「日本一曲げない男」こと稲森が持つ、もう一つの日本一とは!?
「いまどきツアーをデータ斬り!」国内外のゴルフツアーをあらゆるデータで一刀両断 Vol.113
稲森佑貴といえば6季連続フェアウェイキープ率1位に君臨する「日本一曲げない男」として知られているが、もうひとつ、あまり知られていない「日本一」がある。それはいったい何か?
「日本一曲げない男」こと稲森が持つ、もう一つの日本一とは!?
稲森は昨季、自らが保持していた歴代最高記録を塗り替える77.63%という破格の数字でフェアウェイキープ率1位に輝き、同部門の連続1位最長記録を6季にまで伸ばした。このことはよく知られているが、実はもうひとつ密かに大記録を打ち立てていた部門がある。それは、パー3の累計スコアだ。
稲森の昨季パー3累計スコアは35アンダー。同部門2位の金谷拓実が6アンダーだから、ぶっちぎりの1位だった。この部門は集計を開始したのが2004年と比較的歴史は浅いが、35アンダーという数字は池田勇太が2016年にマークしていた21アンダーを大幅に更新する歴代1位だったのだ。
パー3で好スコアをマークしたのは昨季だけの話ではない。2015、17、18年も部門1位に立っており、実にここ6季で4度目の1位なのである。
2015年は稲森が初めてフルシーズン戦った年である。その前の年は出場たった7試合で初シード獲得という非凡なところをみせていた。
稲森の2015年から6季合計のパー3累計スコアは38アンダーとなる。パー3でスコアをまとめるのはトッププロでも非常に難しく、アンダーパーをマークできるのはシーズンあたり数人しかいない。2015年以降のパー3累計スコアがアンダーパーなのは、この期間継続的に出場している選手では稲森だけ。トップクラスの選手でも例えば池田勇太は27オーバー、今平周吾は45オーバーといった具合なのだ。昨季賞金王のチャン・キムに至っては89オーバーと大苦戦している。
そんなパー3でこれだけ好スコアを出し続けている稲森は異例中の異例。「日本一曲げない男」は「日本一パー3がうまい男」でもあるわけだ。
稲森のシーズン別パー3累計スコア(2015年以降)
年度 | スコア | 順位 |
---|---|---|
2015年 | −12 | 1位 |
2016年 | +18 | 33位 |
2017年 | −10 | 1位 |
2018年 | −9 | 1位 |
2019年 | +10 | 21位 |
2020−21年 | −35 | 1位 |
文・宮井善一
1965年生まれ。和歌山県出身。スポーツニッポン新聞社でゴルフ記者を8年間務め、2004年にフリーのゴルフライターとして独立。ゴルフ誌などに執筆のほか日本プロゴルフ殿堂オフィシャルライターとして活動している。元世界ゴルフ殿堂選考委員。
撮影トーナメント/2021日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ
撮影/相田克己
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