大ブレイク中の稲見が、密かに驚異的ツアー記録を更新！
「いまどきツアーをデータ斬り！」国内外のゴルフツアーをあらゆるデータで一刀両断 Vol.85
今年に入って好結果を残し続けている稲見萌寧が新たな金字塔を打ち立てた。2021年初戦からニチレイレディスまですべてアンダーパーフィニッシュ。その数を15試合連続とし、ツアー記録を塗り替えたのだ。
大ブレイク中の稲見が、密かに驚異的ツアー記録を更新！
ニチレイレディス最終日、スコアを落とす苦しいプレーが続いた稲見は最終ホールでバーディ。3日間通算1アンダーとして辛うじてアンダーパーを守った。
順位的（41位）にも内容としても本人は納得いくものではないだろうが、これで今年初戦のダイキンオーキッドレディスから出場15試合すべてでアンダーパーフィニッシュ。李知姫（2回）、笠りつ子、申ジエが保持していた14試合連続アンダーパーのツアー記録を超えた。
新聞などメディアの稲見関連報道は直近に迫っていた東京五輪代表争いに焦点を当てており、連続試合アンダーパー新記録の記事は見当たらなかったが、代表争いの陰で快挙が達成されていたのである。
今年の稲見は女子ツアー史上に残るといっていいくらいの素晴らしい成績だ。ニチレイレディスまで15試合で5勝、2位2回、3位1回。半分以上で3位以内に入っているわけだ。48ラウンドプレーして60台は半数近い23回。中京テレビ・ブリヂストンレディスでは女子ツアー史上2人目の61を叩き出している。
15試合の通算アンダー数は実に110アンダー。ニチレイレディス終了時で賞金ランキング1位に立っている小祝さくらが今年出場16試合で86アンダーだから大きく上回っている。
成績に伴って獲得賞金も急増。5月のリゾートトラストレディスではプロデビューからわずか54試合目で生涯獲得賞金2億円突破を果たしている。これはツアー史上5番目のスピード記録。日本選手だけなら宮里藍の44試合に次ぐ史上2番目の早さである。
アース・モンダミンカップでは予選落ちを喫して連続試合アンダーパーの記録は途切れたが、畑岡奈紗とともに東京五輪代表の座は手にした稲見。晴れ舞台での活躍も期待だ。
稲見の15試合連続アンダーパー
| 大会 | スコア | 順位 |
|---|---|---|
| ダイキンオーキッドレディス | −9 | 7位 |
| 明治安田生命レディスヨコハマタイヤ | −6 | 優勝 |
| Tポイント×ENEOS | −1 | 33位 |
| アクサレディスin MIYAZAKI | −8 | 7位 |
| ヤマハレディスオープン葛城 | −12 | 優勝 |
| 富士フイルム・スタジオアリス女子オープン | −5 | 優勝 |
| KKT杯バンテリンレディス | −4 | 11位 |
| フジサンケイレディス | −12 | 優勝 |
| パナソニックオープンレディース | −4 | 3位 |
| ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ | −11 | 2位 |
| ほけんの窓口レディース | −2 | 19位 |
| 中京テレビ・ブリヂストンレディス | −15 | 優勝 |
| リゾートトラストレディス | −4 | 6位 |
| 宮里藍サントリーレディス | −16 | 2位 |
| ニチレイレディス | −1 | 41位 |
文・宮井善一
1965年生まれ。和歌山県出身。スポーツニッポン新聞社でゴルフ記者を8年間務め、2004年にフリーのゴルフライターとして独立。ゴルフ誌などに執筆のほか日本プロゴルフ殿堂オフィシャルライターとして活動している。元世界ゴルフ殿堂選考委員。
撮影トーナメント／
2020明治安田生命レディスヨコハマタイヤゴルフトーネメント
撮影／中野義昌
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