森 守洋のスイング立て直しレッスン|堀琴音・香妻陣一朗
不調になったら、ミスが出始めたら、このレッスン・ドリルで復活!注目のツアープロコーチが教える!スイングの立て直し方
不調になったら、ミスが出始めたら、このレッスン・ドリルで復活!
優勝したあの女子プロ・男子プロに教えたとっておきのポイントをGOLFTODAY読者だけに公開!
GOLF TODAY本誌 No.594 38〜43ページより
森 守洋のスイング立て直しのポイント・1<堀 琴音のケースⅠ>
ハイトップはフェードがベストマッチング!
ココがポイント!
自分のカラダの特性や動きと球筋をマッチさせる
堀琴音選手は18歳でプロになり、すぐにツアーで活躍して初優勝は時間の問題といわれていました。ところが2018年頃からスランプに陥ってしまい、私のところにやってきてずっとコーチをしています。
堀選手はもともと天才肌で、ターゲットに対してフェース面を合わせる能力が非常に高い。本人はドローを打ちたがっていて、アッパー系のスイングをしていました。だけどバックスイングでカラダが持ち上がって、ダウンスイングで沈み込むタイプですから、カラダの特性とか動きからいえばフェードのほうがギャップが少ないわけです。
本人はバックスイングは変えたくないということだったので、インパクトゾーンの軌道を整えることに取り組みました。右カカト浮かせ打ちの練習などでクラブの入射角を修正したところ、ストレートよりも1~2度アウトサイドイン寄りの軌道で振れるようになり、何回スイングしても安定したフェードが打てるようになったのです。そこはやっぱり天才的だと思います。
右カカト浮かせ打ちでインパクトエリアの軌道を整える
インパクトゾーンの軌道とクラブの入射角を安定させるには、右カカト浮かせ打ちの練習が効果的。堀琴音もこのドリルでアッパー軌道を修正した。
森 守洋のスイング立て直しのポイント・2<堀 琴音のケースⅡ>
手首を柔軟に使ってヘッドに仕事をさせる!
クラブの動きを制限しないように両手を緩く握る
ドライバーはドローを打ちたいから、アイアンもアッパー型のスイング。以前の堀琴音選手はそのためにアイアンでターフが全然取れませんでした。いわゆる、すくい打ちです。フェードの合理性を説明してクラブの軌道や入射角の修正に取り組んだのですが、もう一つの課題はリストワークでした。
ノーコック気味にハイトップへと上げていく動きを見てもわかるとおり、堀選手は手首を固めたままスイングするタイプ。そこでバックスイングの形や動きはそのままでもいいけれど、グリッププレッシャーをソフトにしてクラブの運動量を増やすようにとアドバイスしました。グリップを強く握りすぎると手首が硬くなり、クラブの動きを制限してしまう。緩く握っておけば、自分で手首を稼働させなくても、リストワークが自然と働いてクラブの運動量が増えます。
クラブが動きたがる方向に委ねることで、クラブの入射角もスイングの軌道も安定しやすいのです。手首が硬くなりやすい人は是非参考にしてください。
おつまみグリップでクラブの運動量を増やす感覚をつかむ
ココがポイント!
森 守洋のスイング立て直しのポイント・3<香妻陣一朗のケース>
地面反力を活用して前傾角度をキープ!
ワキ腹の伸縮と地面反力の連動で大きく飛ばす
コーチの立場としては選手の悩みに対して助言することもあれば、選手の長所を伸ばしてあげることもあります。香妻陣一朗選手はプロ入りからコーチしていますが、彼の場合は手首の使い方がとても上手くてリリースの天才。とくにロブショットでそれが生かされています。
ロングショットでも長所をうまく伸ばしてあげたかったので、クラブを正しく振るためのカラダの使い方をアドバイスしました。
カラダの回転が速い人はダウンスイングで上体が起きやすいので、前傾角度をキープするために地面反力を利用する。そして地面反力と連動して側屈を使う。この2つです。
カラダを真横に回すのではなくて、バックスイングでは左ワキ腹を縮ませて右ワキ腹を伸ばし、ダウンスイング以降は右ワキ腹を縮ませて左ワキを伸ばしてフォロースルーへと向かうのです。
香妻選手が小さいカラダでもドライバーで285ヤード飛ばせるのは、この側屈と地面反力をリンクさせることでリリーステクニックが最大限に生かされているからです。
ココがポイント!
側屈を使ってカラダの回転のスピードを上げる
両手でクラブを水平に持ち、アドレスの前傾姿勢を作ろう。その体勢で空手の瓦割りのように左手を真っすぐ押し下げる。次に右手を押し下げよう。これを交互に繰り返すと左右の側屈を使って回転する動きが理解できる。
堀 琴音
ほり・ことね(ダイセル)1996年3月3日生まれ、徳島県出身。163㎝。2021年のニッポンハムレディスで悲願のツアー初優勝。姉の奈津佳と姉妹Vを達成した。
香妻陣一朗
こうづま・じんいちろう(国際スポーツ振興協会)1994年7月7日生まれ、鹿児島県出身。165㎝、71㎏。2012年にプロ転向後、20年の三井住友VISA太平洋マスターズで嬉しいツアー初優勝。
コーチ
森 守洋
もり・もりひろ
1977年2月27日生まれ。静岡県出身。95年に渡米し、ミニツアーを転戦しながら腕を磨く。帰国後、陳清波に師事。現在は東京ゴルフスタジオ(東京都三鷹市)を主宰し、多くのアマチュアをレッスン。原江里菜、堀琴音らのコーチもつとめる。
写真/Getty Images 取材協力/鎌ヶ谷CC
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