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石井 忍のスイング立て直しレッスン|堀琴音・テレサ・ルー

不調になったら、ミスが出始めたら、このレッスン・ドリルで復活!注目のツアープロコーチが教える!スイングの立て直し方

2021/12/08 ゴルフサプリ編集部

不調になったら、ミスが出始めたら、このレッスン・ドリルで復活!
優勝したあの女子プロ・男子プロに教えたとっておきのポイントをGOLFTODAY読者だけに公開!

GOLF TODAY本誌 No.594 44〜49ページより

石井忍のスイング立て直しのポイント・1<テレサ·ルーのケースⅠ>

アドレスは徹底的にスクエアにこだわる!

ミスが出たときや調子の悪いときこそ、「スクエアに構える」原点に戻ることが大切

ココがポイント! スクエアに構えやすいルーティンを覚えよう

コースに出たときも練習場のマットの上で構えているイメージを出すとスクエアに構えやすい。
①両足を揃えて左足の外側の延長線上にボールがくるように立つ。②左カカト内側の延長線上にボールがくるように左足を広げる。③右足を広げてアドレスが完成。この手順ならスクエアに構えやすい。

カラダがどうしても右を向きやすい人は、アドレスを作るルーティンを見直そう。最初はボールの位置と重なるようにスティックを置き、両足を揃えた体勢で左足の外側にスティックがくるように立つ。それから左足、右足の順で広げればカラダの向きをスクエアに保てる。

飛球線に対して平行に立つ意識を持つことが大事

テレサ・ルーは実績豊富な選手ですが、ショットが安定しないということで昨年の暮れからコーチしています。多くのアマチュアはアドレスでカラダが右を向きやすいけれど、テレサも肩とかスタンスが右を向いていたんですね。そのためターゲットの左へと振っていく感じがちょっと強くてヒッカケ気味に当たっていました。元々の球筋はストレートに近いドローですが、ドローが少しきつくなって飛距離は出せても、方向をコントロールしにくくなっていたのです。

そこでスクエアに構えてスクエアに振ることをテーマに掲げました。優秀なプレーヤーでも自分で構えたときの感覚と、実際のスクエアと誤差や生じやすいですから、調子が悪くなったときこそ基本の見直しが大事です。両足の前にアライメントスティックを置いて、カラダの向きの徹底修正をはかったところショットが安定してきました。

アマチュアへのアドバイスとしてはコースでも練習場のマットの上に立っている気持ちになって目の前に飛球線をイメージして構えるといいでしょう。

カラダが右を向いていて、少しヒッカケながら打っているという感じになっていた。

ココがポイント!

目の前の飛球線に対して平行に構える意識が大切だ。
遠くのターゲットに対して構えようとするとカラダが右を向きやすい。
ボールの真正面で両足を揃えて立ち、それから右足を広げて構えればいいが、大抵は左足を広げて次に右足を広げようとするため、カラダが右を向きやすい。

石井忍のスイング立て直しのポイント・2<テレサ·ルーのケースⅡ>

ハーフウェイバックでクラブが飛球線と平行!

飛球線の後方から見れば手やシャフトがヘッドに隠れて見えないのが理想的なテークバック

ココがポイント!

両手とクラブが右腰の高さに上がったとき、クラブが飛球線と平行になっているかをチェック。この正しい動きの感覚をカラダに覚えこませよう。
腕とクラブをカラダの真正面にキープしたまま、胸を右に90度回すイメージでバックスイング。そうすればトップでもクラブが正しい位置におさまりやすい。

クラブを丁寧にスクエアに上げる意識を持とう

テレサのもう一つの課題は、バックスイングの初動を丁寧に行なうことでした。クラブをアウトサイドに上げたりインサイドに引いたり、あるいはフェースをシャットに上げたりしないようにする。

チェックポイントは手とクラブヘッドが右腰の高さに上がったハーフウェイバック。左ワキをしっかり締めてテークバックし、このポジションでクラブが飛球線と平行になるようにスクエアに上げるのです。

テレサは技術的に優れた選手ですから、ハーフウェイバックへと正しい軌道で上げることができていましたが、アドレスのカラダの向きを修正した結果、より正確にスクエアに上げていけるようになりました。

ハーフウェイバックへとスクエアに上げたら、あとは自分の感覚でスイングしてボールを打っていくのみ。バックスイングの初動を丁寧に行ない、スクエアなポジションへと上げる意識を持てばトップのポジションやダウンスイングの軌道も安定して、ボールがつかまりやすくなります。

カラダと腕が同調しないと手を外に上げたり(右)、クラブを内側に引きすぎたり(左)しやすいので注意。
クラブをスクエアなポジションに上げることができれば、トップのポジションやダウンスイングの軌道の誤差もなくなる。

石井忍のスイング立て直しのポイント・3<江澤亜弥のケース>

ダウンスイングでタメを作りすぎない!

クラブを遠くから下ろすイメージで上体と下半身のタイムラグをつける/フェースが開いたり閉じたりしないからインパクトの打点が安定しやすい

ココがポイント!

クラブをカラダから離して、後ろから前に向かって振り下ろしてくるイメージだ。

小さいトップから打つ練習でスイングを改善

ダウンスイングでタメを作りすぎない感覚をつかむ練習法がコレ。右腰、または右胸の高さくらいの低いトップから下半身を踏み込んで打つのがポイント。自然とクラブが遠くから下りてくるようになる。

カラダとクラブの距離を適正に保ってクラブを振り下ろす

江澤亜弥選手はシード権を取れるくらいの潜在能力の高いプレーヤーです。ところがドライバーがどこに飛ぶか分からないほど悩んでいて、2年前からコーチしています。

江澤選手の場合、トップの位置から真下に振り下ろす感じのダウンスイングで、タメがきつくなりすぎていました。結果、インパクトの当たりが一定しにくくて、球が左右に散らばりやすい。そこで上から下へとクラブを引き下ろすのではなく、大きなトップからクラブを後ろから前へと振り下ろすイメージを持つようにとアドバイスしました。カラダからクラブを離して振り下ろすという感覚です。

そうすると上体と下半身のタイムラグが自然と生まれます。リレーのごとく、第一走者=下半身、第二走者=腕、第三走者=手、アンカー=クラブヘッドという順番が揃いやすくなるのです。この感覚をマスターするには、小さいトップからボールを打つドリルが効果的。江澤選手も実践してドライバーが安定して打てるようになりました。

クラブを上から下へと引っ張りこむと、手がカラダに近づいてタメが大きくなってしまう。

ココがポイント!

ダウンスイングで腕をあまりたわませないで、大きな円弧を描くように下ろす感覚がベスト。

テレサ・ルー
(太陽生命)1987年10月13日生まれ、台湾出身。164㎝。細身だが抜群の筋力を誇り、ドライビングディスタンス部門でつねに上位。ツアー通算16勝。

江澤亜弥
えざわ・あや(VAIO)1994年4月21日生まれ、埼玉県出身。161㎝。ステップ・アップ・ツアーが主戦場だが、ツアー優勝を目指して奮戦中。

コーチ

石井 忍
いしい・しのぶ
1974年8月27日生まれ。千葉県出身。日大ゴルフ部を経て98年プロ転向。その後コーチとして手腕を発揮し、多くのツアープロを指導。現在は千葉、赤坂、神保町で「エースゴルフクラブ」を主宰。アマチュアレッスンも行なっている。

写真/Getty Images 取材協力/鎌ヶ谷CC


ツアープロコーチが教える!スイングの立て直し方

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