アプローチのミスは”手先合わせ”が原因。グリップエンドをお腹に向けたままカラダで振ろう
シーズンインに備えよう! 人気コーチ・大西翔太があなたのスイングのマイナーチェンジをお手伝い!|Vol.5
人気の大西翔太コーチがスイング修正のポイントを親切アドバイス。スイングの「マイナーチェンジ」レッスンシリーズの第5回はアプローチショット。グリーン周りからピンに寄せたいときにチャックリやトップが出て大叩きの結果に。昨年はそんなアプローチによく泣かされた人は今のうちに欠点を直しておこう。
アプローチはグリップエンドとお腹の同調が決め手!
お腹が回らず手打ちになっていなかったかを見直そう
グリーン周りからのアプローチショットはピンまでの距離が20〜30ヤードくらいの場面が多いですよね。クラブはほとんどの人がAWやSWを使うことと思いますが、スイングの振り幅としては腰の高さくらいか、それよりもやや大きいでしょう。ドライバーやアイアンなどのフルショットと違って、ピンまでが近いため自分で振り幅をコントロールしなくてはなりません。そこがアプローチの難しいところです。
アプローチでミスが出やすい人は、手先だけの動きで距離を合わせようとします。カラダの回転を使わないで腕だけを振ろうとすると、インパクトで手首をコネやすくなります。インパクトの瞬間に力を入れたり緩めたりして距離をコントロールしようとするのもいけません。やはり手首中心のスイングとなり、フェースの芯でヒットできないからです。チャックリやトップなどのミスが出てしまう人の決定的なミスは「お腹を回していない」ことに尽きます。お腹が回転しないから手先だけの動きになっていると考えて間違いありません。
グリップエンドをお腹につける素振りでスイング改良
アプローチのような小さいスイングでも腕や手よりも、カラダの回転を主体にスイングすることが大切です。ここでは「お腹の回転」を意識してください。アドレスの姿勢を作ったら、お腹を右に回してテークバック。そして、お腹を戻してインパクトし、お腹が目標を指すまで振り抜きましょう。腕やクラブをカラダの真正面にキープしたまま、お腹を左右に回せば腕とクラブが一緒に動くというイメージです。実際はクラブの重さで手首のコッキングが少し働きますが、ナチュラルな動きにまかせるだけで手首の動きは意識しないことです。
時計盤の8時から4時までの振り幅においては、アドレス時のグリップエンドとお腹の距離を変えない。これがとても重要です。そこでグリップエンドがお腹に軽く触れるまでクラブを短く持って構え、素振りを繰り返してください。8時から4時までの振り幅ではグリップエンドがお腹から離れないようにします。それよりも大きいスイングになるとグリップエンドがお腹から離れますが、グリップエンドとお腹が連動する感覚が絶対に必要です。お腹が回らず、手先で振っている人は8時から4時の振り幅でもグリップエンドがお腹からすぐに離れてしまいます。
グリップエンドをお腹につけて素振りする練習はアプローチの上達に大きな効果があります。「こう振ればいいんだ!」と納得できるはずですし、これだけやっておけばチャックリやトップが出ないスイングが確実に身につきます。この基本的な動きをマスターしておかないと、アプローチの距離感も身につかないのです。グリップエンドとお腹の距離を変えないで8時〜4時のスイングで打てばキャリーが何ヤード出るのか。グリップエンドとお腹を連動させて9時から3時までの大きさで打ったら何ヤード飛ぶのか。正しいスイングで自分なりの距離感を把握してください。
またグリップエンドとお腹の距離をキープするイメージで長いインパクトゾーンを作ることができます。飛行機が滑走路に着陸するような緩やかな角度でクラブヘッドが下降し、インパクトは飛行機の離陸のようにクラブヘッドが緩やかな角度で上昇します。結果的にクラブヘッドのソールが芝の上をスムーズに滑っていき、インパクトの打点を長く作れるということです。フェースを長くスクエアにキープできるため、多少ミスヒットしてもチャックリやトップのような大きなミスにはなりにくいのです。
〈まとめ〉
・アプローチのミスは手で打とうとするのが原因
・小さいスイングでもお腹の回転がメイン
・グリップエンドとお腹の連動を意識しよう
・クラブを鈍角に入れて鈍角に振り抜く
・正しいスイングで自分の距離感を作る
・ソールの滑りが使えたらミスが激減する
取材・文/三代 崇
写真/渡辺義孝
協力/千葉カントリークラブ野田コース
大西翔太
おおにし・しょうた
1992年6月20日生まれ、千葉県出身。水城高校ゴルフ部を経てティーチングプロの道に進む。日本プロゴルフ協会A級の資格を取得。現在はジュニアゴルファーの指導に尽力する一方、青木瀬令奈らツアープロのコーチもつとめる。メンタルやフィジカルの知識も豊富で、幅広く活躍中。