1. TOP メニュー
  2. テクニックに効く
  3. スイング作り
  4. 森 守洋のスイング立て直しレッスン|堀琴音・香妻陣一朗

森 守洋のスイング立て直しレッスン|堀琴音・香妻陣一朗

不調になったら、ミスが出始めたら、このレッスン・ドリルで復活!注目のツアープロコーチが教える!スイングの立て直し方

2021/12/06 ゴルフサプリ編集部

不調になったら、ミスが出始めたら、このレッスン・ドリルで復活!
優勝したあの女子プロ・男子プロに教えたとっておきのポイントをGOLFTODAY読者だけに公開!

GOLF TODAY本誌 No.594 38〜43ページより

森 守洋のスイング立て直しのポイント・1<堀 琴音のケースⅠ>

ハイトップはフェードがベストマッチング!

以前はドローを打とうとして、アッパー軌道になっていた。そのため曲がり幅が大きかった。

ココがポイント!

インパクトの基本形はドライバーもアイアンもハンドファースト。これはクラブの入射角を整える上で重要なポイントだ。

自分のカラダの特性や動きと球筋をマッチさせる

堀琴音選手は18歳でプロになり、すぐにツアーで活躍して初優勝は時間の問題といわれていました。ところが2018年頃からスランプに陥ってしまい、私のところにやってきてずっとコーチをしています。

堀選手はもともと天才肌で、ターゲットに対してフェース面を合わせる能力が非常に高い。本人はドローを打ちたがっていて、アッパー系のスイングをしていました。だけどバックスイングでカラダが持ち上がって、ダウンスイングで沈み込むタイプですから、カラダの特性とか動きからいえばフェードのほうがギャップが少ないわけです。

本人はバックスイングは変えたくないということだったので、インパクトゾーンの軌道を整えることに取り組みました。右カカト浮かせ打ちの練習などでクラブの入射角を修正したところ、ストレートよりも1~2度アウトサイドイン寄りの軌道で振れるようになり、何回スイングしても安定したフェードが打てるようになったのです。そこはやっぱり天才的だと思います。

右カカト浮かせ打ちでインパクトエリアの軌道を整える

通常のスタンスから右足を後ろに引いて右カカトを浮かせて構える。

インパクトゾーンの軌道とクラブの入射角を安定させるには、右カカト浮かせ打ちの練習が効果的。堀琴音もこのドリルでアッパー軌道を修正した。

クローズスタンスに構えて左足軸でスイングすると、ボールを上から正確にとらえる動きを体感できる。

森 守洋のスイング立て直しのポイント・2<堀 琴音のケースⅡ>

手首を柔軟に使ってヘッドに仕事をさせる!

グリップをソフトに握ればクラブの入射角が安定しやすい効果もある。
堀琴音はもともと手首を固めたままでスイングする傾向があった。

クラブの動きを制限しないように両手を緩く握る

ドライバーはドローを打ちたいから、アイアンもアッパー型のスイング。以前の堀琴音選手はそのためにアイアンでターフが全然取れませんでした。いわゆる、すくい打ちです。フェードの合理性を説明してクラブの軌道や入射角の修正に取り組んだのですが、もう一つの課題はリストワークでした。

ノーコック気味にハイトップへと上げていく動きを見てもわかるとおり、堀選手は手首を固めたままスイングするタイプ。そこでバックスイングの形や動きはそのままでもいいけれど、グリッププレッシャーをソフトにしてクラブの運動量を増やすようにとアドバイスしました。グリップを強く握りすぎると手首が硬くなり、クラブの動きを制限してしまう。緩く握っておけば、自分で手首を稼働させなくても、リストワークが自然と働いてクラブの運動量が増えます。

クラブが動きたがる方向に委ねることで、クラブの入射角もスイングの軌道も安定しやすいのです。手首が硬くなりやすい人は是非参考にしてください。

スイングはグリップ支点の振り子運動がベースになる。おつまみグリップでスイングするとリストワークが自然に働いて、理想的なヘッド軌道がつかめる。

おつまみグリップでクラブの運動量を増やす感覚をつかむ

両手の指先でグリップを軽くつまむように持ち、素振りするドリル。クラブの重さを利用してスイングする感覚がつかめる。ヘッドスピートを上げるには、ヘッドが進みたがる方向に委ねるのがコツだ。

ココがポイント!

