「マスターズに比べると緊張はしなかったけれど」

最終日のバックナインに入った松山英樹には金メダルも見えていた。試合後には、

「11番、12番で(バーディを)獲れて、ザンダーもミスしてイケるかなと思ったのですが、詰めが上手くいかないとこういう結果になることが改めてわかりました」

松山が語る「詰め」とはパッティングのことだ。最終日を単独2位で迎えた松山は首位のザンダーに1打差まで迫った15番で1メートルのパーパットを外して、17番でも2メートルのバーディパットを決めきれなかった。さらに「入れれば銅メダル獲得」という18番のバーディパットも外して、最後は7人でのプレーオフに敗れて4位タイに終わった。このパッティングについて松山は、

「マスターズの方が比較にならないくらい緊張したけれど、グリーン上だけはかなりプレッシャーを感じていた」

と語る。しかし、決して悲観しているわけではない。

「(パターで苦しむことは)想定していた。久しぶりの試合でしたし、新しいことをやりはじめていたので、ショットでチャンスを作るしかないと思っていた」

最後に語った“新しいこと”については具体的に明かさなかったが、オリンピック翌週の「WGCフェデックスセントジュード招待」ではセンターシャフトのパターを投入して、優勝争いを演じた。五輪でメダルを逃したことについて、「結果がすべて。メダルが獲れなかった以上はなんの評価もないです」と悔しさを押し殺しながら語っていたが、五輪の経験は2つ目のメジャータイトル、マスターズ連覇を狙う松山の大きな糧になるはずだ。

松山英樹
●まつやま・ひでき/1992年2月25日生まれ。アマチュア時代には「マスターズ」で日本人初のローアマを獲得し、プロ転向すると1年目で日本ツアーの賞金王に。2年目からは米国ツアーに挑戦して、通算6勝をマーク。21年には「マスターズ」で悲願のメジャータイトルを獲得。LEXUS所属。

撮影/渡辺義孝


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