笹生が全米女子OP最年少V! 気になるほかのメジャー最年少記録は?
「いまどきツアーをデータ斬り!」国内外のゴルフツアーをあらゆるデータで一刀両断 Vol.83
笹生優花が畑岡奈紗とのプレーオフを制して日本選手で初めて全米女子オープンタイトルを獲得した。しかも19歳351日での優勝は大会最年少記録だ。では、ほかのメジャーでの最年少記録はどうなのだろうか。
笹生が全米女子OP最年少V! 気になるほかのメジャー最年少記録は?
1946年に創設された現存する最古の女子メジャーの歴史に笹生が新たな1ページを刻んだ。2008年に朴仁妃が打ち立てていた19歳353日の最年少優勝記録をわずか2日ながら更新(大会主催者の全米ゴルフ協会は両者とも19歳11カ月17日でタイ記録としているが、何カ月とせず日数のみで計算したほうが正確である)。メジャー初優勝に鮮やかな彩りを添えた。
現行の女子メジャー5大会で10代の優勝者は笹生で8人目(9例目)。2007年のクラフトナビスコ選手権(現ANAインスピレーション)で18歳のモーガン・プレッセルが壁を破ってから次々に10代チャンピオンが生まれている。
5大会通じての最年少は2015年エビアン選手権優勝のリディア・コで18歳142日である。コはただ1人、10代でメジャー2勝を挙げている。
ANAインスピレーションの最年少優勝は既出のプレッセルで18歳313日、全米女子プロは2008年ヤニ・ツェンの19歳137日である。全英女子オープンだけは10代優勝者が誕生しておらず、申ジエの20歳97日が最年少。2019年優勝の渋野日向子は20歳262日で申、アリヤ・ジュタヌガーンに続く歴代3位となる。
女子メジャーは現在行われていないものもあり、古くはウェスタン女子オープン(1930〜67年)、タイトルホルダーズ選手権(1937〜72年、途中中断期間あり)という大会もあった。実はこの両大会でも10代優勝者が生まれている。中でも1931年のウェスタン女子オープンに勝ったジューン・ベーブというアマチュア選手は当時18歳90日ほど。記録にやや不明瞭な点があるが、コの18歳142日よりも若い可能性が高い。
ちなみに男子メジャーの最年少優勝は1868年全英オープンを17歳で制したトム・モリス・ジュニア。10代選手の優勝は1911年全米オープンのジョン・マクダーモットを最後に110年間誕生していない。
現行の女子メジャー大会別最年少優勝
大会 | 選手 | 記録 |
---|---|---|
エビアン選手権 | リディア・コ | 18歳142日 |
ANAインスピレーション | モーガン・プレッセル | 18歳313日 |
全米女子プロ | ヤニ・ツェン | 19歳137日 |
全米女子オープン | 笹生優花 | 19歳351日 |
全英女子オープン | 申ジエ | 20歳97日 |
文・宮井善一
1965年生まれ。和歌山県出身。スポーツニッポン新聞社でゴルフ記者を8年間務め、2004年にフリーのゴルフライターとして独立。ゴルフ誌などに執筆のほか日本プロゴルフ殿堂オフィシャルライターとして活動している。元世界ゴルフ殿堂選考委員。
撮影トーナメント/
2020TOTOジャパンクラシック
2021明治安田生命レディスヨコハマタイヤゴルフトーナメント
撮影/JGMA、中野義昌
いまどきツアーをデータ斬り!
←大里桃子が達成した“5週連続2位以内”の位置づけは!?
メジャーでまたプレーオフ敗退の畑岡、不本意(!?)でも史上初!→
シリーズ一覧へ