22歳の畑岡が米獲得賞金500万ドル突破! いかほどのスピード記録!?
「いまどきツアーをデータ斬り!」国内外のゴルフツアーをあらゆるデータで一刀両断 Vol.107
米女子ツアー最終戦のCMEグループツアーチャンピオンシップで2位に入り、48万ドルを獲得した畑岡奈紗が同ツアーの生涯獲得賞金500万ドル突破を果たした。現在、畑岡は22歳。この年齢での500万ドルはどれくらいの年少記録なのだろうか。
22歳の畑岡が米獲得賞金500万ドル突破! いかほどのスピード記録!?
米女子ツアーにおける生涯獲得賞金500万ドル突破は畑岡で75人目となった。うち、22歳以下で500万ドに達したのは畑岡で9人目である。賞金額は年々増えているからかつての名選手たちとの単純比較はできないが、それを差し引いてもなかなかのスピードだといえる。
最年少での500万ドルはリディア・コの18歳だ。コは特例で16歳から米女子ツアーメンバーとしてプレーしており、500万ドル突破時は3年目だった。2位グループは21歳だから、コの記録はぶっちぎりである。
2位グループ、21歳で500万ドルを突破したのはレキシー・トンプソン、ブルック・ヘンダーソン、ポーラ・クリーマーの3人。そして22歳は畑岡のほかヤニ・ツェン、アリヤ・ジュタヌガーン、ミンジ・リー、ネリー・コルダという面々である。現在、あるいは少し前のツアーを代表する選手ばかりだ。
22歳の中で日数まで算出して順位付けをすると畑岡は22歳312日でヤニ、ジュタヌガーンに次ぐ3番目。全体では7番目の年少記録となる。
日本選手で畑岡以外に500万ドルを超えているのは宮里藍のみ。宮里の500万ドル超えは26歳の時だった。両者の差は時代による賞金額の違いだけでなく、海を渡った年齢が大きく関係している。畑岡は高校を出てすぐに米女子ツアーに参戦したのに対して宮里が日本を離れたのは高卒3年目だった。500万ドル突破時点の優勝数で比較すると宮里は7勝で畑岡は5勝。ほぼ互角といっていい。
最後に、畑岡の賞金に関するデータをもうひとつ紹介したい。今季の獲得賞金190万1081ドルは2009年宮里藍の151万7149ドルを塗り替える日本選手年間最高額となったのだ。今季賞金ランキング6位に入った笹生優花も151万7876ドルで宮里の記録を上回っている。複数の日本選手が賞金ランキング10位以内に入るのは初めてのことだ。
畑岡奈紗の年度別獲得賞金
年度 | 賞金 | 賞金ランキング |
---|---|---|
2017年 | 3万7852ドル | 140位 |
2018年 | 145万4261ドル | 5位 |
2019年 | 91万7273ドル | 18位 |
2020年 | 85万4024ドル | 5位 |
2021年 | 190万1081ドル | 3位 |
計 | 516万4491ドル | 73位 |
文・宮井善一
1965年生まれ。和歌山県出身。スポーツニッポン新聞社でゴルフ記者を8年間務め、2004年にフリーのゴルフライターとして独立。ゴルフ誌などに執筆のほか日本プロゴルフ殿堂オフィシャルライターとして活動している。元世界ゴルフ殿堂選考委員。
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