モリカワが米メジャー出場8試合目で早くもV2達成!!
「いまどきツアーをデータ斬り!」国内外のゴルフツアーをあらゆるデータで一刀両断 Vol.89
24歳のコリン・モリカワが全英オープンでメジャー2勝目を挙げた。メジャー出場わずか8試合目で早くも2勝目。これは歴史的なスピード記録である。
モリカワが米メジャー出場8試合目で早くもV2達成!!
モリカワが初めてメジャータイトルを手にしたのが昨年の全米プロ。メジャー出場たった2試合目での快挙だった。
以降、昨年のメジャーは全米オープン予選落ち、マスターズ44位と今ひとつだったが、今年に入ってWGC初制覇を果たして再び上昇気流に乗り、メジャーはマスターズ18位、全米プロ8位、全米オープン4位と順位を上げてきていた。
そして全英オープンで鮮やかな逆転勝ち。メジャー出場8試合目にして2勝目を飾ったのである。
まだメジャーが全英オープンしかなかった時代はトム・モリス・シニアらが出場3試合で2勝している。全米オープンや全米プロも加わった20世紀初期にもジーン・サラゼンらがモリカワより少ない試合数でメジャー2勝目を手にしている。ただ当時は英米間の行き来は楽ではなく、別の国で開催されるメジャーに出場する選手は稀だった。
では、交通網が発達し、トップクラスの選手は年間メジャー全4試合に出場するのが当たり前になった今の時代はどうか。第二次世界大戦が終結した1945年以降に絞るとモリカワの8試合目は最速記録なのだ。
従来の戦後最速記録はピーター・トムソンとジョーダン・スピースがマークしていた10試合だった。オーストラリア出身のトムソンは欧州中心にプレーしており、全英オープンは計5勝。1955年に全英オープン2勝目を挙げた時がメジャー10試合目だった。
スピースは2015年全米オープンでメジャー2勝目。この時まだ21歳。年齢ならモリカワより3歳も若くして2勝目を挙げたのだ。
ほかのレジェンドたちはどうか。メジャー最多の18勝を誇るジャック・ニクラウスは13試合目、タイガー・ウッズは2勝目まで18試合を要している。若いころから天才と謳われたセベ・バレステロスは11試合目。23歳の時だった。
モリカワは彼らそうそうたる面々を抑えての最速記録。この先、どこまでメジャータイトルを積み重ねていくのだろうか。
コリン・モリカワのメジャー全成績
大会名 | 成績 |
---|---|
2019年全米オープン | 35位 |
2020年全米プロ | 優勝 |
2020年全米オープン | 予選落ち |
2020年マスターズ | 44位 |
2021年マスターズ | 18位 |
2021年全米プロ | 8位 |
2021年全米オープン | 4位 |
2021年全英オープン | 優勝 |
文・宮井善一
1965年生まれ。和歌山県出身。スポーツニッポン新聞社でゴルフ記者を8年間務め、2004年にフリーのゴルフライターとして独立。ゴルフ誌などに執筆のほか日本プロゴルフ殿堂オフィシャルライターとして活動している。元世界ゴルフ殿堂選考委員。
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