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史上最年長記録でフィル・イズ・バック!! 50歳のメジャー制覇に熱狂と瞑想

TEE-UP WORLD WIDE TOPICS & NEWS|今月の1枚

2021/06/29 ゴルフサプリ編集部

史上初となる50歳を超えてのメジャー制覇を成し遂げたミケルソン。2年前には長年のライバルであるタイガー・ウッズが43歳でマスターズ優勝を飾ったが、今回はそれを上回る「フィルイズバック」の偉業達成だった。

GOLF TODAY本誌 No.589 10〜11ページより

1日1万人前後に制限してギャラリーを入場させていたが、最終日の18番でセカンドショットを打ち終えた直後は優勝を確信した大ギャラリーがミケルソンに押し寄せた。

熱狂と喧騒のなか、サングラスの下でミケルソンは静かに目を閉じて理想のショットをイメージしてから、アドレスに入った。これはミケルソンが取り入れているメンタル・ピクチャーというトレーニングで、目を閉じて脳で良いイメージを浮かべてショットを打つというもの。「全米プロ」では日間を通して大事なショットやパッティングの前に、目を閉じるルーティンを続けていた。

特に最終日は冷静にプレーするのが難しい状況だった。ミケルソンの最終組には、警備員を振り切って大ギャラリーがなだれこむシーンもあった。ミケルソン本人も、

「あんな経験は今までない。興奮と熱狂の最前線にいれたのは特別な瞬間」と語る。

その中でもミケルソンは目を閉じてメンタル・ピクチャーを続けていた。会見では、

「勝利を意識しないで、目の前の一打、今に集中していた」

と語っていた。元々、ミケルソンは天才的な技術があるものの、精神的にムラのある選手と言われてきて、それが原因で何度もメジャータイトルを逃してきた。そんな時代にはじめたのがメンタルトレーニングであり、最近は瞑想を日課にしているそうだ。今回の優勝についても、

「僕はできると信じていたれけど、周りにいる人間が全員そうではなかった。体力や技術を維持するためには、ほんの少し多く仕事に励んだり、懸命に努力するプラスアルファーが必要になるが、最終的にはそれが価値になる」

ミケルソンにとってのプラスアルファーはメンタルであり、ショットを打つ直前の短い瞑想だったかもしれない。

フィル・ミケルソン
1970年6月16日生まれ。ジュニア時代から天才レフティと言われ、名門アリゾナ州立大学時代に「全米アマ」で優勝すると、アマチュアとしてPGAツアー初優勝を飾る。プロ入り後もPGAツアーでは順調に勝利を重ねながら、メジャーでは何度もタイトルを逃してきたが、2004年「マスターズ」で初優勝。その後は「全米プロ」「全英オープン」にも勝利。そして2021年の「全米プロ」では史上最年長となる50歳11カ月でメジャー制覇。


写真/Getty Images 本誌編集部


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