父・タイガーとそっくりなスイングで注目を浴びたチャーリー君

タイガー・ウッズ(46歳)は衝撃的な事故からわずか10カ月後の昨年12月に長男チャーリーと父子ペアで試合出場し単独2位! またも奇跡の復活を果たした。2日目の最終日は11連続バーディなどで大会新記録タイの57をマーク。揃いの赤シャツ黒パンツの勝負コーデでプレーする姿は喜びと驚きの連続だった。

さらなる話題は長男のスイングや仕草が父に激似だったこと。ハイライト映像を見た父ウッズは鼻を拳で触る姿を見て「アレルギー(鼻炎)まで同じなんだ」とうれしそうに目を細めた。僕は初めてウッズのプレーを見た15歳時の面影を重ねノスタルジックに浸った。

チャーリーは09年2月9日フロリダ州オーランド生まれ。生後9カ月時に父のスキャンダル騒動で両親は翌年に離婚、家族で暮らした記憶がない。だが、タイガーは近くに住み学校の送迎など子供たちとの時間を優先し良好な関係を築いてきた。チャーリーは父の勝利を動画でしか知らずユーチューバーだと思っていたが、2019年マスターズ5勝目をオーガスタで実際に目撃し感激、ゴルフへの関心も急激に高まった。

少年時代にトロフィーが飾られた自宅居間で愛犬ジェニーと。壁には富士山と金閣寺と思われるタペストリーが。

母エリンはスウェーデン出身で、チャーリーは米国とスウェーデンの二重国籍。母のスウェーデンへの里帰りも常に同行し文化、習慣にも馴染んだバイリンガル&バイカルチュラルだ。

ウッズの母クルチダも外国人。タイ出身で母国語の愛称「トン」と呼ばれ育った。ウッズは9歳と18歳の時に里帰りに同行し、3度目の97年2月はタイ開催のホンダクラシックに出場し10打差で海外初勝利し母も歓喜! 国をあげての大フィーバーで名誉市民賞も受賞、タイ仏教のお守りネックレスを身につけ合掌し挨拶する姿も見られ「精神的には80%アジア人だと思っている」と語った。

チャーリーは2年前に地元のジュニアの試合で2位に5打差で初優勝し自信を得て猛練習。そこで父は全米屈指のジュニア指導者J・トーマスの父マイクにレッスンを依頼。父子試合では父のキャディ、J・ラカバの息子ジェイムスがキャディを担うなどドリームチームのバックアップ体制を整えた。父の友人の応援にも度々同行し8歳の時にはサッカーのリオネル・メッシ、10歳時にはテニスのラファエル・ナダルと言葉も交わし、父の大統領自由勲章授賞の際はホワイトハウスでトランプ元大統領と対面するなど特別な経験も数多い。

チャーリーが父と激似なのは大好きな父の背中を懸命に追いかけている証。勝負への執着も若き日の父そっくり。メジャー勝者トーマスとのパット合戦で先に決めると可愛いドヤ顔で挑発ポーズも。2月には13歳を迎え、父がプロ転向した20歳まで7年。父と入れ替わるようにPGAツアー選手になっているのだろうか? 微笑ましい2人の姿に思わず夢も重ねた。

●文/佐渡充高
さど・みつたか
上智大学法学部卒業。1985年に渡米し、USPGAツアーを中心に世界のゴルフを取材。NHKゴルフ解説者。


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