持ち味の低重心にさらなる磨きをかけた! ダンロップ「ゼクシオ12」アイアン
2022ニューモデルを関浩太郎が試打インプレッションVol.10
スイングコーチ兼クラブフィッターの関浩太郎が今回試打したのはダンロップ「ゼクシオ12」アイアン。同じゼクシオでも前回紹介した「ゼクシオX」とは異なるキャラクターで、いわば正統派ゼクシオの流れを汲む進化系アイアン。その実力をガッツリ診断してもらおう。
こだわりのチタンフェースで低重心化を推進
いまややさしさの代名詞とも言っていい存在になった、ゼクシオアイアン。「ゼクシオ12」も長くて大きなフェース、厚めのトップライン、全体的に丸みを帯びた形状、アップライト気味のライ角など、ゼクシオの持ち味を継承している。
では、これまでと何が違うのか? まずはここから切り込んでもらおう。
「数年前に発売されたゼクシオクロスアイアン。ワイドソールとストロングロフトが特徴的なアイアンでしたが、それほどではないにしてもソールの広さがあります。ネックも短めで、おまけにフェース面の厚さは2.1ミリと紙みたいに薄い。
これらの工夫によって生じた余剰重量をヘッドの下方にもっていき、かなりの低重心化ができていると思いますね。一目でわかる違いはデザインがシンプルになり洗練されたこと。カッコいいクラブとともにプレーしたい、というゴルファーの欲求に応えるゼクシオに、また一歩近づいた感じです」
最大の持ち味である低重心設計にさらなる磨きをかけたということだが、フェース厚が2.1ミリとはちょっとびっくり。強度的に心配はないのか。
「その心配はありません。というのもフェースの素材はチタンで、僕の知る限り、いまフェースにチタンを使っているのはゼクシオだけ。チタンは硬くて強い素材。薄くて軽量化しやすく反発力もありますが、ボールをとらえる感覚と打感の良さもあります。
昨今よく使われているマレージング鋼などは打球音が高く弾き感が強いんです。フェースにチタンを使うのはゼクシオのこだわりのひとつのはず。そういう意味でも、奇をてらわず正常に進化させたアイアンだといえます」
キャリアの長いゴルファーでも満足の打感
打ってみたところ打音が違った。
「従来のいわゆる“飛距離系”アイアンの音ではないですね。インパクトでボールが潰れた感じがする音です。僕が感じた中ではゼクシオ史上一番打感が柔らかい。弾き感が強くなくて好感がもてます」
ということ。使用クラブは7番アイアンでロフト角は28度。ストロングロフトではあるが極端には立っていない。打感についてのメリットをもう少し突っ込んでみると、
「ゴルフキャリアが長く、軟鉄鍛造の打感を知っていて音にもこだわるゴルファーでも満足できると思いますよ」
との答え。もちろん、“やさしくなければゼクシオじゃない”のフレーズはこのモデルにも当てはまる。
「構えた時にフェース面が立ちすぎた感じがないので、ボールが上がる感じがあります。フェース面が大きいので、ストロングロフトでも寝て見えるんですね。グースも強めで従来のゼクシオユーザーが違和感なく移行できる作りと性能です」
ちなみに、関が軽く振った場合の飛距離は188.2ヤード。普通にスイングすると198.9ヤードを記録した。
「ドライバーでヘッドスピードが40m/sなら7番では37m/sくらいですが、そのヘッドスピードで打つと162.2ヤード。飛距離性能は間違いなく高いです」
1本目のスコアラインで打っても大きなミスにならない
いつものように、あえてミスヒットをしてもらったところ、トゥヒット、ヒールヒットではまったく問題なし。
「あえて言うなら、とことん右に飛ばないということですかね。基本的にボールのつかまりがいいクラブなので、普通にスイングできれば右への大きなミスの心配はまずありません。つかまりすぎにだけ注意すればOKです」
また、トップ打ちにおいては驚くべき寛容性が明らかになった。
「下から2本目のスコアラインで打つイメージで打っても178ヤードで真っすぐ打てます。ミスショットして1本目のスコアラインで打ってしまった時でも真っすぐ149.3ヤードでした。超低重心なので2本目でヒットしても当たりが薄くない。ここが芯かと思うくらいです。1本目に当たっても大きなミスではないですからね。逆にいつものようにダウンブローで4~5本目で打つと、芯よりも上に当たっているのかもしれません」
そもそも低重心設計はダウンブローに打てない人でも打てる設計。ソールが広いのもそのため。ダフりだけに注意すれば、フェースの相当下でヒットしても大丈夫ということで心強い。スイングタイプ的にはボールを横からとらえにいく、あるいはシャクるように振ってミスになるゴルファーにベストマッチするようである。
「ゼクシオはモデルによって性能が変わりますが、12についていえば正常に進化しています。より安心感をもってゼクシオの性能を手に入れたいに人は絶対手に入れたいアイアンです」
試打解説/関浩太郎
(せき こうたろう)1974年生まれ、茨城県出身。アメリカで最新のゴルフ理論を学びながら、ミニツアーを転戦。帰国後、クラフト技術を学んだ後、「SEKI GOLF CLUB目黒」を主宰。多くのアマチュアゴルファーのサポートを行い、さまざまなゴルフメディアでも活躍している。
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