女子プロテストで女子アマ覇者がトップ合格。活躍はデータが太鼓判!!
「いまどきツアーをデータ斬り!」国内外のゴルフツアーをあらゆるデータで一刀両断 Vol.105
11月5日に2021年度女子プロテストが終了し、21人の女子プロゴルファーが誕生した。トップ合格は今年の日本女子アマチャンピオン・尾関彩美悠(あみゆ)。尾関にはプロでの活躍を後押しするデータがある。
女子プロテストで女子アマ覇者がトップ合格。活躍はデータが太鼓判!!
いくら実績があっても何が起こるか分からないのがプロテストの怖さ。今回も春先にオーガスタナショナル女子アマを制し、プロのトーナメントでも活躍していた梶谷翼がまさかの落選を喫するなどの“波乱”があった。
そんな中、日本女子アマを制した尾関が4日間一度もオーバーパーを叩くことなく、通算8アンダーでトップ合格してみせた。尾関は岡山県の作陽高校3年生。渋野日向子の後輩にあたる。ナショナルチームのメンバーでもあり、まさに実績通りのトップ合格だったわけだ。
日本女子アマ優勝経験者がプロになった例は尾関で34人目である。第1号は清元登子。アマチュア時代を含めてツアー競技で通算8勝を挙げた。
服部道子、大山志保の賞金女王経験者や世界ランキング1位に上り詰めた宮里藍も日本女子アマ優勝者。ほかにも最年少の公式競技3冠達成者の諸見里しのぶ、今年の日本女子オープン覇者の勝みなみらプロ入り後に活躍している選手は枚挙にいとまがないほど。尾関を除く33人中20人がツアー競技で優勝しているのだ。その確率は実に61%である。
この数字はどれくらいすごいのか。たとえば、プロテストの合格ラインが現在の20位タイになった1997年以降の合格者の優勝率は14%である。この4倍以上の確率で優勝者を輩出しているのだ。さすが日本女子アマに勝つほどの選手はプロの世界でも活躍できる下地があるということだ。
まだ優勝経験はないが、現在ツアーで活躍中の高橋彩華や西郷真央、安田祐香も日本女子アマのタイトルを手にしている。
尾関自身、今年の日本女子オープン11位、NOBUTA GROUPマスターズGCレディース22位など、ツアー競技で悪くない成績を残している。プロとしてどんなゴルフをみせてくれるのか、今から楽しみである。
日本女子アマ優勝者の主なプロでの実績
優勝者 | 実績 |
---|---|
服部道子 | 国内18勝、賞金女王1回 |
大山志保 | 国内18勝、賞金女王1回 |
宮里藍 | 国内15勝、米9勝、世界ランキング1位 |
諸見里しのぶ | 国内9勝 |
清元登子 | 国内8勝 |
米山みどり | 国内7勝 |
小田美岐 | 国内6勝 |
勝みなみ | 国内6勝 |
比嘉真美子 | 国内5勝 |
宮里美香 | 国内2勝、米1勝 |
吉田優利 | 国内2勝 |
文・宮井善一
1965年生まれ。和歌山県出身。スポーツニッポン新聞社でゴルフ記者を8年間務め、2004年にフリーのゴルフライターとして独立。ゴルフ誌などに執筆のほか日本プロゴルフ殿堂オフィシャルライターとして活動している。元世界ゴルフ殿堂選考委員。
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