中島啓太、スター街道まっしぐら? 残るは実績のみ

世界アマチュアランク1位の中島啓太(21歳)が憧れのエクセル・スポーツ・マネジメント(以下E社)と契約し頼もしいサポートを得られることになった。

E社の表向きはタイガー・ウッズ(46歳)所属のエージェントで、実際はウッズの意向が反映されない契約はない。E社は10年前にウッズと担当マネージャーのマーク・スタインバーグ(53歳)により設立され今では業界屈指のマネジメント会社に成長した。

ウッズはプロ転向時に業界最大手IMG社と契約。ハーバード大学ビジネススクール出身のヒュー・ノートンという敏腕マネージャーがサポートしたが、ウッズ信頼の人物を排除する等で信頼関係は崩れ、解消。後任に選ばれたのがスタインバーグだった。

彼はイリノイ州生まれ、イリノイ大学ロースクール出身で学生時代は全米レベルのバスケ選手だった。インターンを経て92年IMGに入社、アニカ・ソレンスタムら女子選手を担当し頭角を現した。

98年欧州の試合に出場中だったウッズの元へ突然の指令で派遣された。初対面の夜、ロンドンのレストランで夕食を共にしたのだが、冷静沈着なスタインバーグが動揺するほどの混乱だった。熱狂的ファンとカメラマンの中、ようやくホテルの部屋にたどり着き安堵するや否やウッズは「これが僕のライフ。ようこそ!」と笑顔で彼を歓迎。これがパートナーシップの始まりだった。その日から互いの考えを率直に伝え合い、ウッズから学び、刺激を受け、互いに唯一無二の存在に。

絶対的信頼で09年のスキャンダル時も、スタインバーグはウッズを支えきった。翌年ウッズは離婚を機に公私ともに再出発を願い2人で独立、2011年にE社を設立した。

ウッズはスタインバーグを「常に選手に対して真正面で向き合い、決してイエスマンではない」と評価し、スタインバーグもウッズを「何事も熟考し慎重。契約の時期を読む洞察力は秀逸」と敬意を抱いている。

独立から半年後、最初の契約選手はツアー9勝のM・クーチャー。JトーマスとC・モリカワはアマ時代から注目しプロ転向と同時に契約。技術面、負傷対処、ウッズ独自のデータ分析による助言まで惜しみなく伝え、メジャー勝者へと導いた。契約者の枠は広がりMLBやNBAの著名選手、米国マスターズ中継MCジム・ナンズ、テーラー・スウィフトら多岐に渡る。

最新契約はJRスミス(36歳)。高校からNBA入りし16年間プレー、2度の優勝を経験したスター選手で、カレッジゴルファーへの夢を実現するためNBAを離れ昨秋ノースカロライナA&T州立大学へ。E社のサポートで第二の人生をスタートした。

「A Star is Made, Not Born」
スターは生まれるのではなく創られてきた。

中島にも彼が願う選手人生を歩めるようアイデアを思い巡らせているはず。ウッズ、スタインバーグ、中島のコラボがどのような“化学反応”を起こすのかワクワクしている。

●文/佐渡充高
さど・みつたか
上智大学法学部卒業。1985年に渡米し、USPGAツアーを中心に世界のゴルフを取材。NHKゴルフ解説者。


【佐渡充高のテレビでは語れなかったPGAツアー】
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