右手でクラブヘッド側を持ち、手首を柔らかく使ってシャフトで空を切るようにスイング。ショットでもこの感覚を大切にしよう。
右手首を固めるとヘッドの動きが制限されてしまう。
堀琴音のコーチとして、キャディをつとめることもある森守洋(左)。

森 守洋のスイング立て直しのポイント・3<香妻陣一朗のケース>

地面反力を活用して前傾角度をキープ!

地面反力を使って前傾キープしているからリリースがうまい長所を生かせる
目にはつきにくいが、単にカラダを回すのではなく、側屈を使ってスイングしている点に注目。

ワキ腹の伸縮と地面反力の連動で大きく飛ばす

コーチの立場としては選手の悩みに対して助言することもあれば、選手の長所を伸ばしてあげることもあります。香妻陣一朗選手はプロ入りからコーチしていますが、彼の場合は手首の使い方がとても上手くてリリースの天才。とくにロブショットでそれが生かされています。

ロングショットでも長所をうまく伸ばしてあげたかったので、クラブを正しく振るためのカラダの使い方をアドバイスしました。

カラダの回転が速い人はダウンスイングで上体が起きやすいので、前傾角度をキープするために地面反力を利用する。そして地面反力と連動して側屈を使う。この2つです。

カラダを真横に回すのではなくて、バックスイングでは左ワキ腹を縮ませて右ワキ腹を伸ばし、ダウンスイング以降は右ワキ腹を縮ませて左ワキを伸ばしてフォロースルーへと向かうのです。

香妻選手が小さいカラダでもドライバーで285ヤード飛ばせるのは、この側屈と地面反力をリンクさせることでリリーステクニックが最大限に生かされているからです。

ココがポイント!

カラダの回転と連動して地面反力を使えば、インパクトまで前傾角度をキープしやすくなる。
カラダの回転スピードが速いタイプは、ダウンスイングからインパクトにかけて上体が起き上がりやすい。
カラダを真横に回そうとすると頭が左右に動いて、スイング軸がブレてしまう。

側屈を使ってカラダの回転のスピードを上げる

①バックスイングでは左手を押し下げる。左ワキ腹が縮んで右ワキ腹が伸びる。②右手を押し下げてフォロースルーへと向かう。右ワキ腹が縮んで左ワキ腹が伸びる。

両手でクラブを水平に持ち、アドレスの前傾姿勢を作ろう。その体勢で空手の瓦割りのように左手を真っすぐ押し下げる。次に右手を押し下げよう。これを交互に繰り返すと左右の側屈を使って回転する動きが理解できる。

堀 琴音
ほり・ことね(ダイセル)1996年3月3日生まれ、徳島県出身。163㎝。2021年のニッポンハムレディスで悲願のツアー初優勝。姉の奈津佳と姉妹Vを達成した。

香妻陣一朗
こうづま・じんいちろう(国際スポーツ振興協会)1994年7月7日生まれ、鹿児島県出身。165㎝、71㎏。2012年にプロ転向後、20年の三井住友VISA太平洋マスターズで嬉しいツアー初優勝。

コーチ

森 守洋
もり・もりひろ
1977年2月27日生まれ。静岡県出身。95年に渡米し、ミニツアーを転戦しながら腕を磨く。帰国後、陳清波に師事。現在は東京ゴルフスタジオ(東京都三鷹市)を主宰し、多くのアマチュアをレッスン。原江里菜、堀琴音らのコーチもつとめる。

写真/Getty Images 取材協力/鎌ヶ谷CC


ツアープロコーチが教える!スイングの立て直し方

前回へ 次回へ

一覧へ

堀琴音のアイアンスイング連続写真【2021年アース・モンダミンカップ】

堀琴音のアイアンスイング連続写真。2020-21シーズン、ニッポンハムレディスゴルフクラシック(北海道・桂ゴルフ倶楽部)で悲...

あわせて読みたい

ドライバーの飛距離アップのコツ VOL.4

今でも平均で260ヤード飛ばす三塚優子の持ち球はドローだという。「ドローはターゲットよりも少しだけ右に出て、落ち際から緩...

あわせて読みたい