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メジャーで初Vを飾った29歳・木下が、次戦でも優勝の快挙!

「いまどきツアーをデータ斬り!」国内外のゴルフツアーをあらゆるデータで一刀両断 Vol.86

2021/07/11 ゴルフサプリ編集部

日本ゴルフツアー選手権森ビルカップShishido Hillsで初優勝を飾った木下稜介がダンロップ・スリクソン福島オープンも制して2試合連続優勝を果たした。初優勝からの連勝は日本選手初。そこで今回は初優勝次戦のデータを分析してみたい。

メジャーで初Vを飾った29歳・木下が、次戦でも優勝の快挙!

実績では上の時松隆光をプレーオフで下してつかんだ勝利。ツアー制度が施行された1973年以降では日本選手初となる初優勝からの連勝を29歳の木下がやってのけた。

日本ゴルフツアー機構に詳細なデータが残る1985年以降に初優勝した日本選手は木下で155人目である。初優勝次戦がマッチプレーだった1人を除く154人中、予選落ち(棄権を含む)は59人。4割弱が決勝ラウンドに進めていない。「初優勝の勢いに乗って」と簡単にはいかないのが現状なのである。

10位以内に入ったのは26人で約17%。これを多いと判断するのか少ないと判断するのかは難しいところだ。

2位は新関善美、川岸良兼、板井榮一、薗田峻輔の4人。最も惜しかったのは板井だ。1991年のヨネックスオープン広島で初優勝を飾ると次戦の日経カップでも最終日のチャージで首位に立つ。ただ18番のダブルボギーが響いて尾崎直道とのプレーオフとなり、ここで力尽きた。

怪物という異名もあった川岸も目前で涙を飲んだ。初優勝翌週の瀬戸内海オープンでも勝利を手中に収めかけていたが14番から18番まで悪夢の5連続ボギー。倉本昌弘に1打差で敗れている。これまで数多くの選手が「初優勝からの連勝」の壁を破れないまま、長い年月が過ぎていたのである。

では、公式の賞金ランキングがなく大会日程も整備されていなかった1972年以前はどうか。まだプロの数自体が少なかった黎明期には浅見緑蔵らが記録している。直近は1971年。日本プロで初優勝の尾崎将司が中1日の強行軍をものともせずに瀬戸内海サーキットで7打差圧勝を果たしている。つまり、木下は「ジャンボ以来の快挙」を成し遂げたということになるわけだ。

日本選手の初優勝次戦成績

成績 人数
優勝 1人
2位 4人
3位 1人
4〜10位 20人
11位以下 69人
予選落ち 56人
棄権 3人

※1985年以降。次戦がマッチプレーは除く


文・宮井善一
1965年生まれ。和歌山県出身。スポーツニッポン新聞社でゴルフ記者を8年間務め、2004年にフリーのゴルフライターとして独立。ゴルフ誌などに執筆のほか日本プロゴルフ殿堂オフィシャルライターとして活動している。元世界ゴルフ殿堂選考委員。

撮影トーナメント/2021日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ
撮影/相田克己



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