チリの新星飛ばし屋がメジャー優勝に名乗り
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顔が地面に平行になるくらい、上半身を倒す独特のスイングで、PGAツアーを席巻しているホアキン・ニーマン。21年を迎えると2試合連続で2位となる活躍で一躍、メジャーチャンピオン候補に名乗りを挙げた。
21年は2試合連続で2位!個性的なスイングも話題
圧巻だったのは「セントリー・トーナメントオブチャンピオンズ」の最終日。7位タイからスタートしたニーマンは、9バーディ、ノーボギーという完璧なプレーでトップタイに並んでフィニッシュ。プレーオフの末に2位になったが、最終日は他の世界ランク上位プレーヤーを圧倒する完璧なプレーだった。さらに翌週の「ソニーオープン」では初日から8アンダーでトップタイのロケットスタート。惜しくも1打差で優勝を逃したが、20アンダーで2位タイと上々の結果を残した。
ニーマンの最大の武器は細身の体型でありながら、PGAツアー屈指の飛距離とショットの正確性を両立していること。データを見ても平均飛距離312ヤード(15位)、パーオン率74・13(14位)とともに好成績を残している。それを可能にしているのが独特のスイングだ。
両肩が地面と垂直になるくらい、体を傾ける打ち方は米国ではサイドベント(側屈)スイングと言われている。最近では世界ランク1位のダスティン・ジョンソンから、若手のビクトール・ホブランまで側屈を生かしたスイングをしているが、その中でも最も側屈の角度が大きいのがニーマン。
従来のスイングは体を横に回転させるパワーがメインだったが、ニーマンのように肩を縦回転させることで縦方向のパワーもプラス。それが、細い体でも飛ばせる秘密でもある。
ユニークに見えるスイングだが、PGAツアーのコーチからは大慣性モーメントヘッドに適した最先端のスイングという声もある。ゴルフ大国とは言えないチリ出身のニーマンだが、実はアマチュア時代から世界ランキング1位に君臨していたエリート。スイングも経歴も決して異端ではなく、世界№1選手になれる王道を歩んでいる。
ホアキン・ニーマン
Joaquin Niemann
驚異的な体の柔軟性によってサイドベントスイングの申し子となったニーマン。「セントリー・トーナメントオブチャンピオンズ」の最終日には、396ヤードというビッグドライブを放っていた。
写真/Getty Images
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