ザラトリス、シェフラー、今季はティガーラ!? 革新イベント「カレッジエート・ショーケース」から新人王が次々誕生!!
佐渡充高のテレビでは語れなかったPGAツアー
ゴルフ番組やゴルフ雑誌ではあまり語られることのないトピックを、ゴルフジャーナリストやトーナメント中継の解説者として活躍する佐渡充高が取り上げ、独自の見解とともにお届けします。
GOLF TODAY本誌 No.594/115ページより
コリンやホブランのようにブレイクする? 期待の若手、サヒス・ティガーラ
今季開幕2戦目、10月のサンダーソンファームズ選手権で新人サヒス・ティガーラ(23歳)が最終日を首位で迎え堂々の優勝争い。結果8位に甘んじたが学生最優秀賞3冠の大物ぶりをみせつけた。
PGAツアー初出場は17年2月ジェネシス招待。当時19歳で、会場リビエラCC近くのペパーダイン大学3年生だった。出場資格は「カレッジエート・ショーケース」。これは大会週の月曜日にリビエラCCでトッププロと学生、同大学OBなどアマ2人計4人がチームとなりベストボール方式で争うプロアマ戦。上位3チームには大学ゴルフ部に5万ドル(約550万円)が贈られる。
また個人優勝の学生は本戦への出場権が与えられ、ティガーラは見事スポットを得た。エントリーフィは各チーム2万5千ドル(約270万円)で参加校や参加校出身者、支援希望者らが負担する。全米の強豪校UCLA、南カリフォルニア、アリゾナ、同州立大、コロラド、テキサス、オクラホマ州立大、ウェイクフォレスト、ジョージア、ネバダ大など毎年30校近くがエントリー。参加プロはJ・スピース、L・ドナルド、J・フューリックらメジャー勝者や賞金王と豪華メンバーで、学生にとって憧れのコースや選手とのプレーは最高の経験だ。ティガーラは本戦でも力を発揮し決勝ラウンド2日間はフィル・ミケルソンと同組の強運。記念の2ショット写真は生涯の思い出になった。
この制度で出場権を得た選手はプロ転向し次々にPGAツアーの新人王に選ばれ注目度は急上昇。初回2015年出場経験のウィル・ザラトリスは昨季、無資格から新人王の大躍進。2018年出場したスコティ・シェフラーは2シーズン前からPGAツアーに参加、ランク5位の躍進で新人王に。今秋はライダー杯に初出場し世界ランク1位のJ・ラームを4&3の大差で撃破。この流れからティガーラも新人王!? の気配だ。
振り返ればジェネシス招待のホスト、タイガー・ウッズもPGAデビューは16歳の時に推薦出場した同試合。96年夏にツアー中途参加し、わずか8試合で2勝し新人王を戴冠した。ホスト就任後はPGAツアー初の黒人選手チャーリー・シフォードを讃え彼の名を冠した「シフォード推薦」というマイノリティ枠も1つ設けた。
95年の歴史を持つジェネシス招待は、華やかなハリウッドセレブ多数参加のプロアマ戦が恒例だ。また、76年前(1945年)には五輪の女子陸上競技で金メダリストから転向したベーブ・ザハリアスが女性初のツアー出場という歴史的快挙の舞台だった。節目の100周年に向け、ウッズは斬新なアイデアを練っていることだろう。
●文/佐渡充高
さど・みつたか
上智大学法学部卒業。1985年に渡米し、USPGAツアーを中心に世界のゴルフを取材。NHKゴルフ解説者。
【佐渡充高のテレビでは語れなかったPGAツアー】
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