全英OPで日本人選手の予選通過は5人中一人。残念ながらデータ通りの結果に!
「いまどきツアーをデータ斬り!」国内外のゴルフツアーをあらゆるデータで一刀両断 Vol.90
全英オープンは5人の日本選手が出場したが予選を通過したのは木下稜介1人だけだった。残念な結果だったが、実はこれ過去のデータ通りでもあったのだ。
全英OPで日本人選手の予選通過は5人中一人。残念ながらデータ通りの結果に!
今年の全英オープン会場はイギリス南東部のロイヤルセントジョージズだった。全英オープンの開催は10年ぶり15回目である。
日本選手は1981年に青木功や尾崎将司らが出場して以降、前回開催(2011年)までのべ28人がロイヤルセントジョージズでプレーしていた。うち、4日間プレーしたのは6人。予選通過率は21.4%でしかなかった。
そして今年も決勝ラウンドに残れたのは5人中1人だから20%。まさに過去のデータ通りだったというわけだ。
今年の分も含めてロイヤルセントジョージズでの通算予選通過率は21.2%。全英オープン開催コースで日本選手がのべ10人以上プレーしているのは9カ所あるが予選通過率が30%に満たないのはロイヤルセントジョージズだけである。それくらい相性が悪いのだ。
予選通過率が最もいいのはターンベリーで55.6%。1986年に中嶋常幸が最終日最終組で戦った場所である。
予選通過者が少ないということは当然スコアも良くはない。今回も含めた日本選手の平均ストロークは75.0で9コース中最も悪い。
また、最高成績は1981年青木功の11位でベスト10はなし。9コース中、日本選手がベスト10に入ったことがないのはロイヤルセントジョージズとカーヌスティだけである。
つまり、あらゆるデータが日本選手に不利だったわけで、今年もその壁を突き崩すことはできなかった。次回開催年は未定だが、今度こそロイヤルセントジョージズで日本選手が活躍するところを見たいものだ。
ちなみに来年150回大会が行われるセントアンドリュースの予選通過率は37.5%と平均的。日本選手最高成績は1978年青木功の7位である。
全英オープン開催コース別の日本選手予選通過率
順位 | コース | 予選通過率 | 平均ストローク |
---|---|---|---|
1位 | ターンベリー | 55.6% | 72.5 |
2位 | ロイヤルトルーン | 48.1% | 74.0 |
3位 | ミュアフィールド | 46.7% | 73.7 |
4位 | カーヌスティ | 39.1% | 74.7 |
5位 | セントアンドリュース | 37.5% | 73.4 |
6位 | ロイヤルリバプール | 35.3% | 74.1 |
7位 | ロイヤルバークデール | 34.6% | 74.2 |
8位 | ロイヤルリザム&セントアンズ | 34.3% | 73.8 |
9位 | ロイヤルセントジョージズ | 21.2% | 75.0 |
※日本選手がのべ10人以上プレーしているコースが対象
文・宮井善一
1965年生まれ。和歌山県出身。スポーツニッポン新聞社でゴルフ記者を8年間務め、2004年にフリーのゴルフライターとして独立。ゴルフ誌などに執筆のほか日本プロゴルフ殿堂オフィシャルライターとして活動している。元世界ゴルフ殿堂選考委員。
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