「シーズン2勝目一番乗り選手」にまつわる、嫌なジンクスとは!?

女子ツアーは今年からポイント制で年間通じての総合的な活躍度を評価するメルセデス・ランキングが翌年のシードを決める唯一のランキングとなった。昨季までは賞金ランキング1位が頂点というのが一般的な認識だったが、これからはメルセデス・ランキング1位が年間女王という位置づけになる。

メルセデス・ランキングがスタートしたのは2012年。これまで、のべ9人の「女王」が誕生しているが、全員に共通するデータがある。それは、シーズン2勝目一番乗りではないとうことだ。

誰よりも早くシーズン2勝目を挙げれば、賞金レースやポイントレースでは有利に働きそうなものである。だが、シーズンは長い。序盤に絶好調だった選手が、そのペースをシーズン通して維持することは非常に難しい。

2012年以降でシーズン2勝目一番乗りだった選手のうち、2勝止まりだったのが3例(昨季の笹生優花はメルセデス・ポイント対象の全米女子オープンで優勝しているため3勝とカウント)ある。故障で戦列を離れたなどの例もあるが、3分の1が序盤の勢いが止まったのである。


2012年以降のシーズン2勝目一番乗りがそのままシーズン最多勝となったのは2018年のアンソンジュただ1人。そのアンは賞金ランキングこそ1位に輝いたが、メルセデス・ランキングでは2位に甘んじている。

2015年に年間7勝を挙げて女子初の年間2億円突破を果たし、メルセデス・ランキングでも1位になったイボミのシーズン2勝目は4番目、昨季9勝の稲見萌寧は6番目だった。いきなりエンジン全開よりも、徐々に調子を上げていく方がシーズン通しての成績をつくりやすいのかもしれない。

さて、西郷だ。2勝目翌週のヤマハレディースオープン葛城で早くも3勝目。今のところ、死角が見当たらないと言いたくなるほどの充実ぶりである。ジンクスは破られるためにあるもの。このまま突っ走ってもらいたいものだ。

シーズン2勝目一番乗りの選手とメルセデス・ランキング順位

選手 シーズン優勝数 メルセデス・ランキング順位
2012 李知姫 2勝 10位
2013 佐伯三貴 2勝 7位
2014 一ノ瀬優希 2勝 63位
2015 テレサ・ルー 5勝 2位
2016 申ジエ 3勝 5位
2017 キムハヌル 3勝 2位
2018 アンソンジュ 5勝 2位
2019 申ジエ 3勝 2位
2020−21 笹生優花 3勝 6位


文・宮井善一
1965年生まれ。和歌山県出身。スポーツニッポン新聞社でゴルフ記者を8年間務め、2004年にフリーのゴルフライターとして独立。ゴルフ誌などに執筆のほか日本プロゴルフ殿堂オフィシャルライターとして活動している。元世界ゴルフ殿堂選考委員。



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