「メジャー最年長V」ミケルソンが持つ、知られざるレジェンド級データとは?
「いまどきツアーをデータ斬り!」国内外のゴルフツアーをあらゆるデータで一刀両断 Vol.81
50歳のフィル・ミケルソンが全米プロでメジャー6勝目を挙げた。これでメジャー最年長優勝記録を更新。そんなミケルソンのあまり知られていないレジェンド級のデータを紹介する。
“メジャー最年長V”ミケルソンが持つ、知られざるレジェンド級データとは?
これまで最も多くのメジャーを制したのはジャック・ニクラウスで18勝である。2位はタイガー・ウッズの15勝。ミケルソンの6勝はリー・トレビノ、ニック・ファルドと並ぶ歴代12位の記録だ。
つまり、優勝数だけ抜き出せば上には上がたくさんいる。では、3位以内に枠を広げてみたらどうだろう。ミケルソンは2位が11回もある。これはジャック・ニクラウスの19回に次ぐ歴代2位の記録だ。そして3位は7回。合計すると3位以内は24回となる。
これがすごい数字なのだ。3位以内がミケルソンより多いのはニクラウス(46回)とウッズ(26回)の2人だけ。ジーン・サラゼンやベン・ホーガン、ゲーリー・プレーヤーといったグランドスラマーよりも多いのである。
ミケルソンがメジャーで初めてトップ3に入ったのは1994年の全米プロ。当時24歳。売り出し中の期待の若手というポジションだった。
2004年のマスターズでメジャー初優勝を飾るまで2位を3回、3位を5回経験。惜敗続きで「無冠の帝王」と揶揄されることもあったが、裏を返せばそれだけ数多く優勝争いに加わっていたことの証明である。2009年から2016年までは8年連続で少なくとも年1回は3位以内に入っており、メジャーで重厚な存在感を示していた。
今回の鮮やかな復活劇で改めて実力をアピールした。トム・ワトソンが59歳で全英オープンのプレーオフを戦い、サム・スニードが62歳で全米プロ3位に入った例もある。50歳はまだまだ若い。まずは今月の全米オープンで悲願のグランドスラムに挑む雄姿を見せてくれるはずだ。
男子メジャー通算3位以内回数
順位 | 選手名 | 3位以内回数(1位、2位、3位) |
---|---|---|
1位 | ジャック・ニクラウス | 46回(18回、19回、9回) |
2位 | タイガー・ウッズ | 26回(15回、7回、4回) |
3位 | フィル・ミケルソン | 24回(6回、11回、7回) |
4位 | サム・スニード | 22回(7回、8回、7回) |
5位 | ジーン・サラゼン | 20回(7回、4回、9回) |
文・宮井善一
1965年生まれ。和歌山県出身。スポーツニッポン新聞社でゴルフ記者を8年間務め、2004年にフリーのゴルフライターとして独立。ゴルフ誌などに執筆のほか日本プロゴルフ殿堂オフィシャルライターとして活動している。元世界ゴルフ殿堂選考委員。
撮影トーナメント/2021マスターズ
撮影/マスターズ・オフィシャルサイト