これまでのゼクシオ観が一変!ダンロップ「ゼクシオX」アイアン
2022ニューモデルを関浩太郎が試打インプレッションVol.9
スイングコーチ兼クラブフィッターの関浩太郎が今回試打したのはダンロップ「ゼクシオX」アイアン。シニアユースのイメージがあるゼクシオアイアンにアスリート系のテイストを注入したニューモデルで、本来のやさしさはそのままに、幅広いゴルファーが受け入れられるようになったと評判が高い。
ヘッドに「XXIO」のロゴがない!?
ゼクシオといえばスリクソン並びダンロップの双璧をなすフラッグシップブランド。お目見えしてから20年以上の長きにわたり、日本のゴルファーに寄り添いながら着実に進化してきた印象がある。
とはいえ、メインターゲットはシニアやベテランのアベレージゴルファー。“やさしさ”を前面に押し出し、その部分で多くの支持を得てきた反面、若い層には「おじいちゃんが使うクラブ」と見られてきたことも否めない。
「ゼクシオX」はそんな先入観を打破し、これまでのゼクシオ観を一変させる存在になりそう。そのあたりをポイントに関に第一印象を聞いてみると、開口一番以下のコメントが飛び出した。
「ヘッドにモデル名が書いていない。これ、いいと思いません?」
その理由は以下の通り。
「お客さんにクラブフィッティングをする際に、ヘッドスピードはあるけれどミート率が低くて曲がる人。あるいはアイアンで打球が上がりすぎたり、フックが出る。さらに、弾きすぎる打感が嫌い、といった方には、難しすぎないプロモデルとしてゼクシオフォージドアイアンをおすすめすることが多かったんです。
でも、ヘッドの「XXIO」のロゴを見ると”ゼクシオねぇ……”みたいな、ちょっと複雑な反応が返ってきます。いいクラブですがシニア用のイメージが強く、思い切れない人が多いんですよ。でも、このモデルは、いい意味で見た目のゼクシオ観がない」
メイド・イン・ジャパンらしい作り込み
なるほど、そう言われるとパッと見、ゼクシオとはわからない。ロゴが消えただけだが、雑誌で言えば表紙はおろかタイトルまでガラッと変わるほどの変貌。メーカーの企画会議もさぞや揉めたことだろう。
「ロゴがなくなっただけでなく、デザインもカッコいいですよね。メッキの仕上げもきれいですし、ソールはスリクソンでも定評のあるV字ソールですが、尾根を境に艶消しと艶出しに分かれていて、メイド・イン・ジャパンらしい作り込み方です。
構えてみるとスタンダードゼクシオよりは小さいですが、プロモデルよりはヘッドが大きめ。グースも強めに入っているので“つかまり感”があります。まさに前述した傾向があって思い切れない若いゴルファーに、ゼクシオフォージドの後継としてすすめるのにうってつけです」
では実際に打ってもらおう。試打クラブは7番アイアンで、ロフトは29度とやや立ち気味。
「弾きが強めでパシッ!と飛んでいきます。ロフトはやや立っていますが、それよりもフェースの反発力や重心位置で飛んでいる感じがしますね」
飛距離は190.8ヤード。7番なのにバカッ飛びだったが、関曰く「ゼクシオはやさしさでナンボ。やさしくなければ認めない!」ということで、わざと芯を外して打ってみたところ、シャンクぎりぎりのヒールヒットで187.3ヤード、トゥヒットで189.1ヤード。トップ気味にフェースの下側で打つと186.5ヤード、フェースの上側で打つと、何と199.4ヤードとなった。
芯に当てなくてもナイスショット比5ヤード以内をクリア
「ヒール側はナイスショット比が5ヤード以内で合格。トゥヒットはグリップがズルッともって行かれたほど、トップはチョロ寸前で、手が痺れるくらいの感触で打ち出し角が低かったけれど、どちらも同様に5ヤード以内。
フェースの上の方に当たった場合はロフトが立った分飛んでしまいましたが、左足下がりや深いラフ、ディボット跡からのイメージで打ってみました。これはボールを右に置いて入射角がキツめになっても打てるということ。バリバリの低重心設計だとこの手の打ち方ができないのでどうかと思いましたが、問題なく打てましたね。これはもうゼクシオの称号に値するし、大きな武器になる。何たって芯に当てなくていいんですから!」
もちろんアスリートにも使えるということで操作性もチェック。ドローとフェードも打ち分けてもらった。
「ドローの場合、普通に打ってもドロー気味のボールが出るので、少し右に打ち出す感じでスイングするとサイドスピンがコントロールできます。飛距離も195.8ヤード。一方、フェードはやや出しづらいですね。そもそもつかまりのいいクラブなので、右方向に曲がりにくい。かなり打ち込む感じが必要です。それでも188.2ヤードと飛距離的にもバラつきがありません」
上々の試打感が得られたところで、どんなゴルファーに合いそうかをまとめてもらおう。
「いま現在、ヘッドスピードが速い人。なおかつ練習中で上昇志向が強いけれど、なかなか芯に当たらないゴルファー。こんな人がこれからうまくなっても買い替えることなく、ずっと使い続けられるアイアンです。もちろん買い替え需要にも応えてくれる。幅広い層にマッチするクラブと言えるでしょう」
試打・解説/関浩太郎
(せき こうたろう)1974年生まれ、茨城県出身。アメリカで最新のゴルフ理論を学びながら、ミニツアーを転戦。帰国後、クラフト技術を学んだ後、「SEKI GOLF CLUB目黒」を主宰。多くのアマチュアゴルファーのサポートを行い、さまざまなゴルフメディアでも活躍している。
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