ソニーの松山が叩きだした「257ストローク」が、実はすごかった!
「いまどきツアーをデータ斬り!」国内外のゴルフツアーをあらゆるデータで一刀両断 Vol.114
ソニーオープン・イン・ハワイで松山英樹がプレーオフを制して米ツアー通算8勝目を挙げた。注目すべきはそのスコア。257ストロークは米ツアー史上歴代7位の数字なのだ。
ソニーの松山が叩きだした「257ストローク」が、実はすごかった!
72ホール目の18番パー5、松山が決めたバーディパットがソニーオープン・イン・ハワイでの257ストローク目だった。直後にラッセル・ヘンリーがバーディパットを外して決着はプレーオフへと持ち込こまれた。
18番で行われたプレーオフ1ホール目で松山は2打目をピッタリとつけるイーグルで勝負あり。プレーオフでのイーグル決着は2015年バラクーダ選手権でのJ・J・ヘンリー以来、7年ぶりのことだった。
松山とヘンリーが72ホールで記録した257ストロークは米ツアー歴代7位という素晴らしいスコアである。歴代1位は2017年に同じソニーオープン・イン・ハワイでジャスティン・トーマスがマークした253ストローク。この時は初日に59を叩き出して首位に立ち、その勢いのまま7打差の圧勝だった。ちなみにアンダーパーの歴代1位はソニーオープン・イン・ハワイ前週のセントリートーナメント・オブ・チャンピオンズでキャメロン・スミスが記録した34アンダーである。
プレーオフで敗れたヘンリーは2013年のソニーオープン・イン・ハワイ優勝者。この時のスコアは256ストロークという当時の歴代2位、現在では歴代4位という見事なものだった。今回も最終ホールでバーディパットを決めていれば2013年と同じスコアで優勝していたのだが、外して、さらにプレーオフで敗れたことで「優勝できなかった選手の歴代最少ストローク」という、あまりありがたくない記録をつくってしまった。
さて、松山はこの優勝で世界ランキングが10位に浮上。2018年6月以来、約3年7カ月ぶりにトップ10に返り咲いた。
米ツアーの72ホールストローク数上位記録
順位 | ストローク | 選手 | 大会 |
---|---|---|---|
1位 | 253 | J・トーマス | 2017年ソニーオープン・イン・ハワイ |
2位 | 254 | T・アーマーⅢ | 2003年バレロ・テキサスオープン |
D・ジョンソン | 2020年ザ・ノーザントラスト | ||
4位 | 256 | M・カルカベッキア | 2001年フェニックスオープン |
R・ヘンリー | 2013年ソニーオープン・イン・ハワイ | ||
P・ミケルソン | 2013年WMフェニックスオープン | ||
7位 | 257 | M・スーチャック | 1955年テキサスオープン |
T・ウッズ | 2007年ツアーチャンピオンシップ | ||
J・ウォーカー | 2015年ソニーオープン・イン・ハワイ | ||
M・キム | 2018年ジョンディアクラシック | ||
松山英樹 | 2022年ソニーオープン・イン・ハワイ | ||
R・ヘンリー | 2022年ソニーオープン・イン・ハワイ |
文・宮井善一
1965年生まれ。和歌山県出身。スポーツニッポン新聞社でゴルフ記者を8年間務め、2004年にフリーのゴルフライターとして独立。ゴルフ誌などに執筆のほか日本プロゴルフ殿堂オフィシャルライターとして活動している。元世界ゴルフ殿堂選考委員。
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