最終戦までもつれこんだ2020-21女子ツアーの「イーグル女王の座」は勝みなみが最多記録で栄冠!!
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女子ツアーの今季イーグル数1位に輝いたのは勝みなみだった。シーズン最終戦最終日に13個目のイーグルを決めてつかんだイーグル女王の座。実はこの13個という数字、歴代最多記録なのである。
最終戦までもつれこんだイーグル女王の座。勝が最多記録で栄冠!!
新型コロナウイルス感染拡大の影響で2年間、52試合というかつて例がないロングランシーズンはさまざまな新記録が生まれる要因となった。試合数が多ければ積み重ねていくタイプの記録は必然的に数字が伸びる。獲得賞金では稲見萌寧が歴代最多の2億5519万2049円を叩き出し、これまでイボミ1人だけだった「2億円プレーヤー」が一気に3人(稲見、古江彩佳、小祝さくら)も誕生した。
バーディ数では小祝さくらが577個の歴代最多記録を樹立。そして今回のテーマであるイーグル数では勝みなみが13個で新記録をつくったのだ。
従来の記録は11個だった。2012年に森田理香子がマークし、翌13年に穴井詩、テレサ・ルーも11個のイーグルを奪取。それ以降は11個に並ぶ選手がいなかったが、今回、勝が9年ぶりに塗り替えたというわけだ。
このイーグル数新記録を巡る争いが実は熱かった。従来の記録である11個に最初に並んだのは小祝さくら。10月のスタンレーレディス初日8番パー5でシーズン10個目を決めて勝、古江彩佳、山路晶のトップグループに並ぶと、2日目にも8番でイーグルを奪って11個に到達したのだ。
すると、最終日には古江がすかさず8番でイーグル。小祝に並んだ。
2週間後のNOBUTA GROUPマスターズGCレディースでは勝が1番パー5で11個目のイーグル。勝、小祝、古江が肩を並べた。
3試合その状態が続き、状況が動いたのは最終戦の1つ前、大王製紙エリエールレディスだった。まず勝が初日の11番パー5でチップインイーグルを決めてシーズン最多記録を更新。3日目には小祝が負けじと7番パー4の2打目を放り込んでみせた。
勝と小祝が12個、古江が11個で迎えた最終戦のJLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップは3日目までこう着状態だったが最終日の13番パー5で勝が2オンに成功して13個目のイーグル。最後の最後で一歩抜け出して新たな歴史をつくったのだ。
勝は2019年にはシーズン2位となる9個を記録しており、2シーズンで22個という超ハイペースでイーグルを量産中。来年はどれだけのイーグルを魅せてくれるのか、楽しみである。
今季女子ツアーイーグル数上位
順位 | 選手名 | イーグル数 |
---|---|---|
1位 | 勝みなみ | 13個 |
2位 | 小祝さくら | 12個 |
3位 | 古江彩佳 | 11個 |
4位 | 上田桃子 | 10個 |
4位 | 山路晶 | 10個 |
文・宮井善一
1965年生まれ。和歌山県出身。スポーツニッポン新聞社でゴルフ記者を8年間務め、2004年にフリーのゴルフライターとして独立。ゴルフ誌などに執筆のほか日本プロゴルフ殿堂オフィシャルライターとして活動している。元世界ゴルフ殿堂選考委員。
撮影トーナメント/2021JLPGAツアー選手権リコーカップ
撮影/相田克己
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