン・ハワイ
撮影/本誌編集部
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