タイトリストAVXボールはどんな高みを見せてくれるのか?!
進化した新しいタイトリスト AVX ボールをコースに持ち込み、ロマン派ゴルフ作家が検証する!
ツアーボールに続く第三の選択肢として誕生した『タイトリスト AVX ボール』の実力は? コースに持ち込んで打ってみて分かったことをレポートする。
撮影/篠原嗣典
全てが詰まったゴルフボールって凄くないか?!
タイトリストは、2022年3月4日に新しい『タイトリスト AVX ボール』を発売する。
コピーは、“あなたのゴルフを、まだ見ぬ高みへ。”
タイトリストは、メディア向けの発表会でコメントした。
「このボールには、ゴルファーが期待することが全て詰まっている」
この3行だけで読んでも、タイトリストの強烈な自信が伝わってくる。
『タイトリスト AVX ボール』のテクノロジーと効果については、「NEW ハイスピード・低コンプレッションコア」と「ハイフレックスシングレイヤー」で、飛距離性能を進化させたことを筆頭に、「NEW キャスト・サーモセットウレタンカバー」で、グリーン周りのスピンコントロール性能を向上させたそうだ。
具体的には、ロングゲームとアイアンショットで低スピンになるボールにチューニングして、トレンドであるよりソフトな打感も実現したという。
タイトリストのボールは、メーカーのロゴがプリントされているのは、全てのボールの特徴で、『タイトリスト AVX ボール』も例外ではない。
その部分に憧れているゴルファーも少なからずいるのである。
個人的には、ポールサインと呼ばれる『AVX』のロゴに好感を持った。文字の左右の矢印が長くて、二重線のデザインになっているので、ラインにボールのラインを合わせるゴルファーにも使いやすいと思ったし、ボールを識別する際にも、目立つように感じたからだ。
『タイトリスト AVX ボール』の前モデルのインプレは高評価だった。
普通にゴルフをするのであれば、『プロV1』シリーズよりも、一般的なゴルファーには使いやすい、と感じたからだ。
新しい『タイトリスト AVX ボール』は、最初からかなりハードルが上がった状態で、コースに持ち込んでテストすることになった。
本当に全てが詰め込まれているボールなのか? しっかりとチェックするつもりで第一打を打った。
総合力で選ぶ第三の選択肢のボールがAVXだ!
『タイトリスト AVX ボール』の一発目は、中弾道のストレートボールで、飛距離は225ヤード。
ヘッドスピード40m/sとしては、トップレベルの飛距離で、あれ?と思った。
前モデルのボールより、ほんの少しだが飛んでいると直感的にわかったからだ。
いきなり飛距離性能の話になるが、テストラウンドを通して、ドライバーだけではなく、他のクラブでの飛距離が数ヤードずつだが伸びたことを確認した。
数ヤードではあるが、この数ヤードが天国と地獄の境目になることは、多くのゴルファーが知っているはずだ。
元々、トップレベルに飛ぶボールではあったが、その中でもトップを競える飛距離になったのだ。
話を少し戻そう。
打音の音量は小さめだ。音質は、高音で、乾いている。ゴルファーによっては軽い音、と感じるケースもあるかもしれない。
打ち応えは、やわらかいと分類される。とはいえ、しっかり感も強く、芯に当たった感じなどにこだわりがあるゴルファーにはオススメである。
弾道は、浮力が最小限の中弾道で、低めに分類される。曲げにくく、ストレートに飛ぼうとする。
スピン性能はドライバーからミドルアイアンまで低スピンで転がるが、ショートアイアンから突然止まるようになる。これは少し慣れが必要だ。
長いものは、花道から転がし乗せるような線の戦略。短いものは、直接狙う点の戦略。考えるだけでも楽しいし、そういうゴルフがしたかったゴルファーもたくさんいると推測する。
『タイトリスト AVX ボール』は、確かに総合力が更に高まって、凄いボールになった。
タイトリストは、ヘッドスピードで用具選びをすることに否定的であるが、個人的にはヘッドスピード40m/sのゴルファーにとって、とても使いやすいボールに仕上がっていると感じて、オススメである。
タイトリストのボール、特に『プロV1』シリーズを使いたいのに諦めたゴルファーに『タイトリスト AVX ボール』はオススメである。
これが、いわゆる第三の選択肢、ということになるのだ。
注意したい点は、やわらかいボールが好きだから、使おうと考えるケースだ。
タイトリストのボールとしては、間違いなくやわらかいのであるが、市場には昨年から、もっとやわらかい感触のボールがいくつもある。それらと比較すると、やわらかくはなく、固めだと感じるゴルファーもいると思うのだ。
逆に、しっかりした打感のボールが好きだというゴルファーには、『タイトリスト AVX ボール』が気持ちが良い感覚となる可能性がある。
『タイトリスト AVX ボール』は、タイトリストのテクノロジーと意地が詰まっている。
ボールのトレンドをリードしてきたタイトリストが、2022年の時点で、その先頭に立っているかどうかは、実は微妙なところである。ゴルファーの趣味嗜好は、移り気で、ときに、メーカーの想定を越えて変化していくからだ。
ボールにかんしては、特に、ツアーボールと一般ゴルファー向きのボールの境目が曖昧になっている大きな流れに、迅速に対応していくことが、ツアーボールのシェアが高いからこそ、タイトリストには難しくなっている。
だからこそ新しい『タイトリスト AVX ボール』の存在意義があり、その高い性能をゴルファーに提供できることを証明しなければならない、という宿命を感じた。
わかりやすいボールで、高性能なことは保証されているので、『タイトリスト AVX ボール』は試してみるべきボールなのである。
篠原嗣典。ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてデビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。
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