シャフトメーカーの主力商品の名前が付いているメーカーの純正シャフトについて
ゴルフライターT島が切り込む!フィッティングショップだから分かるゴルフギア最新事情/第16回
主要ゴルフメーカーの純正シャフトに、主要シャフトメーカーの名前がついているものが増えてきている。ゴルファーの中には、アフターマーケット用(リシャフト用)に販売しているものが付いていると思っている人もいるようだが、そのシャフトはリシャフト用に販売しているものとは異なるシャフトだ。この最近の状況について、ゴルフライターのT島氏が切り込みます。
写真提供/大蔵ゴルフスタジオ
リシャフト用とは異なるがしっかりとしたクオリティ
T島のまわりのマニアじゃないゴルファーが意外と勘違いしていることがあります。それはシャフトメーカーの主力商品の名前が付いているゴルフクラブの純正シャフトとは、シャフトメーカーさんがアフターマーケット用(リシャフト用)に、販売しているものと同じだと思っている人が結構いるんです。市川フィッターにそんな話を聞いてみました。
(T島)昔はそんなことなかったけど、最近はもはや常識みたいになっていてちょっと心配していることがあるんですけど。
(市川)なんですか? また妄想が膨らんでるんですか?
(T島)エピックスピードトリプルダイヤが欲しいとかって話じゃないですよ!
(市川)ちがうのか!そこ来ると思ってたけど。
(T島)今どきのクラブって、純正シャフトに、シャフトメーカーの主力商品の名前が入っているじゃないですか?それを、シャフトメーカーが普通に売っているシャフトと同じ、もしくは同等品と思っている人が意外といるんですよ。
(市川)正直言います。誤解されている人は少なくないと思いますね。たとえば“この純正シャフト、どのシリーズと同じなの?”と聞かれることがありますから。
(T島)名前を出して良いのかな・・駄目だったらゴルフサプリさんがなんとかするだろうから出しちゃうけど。たとえばテーラーメイドさんの大ヒットモデルSIM2シリーズの純正シャフトは、三菱ケミカルさんの人気シャフトTENSEIと入っていますよね?
(市川)入っていますね。おまけにコスメも似ていますし、ストライプの色も入っています。パッと見たら、TENSEIホワイトだ!とかTENSEIブルーだ!とか、勘違いされてもおかしくないですね。
(T島)でも、ぜんぜん違うシャフトですよね。
(市川)残念ながら違います。もちろんテーラーメイドさんだけじゃなく、キャロウェイさんも、国産メーカーさんも同じように、シャフトメーカーさんの人気シャフトと勘違いしそうな名前とコスメで販売されています。
(T島)ピンさんは、ややこしいことをしていませんが、他社はほとんどそうですよね。もちろんカスタムシャフトと別の枠で、シャフトメーカーさんの人気シャフトを装着して、その分純正シャフトよりも価値を上げて販売しています。これは、シャフトメーカーさんの販売しているものと同じですよ。
(市川)名前やコスメを似せるとカッコいいですよね。大事なことなので知っておいて欲しいのですが、純正シャフトはヘッドの弱点を補ったり、長所を伸ばす目的を持ってちゃんと作られているシャフトだと解釈しています。
(T島)そうですよね。安かろう悪かろうだと、せっかくの新製品の売上に影響するわけですから、紛らわしいし誤解されやすいですよね。
(市川)まあ、すべての人が誤解しているわけじゃないですし、シャフトメーカーさんも自社の商品の名前を入れるわけですから、しっかりしたクオリティのシャフトを作られていますよね。
純正シャフトが軽すぎるという問題点
(T島)前回お話しした「1本だけ買うと軽くなっちゃう問題」って、純正シャフトが軽すぎる問題が原因であることが多いと思うんですよ。
(市川)確かに、純正シャフトがかなり軽いですよね。特にフェアウェイウッドは、ドライバーと同じ重量のものが入ってしまうので、セッティングの流れに問題が出やすいです。
(T島)吊るしのままじゃ使えない!問題ですね。まあ大蔵ゴルフスタジオさん的には、仕事のチャンスでもあるわけですけど。
(市川)ちょっとT島さん!それは問題発言です!でもT島さんが言うように、“吊るしのフェアウェイウッドやユーティリティが打ちにくい!”と相談に来られるケースが多いです。
(T島)シャフト自体のクオリティよりも、重量の設定などに疑問が出る場合があるという。
(市川)対象となるユーザーをメーカーさんは広く取りたがる傾向を感じます。
(T島)ほとんどのモデルが全ゴルファー!みたいになっちゃっているのに、純正シャフトのラインナップがほとんどないみたいなことですか?
(市川)そこまでハッキリ言い切ってませんけど(汗)、ゴルファーにとって、セッティングしにくい原因となっています。
(T島)以前、純正シャフトって軽すぎじゃない?と大手メーカーさんに言ったのですが。“そういう方はカスタムシャフトを選んでいただければ”と言われました。
(市川)なるほど・・カスタムシャフト装着率が上がっているのも、そういう事情があるんですね。
(T島)重さだけじゃなくて、もっと細かくセッティングしたいなら、フィッティングするしかないってことですね。
(市川)皆さん徐々に理解していただいているようで、フィッティングにお越しいただいております。
(T島)ところで、エピックスピードトリプルダイヤってボール上がるかな?
(市川)お後がよろしいようで(笑)。
▼T島氏のプロフィール
ゴルフ関連のライター、動画撮影編集、ブロガー、フォトグラファー、YouTuber的な(笑)、いろいろやってます。ゴルフ、クルマ、カメラ、音楽、映画、ガジェット、が好きです。以前は、店舗の運営、出店、立て直しを25年やってましたが、何故かこんな仕事をしています。
取材協力/大蔵ゴルフスタジオ世田谷
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