1. TOP メニュー
  2. HOTニュース
  3. 海外ニュース
  4. 20億円集まったことも!米国チャリティイベントの舞台裏〜ウッズ、ミケルソンにアメフトのブレイディー、バスケットのバークレーなども協力〜

20億円集まったことも!米国チャリティイベントの舞台裏〜ウッズ、ミケルソンにアメフトのブレイディー、バスケットのバークレーなども協力〜

レックス倉本のGOLFアメリカンな話”ちょっと聞いて〜や‼︎”/第4回

2021/07/09 ゴルフサプリ編集部

7月6日に実施されたチャリティーイベントのTHE MATCH 4。左からとブライソン・デシャンボー、フィル・ミケルソン、トム・ブレイディー、アーロン・ロジャース

今回はチャリティー大国・アメリカならではのエンターテイメント産業が総力をあげたスポーツイベントの凄さとその背景。米ツアーのテレビ解説などでお馴染みでの米国フロリダ州在住・レックス倉本氏が解説する。

第1回は2018年のタイガー・ウッズ vs フィル・ミケルソン

7月6日、モンタナ州でチャリティーイベントのTHE MATCH 4が行われました。今回は今ノリノリのフィル・ミケルソンとブライソン・デシャンボーに、アメフト界のスーパースター、トム・ブレイディー(スーパーボール7回優勝、3度のMVP)とアーロン・ロジャース(スーパーボール1回優勝、3度のMVP)が参戦。デシャンボー&ロジャース組が完勝しました(オルタネートショットマッチプレー)。

皆さんも記憶に残っているかもしれませんが、2018年にタイガー・ウッズとフィル・ミケルソンが日本円で約10億円をかけてマッチが行われて話題になったのが1回目(ラスベガス)。これは商売丸出しのイベントでマッチを観戦するのも有料でしたが、その課金システムがうまくい可動しないというハプニングもあって結果的に収益はあまり出なかったのですが、その時に多くの視聴者を獲得できることを知った企画者はその次もやるぞと企みました。

第2回からゴルフだけでなく、アメフトやバスケットのファンも巻き込んだイベントに!

そして実現したのが、去年5月のコロナ禍で行われたTHE MATCH 2(フロリダ州)。この時はタイガー・ウッズ&ペイトン・マニング(NFL) 対フィル・ミケルソン&トム・ブレイディ(NFL)のマッチ。ゲスト解説にNBAのレジェンド、チャールズ・バークレーを呼び、この回からアメリカンフットボール(NFL)、バスケット(NBA)のスーパースターも巻き込んでのスポーツファンにはたまらない形で国民みんなにアピールしたチャリティーイベントへと発展し、総額約20億円もの金額がCOVID 19 Reliefとして寄付されました。この時のチャリティー金額がボンボン上がっていくそのイベントの趣向のこらしようは面白かったですね。

そして第3回は去年の11月にアリゾナ州で開催。フィル・ミケルソン&チャールズ・バークレー(NBAの殿堂入り選手)対ステフィン・カリー(現役NBAプレーヤー)&ペイトン・マニング(NFLのレジェンド)のマッチで約5億円のチャリティーを主に黒人の大学に寄付。そして、今回はFeeding Americaと言う食事が取れない人を助ける団体に集まったチャリティー金額が主に寄付されるそうです。

THE MATCHはこのようにゴルフファンだけでなく、NFLファン、NBAファンとスポーツファンが全員集合して見るような話題を提供しているんです。また、開催日もちゃんと計算されていて、2回目はコロナ禍でスポーツ観戦が全くなかった時期に、初回と3回目はサンクスギビングで家族がみんな集まって見る日時に、そして昨日はアメリカ建国記念日ホリデーの最後の日でこれまた家族が集まっている日時に設定されています。

このようなゴルフのチャリティーイベントの歴史を見ると、1980年代にスキンズマッチと言うゴルフ界のスーパースターが4人で戦うイベントがありました。その頃はジャック・ニクラウス、トム・ワトソン、ゲーリー・プレーヤー、リー・トレビノらが出て大成功を収めていました。面白いことに、その時のプロデューサーがなんとこのTHE MATCHを企画しているんです。このプロデューサーはカリフォルニアでフィル・ミケルソンと同じゴルフコースのメンバーで、そこでフィルとこのTHE MATCHをしよう!と話が盛り上がり実現したそうなんです。アメリカらしくショー的要素満載のこのイベント。この先もフィルの活躍が続く限り継続されること間違い無いでしょう。

もう一つ私が凄いと思うことは、The Matchに2回目から参加しているトム・ブレイディー。ブレイディーのプレーヤーとしての凄さはもちろんですが、人格も素晴らしい選手なんです。アメフトシーズンに向けて大切なトレーニングを積む時期にTHE MATCHに出ることを承諾し、The Matchの当日も自分のアメフトのためのトレーニングをしながらこのイベントにも協力を惜しまない、そんなスーパースターがたくさんいるのがアメリカスポーツで、これこそアメリカのプロスポーツの底力だと思います。

ブレイディーについては「レックス倉本のBYTC GOLF」のYouTube音声動画でさらに話しております。ぜひお聞きください。また、Podcast、Himalayaでも配信中。「レックス倉本」で検索してください。

▼レックス倉本 プロフィール
本名は倉本泰信(くらもとやすのぶ)。1991年プロゴルファーに転向/コメンテーター歴14年広島出身。広島カープの大ファン。毎朝、目覚めとともにカープの試合状況をチェックするのが日課。大学時代をアメリカで過ごしたとき、唯一日本のブリヂストンのボール”Rexter”を使っていたのでゴルフ部のチームメイトから”REX”(レックス)と呼ばれるようになる。アマチュアゴルファー時代は、広島県の瀬戸内高校ゴルフ部からアメリカのオクラホマ州立大学を経てイーストテネシー州立大学ゴルフ部で腕を磨く。在学中には2度オールアメリカンに選出され、1990年に日本アマチュア選手権優勝、全英オープン出場を果たす。大学卒業後、1991年に日本のプロテストを合格しプロデビュー。その後、ヨーロピアンツアー、カナダツアー、アジアツアー、日本国内ツアー(1995年2部ツアーの賞金王に輝く)に参戦。2007年より米国ゴルフチャンネルでUS PGA Tour 、European Tour、US LPGA Tourなどのコメンテーターとして活躍。現在はフリーランスとしてGOLF TVでの解説のほか、 NHK、WOWOWでUS PGA Tour、US LPGA TOURの現地レポーターとしても活躍中。


レックス倉本のGOLFアメリカンな話”ちょっと聞いて〜や‼︎”

第3回(前回)へ 第5回(次回)へ

シリーズ一覧

なんか変では!?笹生優花の全米女子オープン優勝直後の賞金ランキングが1位に!

米ツアーのテレビ解説などでお馴染みのレックス倉本氏ならではの情報をお届けする連載第3弾。今回は米国LPGAツアーの話だ。全...

あわせて読みたい