1. TOP メニュー
  2. HOTニュース
  3. 国内ニュース
  4. 近年の「ツアー選手権」優勝者に顕著な傾向あり!

近年の「ツアー選手権」優勝者に顕著な傾向あり!

「いまどきツアーをデータ斬り!」国内外のゴルフツアーをあらゆるデータで一刀両断 Vol.80

2021/05/30 ゴルフサプリ編集部

今週の国内男子ツアーは日本ゴルフツアー選手権森ビルカップShishido Hillsが行われる。このビッグトーナメントの優勝者には近年、顕著な傾向がある。それ何か?

近年の「ツアー選手権」優勝者に顕著な傾向あり!

コロナ禍の影響で2年ぶりの開催となる日本ゴルフツアー選手権森ビルカップShishido Hillsは優勝者に5年間の長期シードが与えられるビッグトーナメントだ。2000年の第1回大会覇者は伊澤利光。その後も宮本勝昌や佐藤信人、片山晋呉ら実力者が順当にタイトルを手にしていた。

風向きが変わったのは2009年だ。当時40歳の五十嵐雄二がツアー初優勝をこの大会で飾ったことだった。未勝利選手がこの大会で勝つのは初めて。以降、未勝利選手が次々に歴代チャンピオンに名を連ねるようになったのだ。

五十嵐が勝った翌年の2010年こそ宮本勝昌が大会2勝目を挙げたが、2011年からはJ・B・パク、藤本佳則、小平智、竹谷佳孝、梁文冲(リャン・ウェンチョン)、塚田陽亮と初優勝者が続いた。2017年のショーン・ノリスは国内男子ツアー2勝目だったが、初優勝の2016年レオパレス21ミャンマーオープンはアジアンツアーメンバーとしての参戦。日本のツアーメンバー登録後では初優勝だった。

さらに2018年は市原弘大、そして前回大会の2019年は堀川未来夢とまたも未勝利選手が勝った。ノリスを無理やり「初優勝」に組み入れれば、何と9大会連続で初優勝者誕生中なのである。

ひとくくりに初優勝といっても、中身は多彩だ。藤本や小平のように若手有望株だった選手がいれば五十嵐や市原のように長いプロ生活の末に初めて歓喜の時が訪れた選手もいる。2015年優勝の梁は海外で何勝もしている実力者だったが日本ではずっと勝利に恵まれず、2位を5回経験したあとにつかんだ初優勝だった。

これだけ初優勝者が多いのは逆の見方をすれば実力者がなかなか手にできないタイトルになっているということ。今年も新たなヒーローが誕生するのか、それとも実力者が巻き返すのか。そういう視点でテレビ観戦するのも面白いのではないだろうか。

日本ゴルフツアー選手権森ビルカップShishido Hills2009年以降の優勝者

優勝者 国内ツアー優勝歴
2009 五十嵐雄二 初優勝
2010 宮本勝昌 8勝目
2011 J・B・パク 初優勝
2012 藤本佳則 初優勝
2013 小平智 初優勝
2014 竹谷佳孝 初優勝
2015 梁文冲 初優勝
2016 塚田陽亮 初優勝
2017 ショーン・ノリス 2勝目
2018 市原弘大 初優勝
2019 堀川未来夢 初優勝


文・宮井善一
1965年生まれ。和歌山県出身。スポーツニッポン新聞社でゴルフ記者を8年間務め、2004年にフリーのゴルフライターとして独立。ゴルフ誌などに執筆のほか日本プロゴルフ殿堂オフィシャルライターとして活動している。元世界ゴルフ殿堂選考委員。

撮影トーナメント/2021東建ホームメイトカップ
撮影/相田克己



いまどきツアーをデータ斬り!
←上田桃子が最終日バーディ“ゼロ”でV! これってどれほどレア!?
“メジャー最年長V”ミケルソンが持つ、知られざるレジェンド級データとは?→

Vol.79(前回)へ Vol.81(次回)へ

シリーズ一覧へ